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第二十二話
放課後
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語り手:ネコ○ RcdPr2VF0
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81 :ネコ○ :2006/08/11(金) 22:46:20 ID:RcdPr2VF0
「放課後」1/3
私の通っていた中学には「開かずの間」がある。
「開かずの間」は一応窓ガラスがついているが、
開かずの間に通じる階段からコンクリートで塗り固められていて
完全に封鎖されているので、遠目にしか確認できない(開かずの間は4階に有り、教室などは3階にある)
なぜそこが開かずの間になったかについては色々な説があるし、
学校の歴史も今の校舎に建て替えられてからの歴史も古いので、色々な怪談話もある。
実際、私の居る代に学校の授業でカヌー(体育の選択授業の科目だった)
をしに河に行った2年生がその日その河で水死体を発見したという事件もあった。
82 :ネコ○ :2006/08/11(金) 22:47:06 ID:RcdPr2VF0
「放課後」2/3
そんなこんなで怪談、怪事件の多い私の母校で私は生徒会役員なんてやっていて、
暗くなるまで学校に残らなきゃいけないこともしょっちゅうだった。
その日も結局遅くなって帰宅しようとしたときには時計の針は8時を指していた。
そして、生徒会のメンバー3、4人で一緒に帰ろうと校舎を出たときに1人が開かずの間を指差して「あれ、おかしくない?」と聞いてきた。
全員で指差された方向(開かずの間)を見るとその部屋がゆっくり明るくなっていく。
認めると怖いので、私は「誰かが電気でも点けたんでしょ」と言った。
「あの部屋には入れないんだよ!?どうやって点けるの!!」
「職員室とかにでも、スイッチがあるんじゃないの?」
「それにしたっておかしいでしょ!?あんなにゆっくり明るくなっていくなんて、電気が点いた時の光り方じゃないよ?」
そう話してる間にも開かずの間の明かりはゆっくり、ゆっくりと明るくなっていく。
83 :ネコ○ :2006/08/11(金) 22:48:19 ID:RcdPr2VF0
「放課後」3/3
“おかしい。“
その場に居る全員がそう感じた。
それでも、確かめに行く事はできない。なにより早く帰りたい気持ちが強くなっている。
「もういいよ。帰ろう」
メンバーの中の1人の一言で足早に全員が家の方向へ歩き始めた。
学校の方は振り向かないようにして。
けれど、私は振り向いて見たのだ。
開かずの間の窓から私たちの方向を向いている影を。
【完】
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