*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
<-百物語トップ
第一話
第二話
第三話
第四話
第五話
第六話
第七話
第八話
第九話
第十話
第十一話
第十二話
第十三話
第十四話
第十五話
第十六話
第十七話
第十八話
第十九話
第二十話
第二十一話
第二十二話
第二十三話
第二十四話
第二十五話
第二十六話
第二十七話
第二十八話
第二十九話
第三十話
第三十一話
第三十二話
第三十三話
第三十四話
第三十五話
第三十六話
第三十七話
第三十八話
第三十九話
第四十話
第四十一話
第四十二話
第四十三話
第四十四話
第四十五話
第四十六話
第四十七話
第四十八話
第四十九話
第五十話
第五十一話
第五十二話
第五十三話
第五十四話
第五十五話
第五十六話
第五十七話
第五十八話
第五十九話
第六十話
第六十一話
第六十二話
第六十三話
第六十四話
第六十五話
第六十六話
第六十七話
第六十八話
第六十九話
第七十話
第七十一話
第七十二話
第七十三話
第七十四話
第七十五話
第七十六話
第七十七話
第七十八話
第七十九話
第八十話
第八十一話
第八十二話
第八十三話
第八十四話
第八十五話
第八十六話
第八十七話
第八十八話
第八十九話
第九十話
第九十一話
第九十二話
第九十三話
第九十四話
第九十五話
第九十六話
第九十七話
第九十八話
第九十九話
第百話

<-百物語ランキング
<-オカルト板リンク集
<-摩訶不思議ワールド


百物語@オカルト板 2ちゃんねる
フッ・・・

第九十話

事故の原因

語り手:米 l83YaXBP0

302 :米 :2006/08/12(土) 05:51:49 ID:l83YaXBP0
「着信ナシ」

これは私の実体験です。
6年前、当時16歳だった私は、友人の誘いを受け、地元ではちょっと有名な心霊スポットである「廃ダム」へ胆試しに行った。
胆試しと言っても、集まった5人全員で、違反行為ですが原付3台に乗り込み、ダム周囲に渡っている周回コースを一周するだけ。
霊感がある者も、ましてや心霊現象を体験したものも、そしてそれを信じる人間もいない、いわゆるおふざけ感覚だった。

最初の内は、「この周回コースのどこかに変な扉があって、開けるともう戻って来られないらしいぜ」
等と、他愛もない話をしていた面々だが、次第に飽きが来たのか、無言の中でエンジン音だけが響く。

『ビィーーーーーーーーーーーーーーーッ!』

突然、私のバイクのクラクションが鳴り出す。後部シートに乗ってる奴の悪戯だ。
その手を払いのけ、轟音が止むと周りからは見え透いた悪戯に失笑が上がり出す。

すると次の瞬間、後ろを走っていた友人が突然の転倒。驚いた私達は、その場に停車し、友人の元へ駆け寄る。
大してスピードも出さずに走っていた所為か、幸い運転者にも同乗者にも怪我はなかった。
まったく怪談にもならない笑い話だ。

しばらくの沈黙の後、物凄い音で私の携帯電話が鳴り出した。
静けさの中の電子音にさすがに驚いたのか、皆笑いながらも急ぎ気味にバイクの元へ戻り、周回コースを走り抜けた。

ダムを離れ、ふもとの公園に到着し、談笑している時、途中で携帯が鳴ったのを思い出し、着信履歴を見てみる。
すると何故か20件の履歴が残る機種なのだが、19件しか残っておらず、転倒事故のときの着信履歴は残っていなかった。
あの電話は、一体何者からの電話だったのでしょうか。そしてあの時電話に出ていたら、何が起きていたのでしょう。
大して何も起こらなかった中、ちょっとした怪談話を作ってくれた私の携帯電話。
私は、少し誇らしげに、転倒した友人とその同乗者、終始ニヤニヤと笑っていたもう一組の友人達を見渡した。
その時に気付いてしまったんです。

「俺の後ろに乗ってたの、ダレ?」

【完】


フッ・・・