*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
<-百物語トップ
第一話
第二話
第三話
第四話
第五話
第六話
第七話
第八話
第九話
第十話
第十一話
第十二話
第十三話
第十四話
第十五話
第十六話
第十七話
第十八話
第十九話
第二十話
第二十一話
第二十二話
第二十三話
第二十四話
第二十五話
第二十六話
第二十七話
第二十八話
第二十九話
第三十話
第三十一話
第三十二話
第三十三話
第三十四話
第三十五話
第三十六話
第三十七話
第三十八話
第三十九話
第四十話
第四十一話
第四十二話
第四十三話
第四十四話
第四十五話
第四十六話
第四十七話
第四十八話
第四十九話
第五十話
第五十一話
第五十二話
第五十三話
第五十四話
第五十五話
第五十六話
第五十七話
第五十八話
第五十九話
第六十話
第六十一話
第六十二話
第六十三話
第六十四話
第六十五話
第六十六話
第六十七話
第六十八話
第六十九話
第七十話
第七十一話
第七十二話
第七十三話
第七十四話
第七十五話
第七十六話
第七十七話
第七十八話
第七十九話
第八十話
第八十一話
第八十二話
第八十三話
第八十四話
第八十五話
第八十六話
第八十七話
第八十八話
第八十九話
第九十話
第九十一話
第九十二話
第九十三話
第九十四話
第九十五話
第九十六話
第九十七話
第九十八話
第九十九話
第百話

<-百物語ランキング
<-オカルト板リンク集
<-摩訶不思議ワールド


百物語@オカルト板 2ちゃんねる
フッ・・・

第百話

里帰り

語り手:黒 ◆9fw1ZntG8Y

334 :黒 ◆9fw1ZntG8Y :2006/08/12(土) 07:08:04 ID:yNwqTCvu0
「里帰り」 1/2

小学生ぐらいの頃は、毎年夏休みには田舎の祖父母の家へ遊びに行ってました。
田舎で過ごす時間は、何かと楽しかったと覚えています。
近所の子供達ともすぐ仲良くなって、一緒に遊んでいました。

でも、夜になると一人で退屈なことが多かったです。
見たいテレビ番組がないと、おもちゃも漫画もなかったので退屈でした。

ある日、村の集会で祖父母が外出してた日がありました。
私は一人留守番です。
テレビにも見飽きたわたしが興味を持ったのは、蚊取り線香でした。

ライターで蚊取り線香に火を付けました。
先じゃなくて途中から火を付けてみたり。
上に紙切れを置いて、次第に焦げていくところを眺めてみたり。

そのうち、炎の上がらない蚊取り線香よりも、紙を燃やしたほうが楽しいと思い始めました。
新聞紙をちぎって灰皿の上で燃やしました。
何度か繰り返すうちに、もっと長く燃やせないかと考え始めました。
そして、新聞紙を丸く筒状に加工しました。
下から火を付けてゆっくり燃える様を見ようと。

335 :黒 ◆9fw1ZntG8Y :2006/08/12(土) 07:09:45 ID:yNwqTCvu0
「里帰り」2/2

わくわくしながらライターで点火しようとしたとき、ふと後ろから手を押さえられました。
ふりかえると、知らないおばあさんが座っていました。
少し怒った顔をしていたけど、優しそうな顔をしたおばあさんでした。

”そんなことをしてはいけない”と言うおばあさんに、退屈でしょうがないと文句を言いました。
おばあさんはどこからかお手玉を取り出して、やってみせてくれました。
見たことがないくらい上手なお手玉でした。
わたしにも教えてくれました。
祖父母が帰宅するまでの間、夢中になって練習したりおばあさんに見せてもらったりしました。

そのうち、玄関で祖父母が帰ってきた音がしました。
わたしは喜んで出迎えに行きました。
が、二人を連れて居間に戻ったとき、あのおばあさんはいませんでした。

一人で留守番できて偉いねと言う祖父母に、おばあさんと遊んでいたことを話しました。
お手玉が上手なおばさんというと、おじいさんは納得したようでした。
○○のばあさんだなと。(○○は多分地名だと思います)

そのおばあさんはお手玉が上手でよく見せてくれたそうです。
 おじいさんが子供の頃に。

きっと、お盆で里帰りしていたおばあさんなんだと思います。

【完】


フッ・・・