<-百物語トップ
第一話
第二話
第三話
第四話
第五話
第六話
第七話
第八話
第九話
第十話
第十一話
第十二話
第十三話
第十四話
第十五話
第十六話
第十七話
第十八話
第十九話
第二十話
第二十一話
第二十二話
第二十三話
第二十四話
第二十五話
第二十六話
第二十七話
第二十八話
第二十九話
第三十話
第三十一話
第三十二話
第三十三話
第三十四話
第三十五話
第三十六話
第三十七話
第三十八話
第三十九話
第四十話
第四十一話
第四十二話
第四十三話
第四十四話
第四十五話
第四十六話
第四十七話
第四十八話
第四十九話
第五十話
第五十一話
第五十二話
第五十三話
第五十四話
第五十五話
第五十六話
第五十七話
第五十八話
第五十九話
第六十話
第六十一話
第六十二話
第六十三話
第六十四話
第六十五話
第六十六話
第六十七話
第六十八話
第六十九話
第七十話
第七十一話
第七十二話
第七十三話
第七十四話
第七十五話
第七十六話
第七十七話
第七十八話
第七十九話
第八十話
第八十一話
第八十二話
第八十三話
第八十四話
第八十五話
第八十六話
第八十七話
第八十八話
第八十九話
第九十話
第九十一話
第九十二話
第九十三話
第九十四話
第九十五話
第九十六話
第九十七話
第九十八話
第九十九話
第百話
<-百物語ランキング <-オカルト板リンク集
<-摩訶不思議ワールド
|
|
第六十三話
石焼き
|
語り手:69 ◆RoVZy1UHxs
|
226 :69 ◆RoVZy1UHxs :2006/08/12(土) 03:15:14 ID:PULqPKlbO
【石焼き】
それは真夏の暑い日のことです。A君は中学三年生で受験勉強の真っ只中で、晩ご飯を食べおわるとすぐ塾の夏期講習で出された宿題をやっていました。
A君の家族は都営アパートに住んでいて、窓を開けながら勉強していました。すると季節外れの声が聞こえました。
「い〜し焼〜き…やぁ〜きたて〜ぇ〜…」
「まったく、こんな真夏のくそ暑い中、誰が買うんだよ。うるさくて集中できない。母さん静かにするように言って来てよ。」
しかし母親は黙ったままでした。話をまったく聞いていなかったというより、台所で夕飯の後片付けをしていたため聞こえなかったのでしょう。
しかし、いつまでも聞こえます。
「い〜し焼〜き…やぁ〜きたて〜ぇ〜…」
ちゃんとしたテープ使えよ。芋って言ってねぇじゃんか。自分で行くかぁ…
A君は家を出て階段を降りると、ヤクルトスワローズの帽子を被り黒のジャンパーを来た中年の男でした。
「すいません。今、僕は中学三年で高校受験の為に勉強に集中したいんで、早く移動して欲しいんですが。」
すると男はこう言いました。
「おぉ、すまんすまん。これはお詫びだ、受け取ってくれ。」
と、包まった暖かそうな新聞紙を差出しました。受験生ときいてわざわざ気を利かせてくれたのだろうと、暑いながらもA君は受け取りました。
しかし、次第に湿ってきて何が入っているのか新聞紙を開いてみました。
すると、新聞紙には焼きただれた母の首が入っていました。
男の顔を見ると、焼きただれた父の顔でした。
「うわぁっ」
と言う声とともにA君は起きました。
「何だ夢か…はぁ。でも何か気になるな。」
時間は深夜2丁度でした。寝汗びっしょりのA君は、涼みに外に出ることにしました。
すると、都営アパートの隣の階段で火の手があがっています。走って家に戻り、両親を起こすとすぐ非難したそうです。
【完】
|
|