<-百物語トップ
第一話
第二話
第三話
第四話
第五話
第六話
第七話
第八話
第九話
第十話
第十一話
第十二話
第十三話
第十四話
第十五話
第十六話
第十七話
第十八話
第十九話
第二十話
第二十一話
第二十二話
第二十三話
第二十四話
第二十五話
第二十六話
第二十七話
第二十八話
第二十九話
第三十話
第三十一話
第三十二話
第三十三話
第三十四話
第三十五話
第三十六話
第三十七話
第三十八話
第三十九話
第四十話
第四十一話
第四十二話
第四十三話
第四十四話
第四十五話
第四十六話
第四十七話
第四十八話
第四十九話
第五十話
第五十一話
第五十二話
第五十三話
第五十四話
第五十五話
第五十六話
第五十七話
第五十八話
第五十九話
第六十話
第六十一話
第六十二話
第六十三話
第六十四話
第六十五話
第六十六話
第六十七話
第六十八話
第六十九話
第七十話
第七十一話
第七十二話
第七十三話
第七十四話
第七十五話
第七十六話
第七十七話
第七十八話
第七十九話
第八十話
第八十一話
第八十二話
第八十三話
第八十四話
第八十五話
第八十六話
第八十七話
第八十八話
第八十九話
第九十話
第九十一話
第九十二話
第九十三話
第九十四話
第九十五話
第九十六話
第九十七話
第九十八話
第九十九話
第百話
<-百物語ランキング <-オカルト板リンク集
<-摩訶不思議ワールド
|
|
第五十五話
妻の不思議な能力
|
語り手:やもりん vGgzvcDe0
|
201 :やもりん :2006/08/12(土) 02:38:43 ID:vGgzvcDe0
(1/2)
妻には昔から不思議な力があるらしい。
俗に言う「霊感」、というのとはちょっとニュアンスが違うのかな?
なんていうのか、人が発する強い念(みたいなもの)を受信する
感度の高い「アンテナ」みたいなものを持っているようだ。
一昨年の秋口の話。
その日朝から妻の具合がどうにも悪く、
心配なので俺も会社を休んで看病することに。
午前10時過ぎくらいだっただろうか?
薬を飲んで眠っている妻の様子がおかしい。
額には大粒の汗をにじませ、なにやらうんうんうなされている。
あんまり長いこと続くので心配になって揺り起こしてみる。
202 :やもりん :2006/08/12(土) 02:39:31 ID:vGgzvcDe0
(2/2)
「怖い夢をみた。」
握った手が震えている。唇も蒼白だ。
30〜40歳くらいの中年男性が、
人と思えないような鬼気迫る形相で
怒号のような罵声で、ありとあらゆるこの世の全てに対する
恨みつらみを撒き散らしている様を夢に見た、という。
人があんなふうに憎悪に狂う姿はとても言葉に出来ない、と。
・
・
・
目を覚ました妻の体調が少し良くなってきたようなので
少し早めの昼食の準備をしようかなどと思いつつ
なにげなく居間のTVをつけると、程なくしてニュース速報の字幕が流れる。
「池●小殺傷事件の死刑囚の刑が執行」
午後の報道番組で詳細を知ったのだが、刑が執行された時刻と
妻が悪夢にうなされて起きたのはほぼ同時刻だったようだ。
まもなく死に相対する人間がどんなことを想うのか。
つくづく、自分は変なものを受信できない体でよかったと思う。
【完】
|
|