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フッ・・・

第三十四話

有る筈のないもの

語り手:ふたりぼっち T0jcZs3t0

122 :ふたりぼっち :2006/08/11(金) 23:46:47 ID:T0jcZs3t0
1/2
夢ってことにしたかったけど、現実だとなんとなく気づいてるし、皆さんもっと怖い体験してたりするしで、認めることにします。

中学生のときの話。

私は塾に通っていて、終わるのはいつも10時を過ぎたくらいだったんです。
で、当然、帰り道は暗いんですよね。夜だから。
場所は人形町なのですが、こういうところって、大通りと細道の、温度差?みたいなものが激しいんですよね。
人気のあるなしの差が顕著で、その極端さが田舎にはない種の恐怖を煽っているような気もしますよね?(適当)
小さな会社が並ぶ細い路地とか、月明かりだけが頼りで。それすらビルに阻まれたりしてて。
比喩ではない文字通りの都会に潜む闇、みたいな。
で、びびりのクセに怖い話とか、なんか出そうなとこが大好きな私は、わざわざそんな道を探したものでした。
そして、いくつめかの路地を通っているとき。

あれ!

と。なにか変なんです。
私、霊感とかは微妙ですが、「不吉なもの」「危険なこと」には、びびっとくるんです。
なんかやばい、なにかおかしい、そういうのは、小さいころからの経験でカンが鋭いんです。
(このまま走ってると怪我するな、とか。)
で、ばっ、とそのいやな感じのする方を見たんです。右手側。

123 :ふたりぼっち :2006/08/11(金) 23:48:37 ID:T0jcZs3t0
2/2

祠。
ビルとビルの間に、ひっそりと、周囲を木の柵で囲って、赤い絨毯?が奥の祭壇らしきとこまで続いてた。
祭壇といってても、何が祀ってあるかはわからない。神輿で担ぐやつみたいになってた。
変ですよね?そんなの。
私も、変だなぁ、と思って、じっと見てた。

!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

全速力で逃げました。
自分の中のいろんなものが
「スグニココカラニゲロ」っていってた。
不吉も不吉、やばいやばいやばいやばいやばいやばいってマジで!
ひたすらダッシュ。おぼろ丸のように。大通りついて、駅の階段駆け落ちていきました。

こういう話のオチって、想像つくかもですけど。
なかったんですよね。祠なんて。
後日友人を暗くなる前に(夜だと怖いから)連れてったら、なんにもなくって。
でも夢じゃない。その日私は、ちゃんと塾で授業受けてただからホントのことで。
当時の私は夢って思い込もうとしてたけど、平行世界やら何やらと、オカルトチックな話を聞いた後では、
あれはそういうことだったんかなー?とびくびくしてみたりしてます。びくびく。
そんな話。

【完】


フッ・・・