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第五十四話
柿の木の男
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語り手:◆CAT///M.2A
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330 : ◆CAT///M.2A :2006/07/23(日) 03:17:06 ID:nFZR1hzR0
高校生の時の話。
部活やってて、毎日帰りが6時くらいだった。
季節は秋で、その時間帯になると外は薄暗くなっていた。
いつも自転車で通る通学路に柿の木があった。結構大きい木だった。
そこにいつも半そでの白いシャツを着た男が立っていた。
すごく背の高い男で、枝に届きそうなくらいだった。
同じ部活のやつも何人もその男を目撃していて、「すごい背の高い人だな」って噂になってた。
ところがある日、変な事に気がついた友人がいた。そこは民家なんだけど、
塀が俺たちの腰の高さまであって、そのすぐ向こうに柿の木がある。
つまり足が異様に長いのだ。
何かの台に乗ってるのかとも思った。
ところが変な噂が流れた。
それは「俺たちの高校が夏休みの間、浪人中の受験生がノイローゼになって、
例の柿の木の下で首をつって自殺した」という内容の噂だった。
それからというもの、俺は柿の木をさけて家に帰るようになったが、
おもしろ半分に、見に行くやつもいた。やっぱり男は柿の木のすぐ下にいるらしい。
季節が段々晩秋になっていくにもかかわらず、相変わらず半そでを着ているらしい。
べたな話でスマソ。でも実話。高校はとっくに卒業してしまったので今どうなって
いるかは分からないけど、首を吊ったのもほんとらしい。
【完】
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