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  [No.296] 787ジャンボ機に思う事(技術論)−1
     投稿者:福管理人   投稿日:2013/06/23(Sun) 08:18:14

787ジャンボ機に思う事(技術論)

「前書き」
「787のトラブル」の解明が迷走している。
筆者は、これに付いて思うところがあり(下記)、ある程度の過去の「航空機の経験識」もあり、これを解明するに必要とする「物理系の専門的な技術者」でもあったので、その「技術的な意見」を敢えて投稿する。
投稿するに当り「787本機」は、国産と見なされるほどに「日本の最新技術」を駆使し、その国産率は70%と成っているし、”国産の航空機 日本の技術”の進歩と完成を夢見る技術者であった者にとっては大喜の極みである。
既に、「日本の最新技術」での「100%の国産機」が三菱とホンダで製作され始めていると聞く。
そこで、是非、安定した世界に「日本の技術」が誇れる様に、本件のトラブルの真の解決の一端になればと考え、それを願って下記にその真因を技術的に論じてみたい。
そもそも、我等青木氏族は「物造りの神豊受大神」を「親神」とし、その「子神の祖先神−神明社」を「守護神」としている氏族である。幸いそのトラブル内容が筆者の得意とする専門分野の範囲であった事から技術的な論処を以って論じて見る。
末尾にそのトラブル内容を列記しているが、「専門的な技術的観点」から検証して観ると、そのところにはある「真因」が見えて来る。
そもそも、この「787」の「バッテリー設備」は、「充電−発電−供給−保護回路」の「4ユニット」で成立っている。そして夫々のメーカーは異なる。
此処に「決定的な問題」があって、「幾つかの欠陥」に結び付きやすく問題に成り易い事が潜んでいるのだ。この事は縷縷下記で問題毎に論じるが、これは取り分け「技術に関する問題」であるので、より理解を深める為に先ずはその「基礎知識」から話を進める。

「基礎知識」
その前に、その論の理解を得る為に基礎的な事が必要と成るので「物理と電気の基礎知識」を解説する。
そもそも、「電気設備」とは、中でも「ハード回路」ではなく「ソフト基盤」(「プリント基板」)で構成された器機には設計上で想定出来ない事が絶対に起る。
(現在はどんなものでも量産製品は、この「ソフト基盤」(「プリント基板」)で出来ている。)
何故ならば、「抵抗類」や「ダイオード類」や「コンデンサー類」や「トランジスタ類」の鉱物が主体と成ってこの「4つのパーツ」を占めて構成されるからで、この「4つのパーツ」には特有の特性を持っている。
人間でもその人の特有の「性格」がある様に、「4つのパーツ」(鉱物)にも「性格」となる「特性・特質」を持っているのだ。その人の「性格」は「周囲環境」に左右し、その「周囲環境」に適合していなければ問題を起こす。
同じように、この「鉱物」には自然の一物であるので、「環境条件」に大きく左右される特質を持っているのだ。この事が「特性・特質」と「環境条件」を無視した設計でパーツや製品を作ると、その「特質変化」で問題を起こすのである。
何故ならば、この「環境条件」と一言で云うが、「世界の環境条件」には「大きな幅」を持っているからだ。
その「大きな幅」を持った鉱物で出来た「パーツと製品」は、それに対応する事は並大抵ではないのだ。
本論はこの領域の話に成るので「応用物理学の専門的技術論」と成る。
一般的には、世間ではこの論じる事柄は全く知らないで利用されている筈で、又、「パーツや製品」の使用にはその領域までの事はタッチしないでも使える。この辺が「ハード回路」と異なるところである。
むしろ、この「回路部分」には、”タッチさせない事” が注意書にも書いている事でもあるし、当然にカバーされて勝手に回路修正も出来ない事に成っている。
故に、この「787の欠陥」の事を理解しようとすると、先ず100%は無理と成り、その侭で終わってしまう。
況して、「787のトラブル原因」は、”今だ解らない”としている位で、他社がこの回路を解析出来ないのである。(ハード回路は個人でも詳細に解析出来る。)
それ程に、単純に「設計ミス」は別として、「環境条件」に因って、「部品の特質」に因って ”いざ問題”と成ると、欠陥を解明するには、かなり「応用物理の専門的な事」に成るのである。
下記の「4つの条件」を兼ね備えた技術者とすると、100万人が居たとしたら1人居るかどうかの専門的な事なのであるからだ。況して、「電気回路分野の事」「応用物理学の分野の事」のこの「2つの分野」に跨っているからだ。
この電気回路でも「ソフト基盤」の「プリント基板」と成ると尚更、専門域である。
この”片方の分野の専門知識”を得ていたとしても理解出来ないと云うこの専門分野なのだ。
この領域は「応用物理」と「ソフト回路」の両方の知識(1)が必要で、その分野でも更に専門分野(2)なのだ。
その両方の特異で高い専門域のノウハウ(3)を得ていなければ成らないと判断出来ないのである。
更に、極め付けは、上記した様に「環境条件」の「鉱物の特性の変化」を「チャンバー」と云う「特殊な装置」で再現して、実際に「世界環境条件」の中で使えなくては成らないのであるから、この「チャンバー」でのノウハウ(4)が必要に成るのだ。
この理屈の「4つの条件(1)(2)(3)(4)」は”平地での環境条件”だけの話である。
これに、「航空機」と云う条件の「特殊な環境条件」(5)が加わるのだ。
この(5)が特に問題に成るのだ。
最早、”これをまともに理解出来る専門技術者はいない”と断言してもいい位である。
そもそも、応用物理系のこの分野に従事している専門技術者は希と云ってもいい位であろう。
故に、天下の航空機メーカーも ”解らない” とし、トラブルの論理的解説も無い侭であるのだ。
約5ケ月の間にマスコミの解説でも技術的な解説は無かった。

そこで、老体に鞭を打って昔のこの知識を引き出し論じる事と決断した。
「日本の技術進歩」の為に何とか役に立てればとして論じ様と思う。
「100%日本製の航空機」の実現の為にも「詳細な技術論」を論じる。

「4つのパーツ」の構成
「抵抗類」や「ダイオード類」や「コンデンサー類」や「トランジスタ類」の「4つのパーツ」を組み合わせれば、その夫々の部品の持つ特質で、色々な別の部品を造る事が出来る。又、回路を組む事が出来る。
専門で無い方はこれ等の事が、”787にどれたけの問題に成るか”が理解出来ないと考えるので、敢えて、ここで最低理解が得られる程度に敢えて丁寧に専門知識を披露し論じる事とする。
この程度の事は事前に理解して頂きたい。

例えば、一つの例として、「抵抗」は電流を調整出来るが、これに「コンデンサー」をつなげば「コンデンサー」に溜まる「充電量」が決まる。この「充電量」を「別の回路」に流せば、その「充電量」に応じた時間だけが、他のパーツや別の回路を動かす事が出来る。
つまり、これは「微細なタイマー」が出来る事に成る。それを「ダイオード」と繋げば「流す方向」と「流す量」と「流す整流」を造る事が出来るのだ。

この様に、「抵抗」はこの様に「電流の調整」の他に、「ノイズ」や「異質信号」を強襲して吸収して「熱」に変えて潰してしまう性質もある。
「コンデンサー」は電気を溜めるだけではなく「流れ方向」や「流す量」や、「抵抗」と同じく「ノイズ」や「異質信号」を溜めて「整流化」して消してしまう性質もある。
(この様な性質が下記に論じる787の本当の原因を理解する上で重要で、この特質は、これまた「環境条件」に大きく左右するので特に留意して頂きたい。 下記で論じる。)
更に、本文中では、是非に留意して頂きたい知識を述べると、例えば、これ等の部品を使って「人間の記憶」と同じ能力の「記憶の回路」さえも造る事が出来るのだ。
これには原理的なものとして「自己保持回路」と云うものがある。
ある「信号」が入ると、その「信号」を「自分」で捕らえて回路を開き、その「信号」を「自分」で覚えておける回路を組む事が出来る。
(普通は信号は他のパーツが捕らえて、それを関係するパーツに伝達するのが仕組みである。これをシーケンスと呼ぶ。)
この「回路の仕組み」は、全く人間の脳の中で起こっている現象と同じ動作をし、その速さなどの「特質」は脳の持つ「特質」と殆ど同じである。
何と、これは上記した「4つのパーツ」で出来るのである。
因みに、その「頭脳」に成る「回路の概容」をどの様に組むのかを簡単に解説する。これは以後の説明に役立つので敢えてここで記する。

・「基本回路の概容」
ある「信号A」を右から「トランジスタ類A」の「接点1」に流し、その「トランジスタ類A」に「接電負荷A」(駆動源)を繋ぎ、その「負荷A」が働くと、その自分の「トランジスタ類A」が持つもう一つの「接点2」が「接点1」を保護するように葡萄の様に2重にぶら下がる様に結ぶと、この入って来た「信号A」は、自分の「接電負荷A」(駆動源)が切られない限り、その「信号A」を切る事が無く永久にその状態を遺す事ができる仕組みである。
つまり、自分で自分を管理して他からの影響を受けない仕組みである。(脳のシナブス)
そして、この「仕組みの基本回路」に「電流方向」や「電流の流れる程度」や「量」や「ノイズ」や「異質信号」が入らない様に、上記の「ダイオード類」や「抵抗類」や「コンデンサー類」を「接点1」から「接電負荷A」との間に繋いでおけば「記憶の基本回路」は完成する。
これを「蜂の巣」(ハニーカム回路 左脳)に類似する様に、無数に作ってカムを相互に繋いで置けば置くほど「記憶」は溜まる事に成る。
後はその記憶を引き出すには、その一つの「カム」にその「カムの縁」を通る様に「ダイオード類」を結んでおけば「カムの縁」を引き出す「信号B」が流れて「接点2」を解除し、その記憶されている「カム」に到達して「信号A」を引き出してくる事が出来る。
この左脳と同じ働きをしている部位から「信号A」が引き出されても、永久に保存する場合は、上記した動作を起こして、常に電気を流し続ける仕組みにして置くと出来る。
これを「ROM回路」と云う仕組みであり、一時的に保存するのであれば、その左脳に匹敵する「ハニーカム」にその期間だけ電気を流し、後は電気の供給を停める様にしておく事で出来る。これを「RAM回路」と云う仕組みである。
この「ROM回路」と「RAM回路」を上手く使いこなせば良い事に成る。
この様に、大まかには回路と云うものが出来上がっている。
下記に問題点として論じる「静電気」や「ノイズ」や「異質信号」は、此処に勝手に侵入して来て、予想もしなかった信号が回路に入ってくるので、記憶がどちらを採用すればよいか判らなく成り「パニック」(ハンギング)に成って、「誤った動き」や”回路事態が壊れる”と言う現象を起こすのである。

>「環境条件」の影響
この上記した「基本回路」が、本論の最も根幹の部分で、これが「特質・特性」と「環境条件」に複合的に左右されるのである。基本回路が「特質・特性」と「環境条件」に影響受けていては”基本”の意味を成さない事に成る。少なくとも「基本」は「基本」でいて欲しいものである。人の世の中とは同じである。
「基本」と「原則」の類が「基本・原則」でいないから世の中は乱れる。鉱物も回路も同じ宿命を担っているのだ。これは「世の条理・道理」である。この世の条理道理を何とかしようとするのが文明の進歩の力に成る。何とかしようとするのが本論の技術論である。本論の技術論を解決する事で文明は進歩するのだ。況や、「787」は世紀に誇る進歩の航空機と成り得るのである。それの「鍵」を日本が握っているとして論じている。
ここで、苦手な人もこの事だけは概容としては本論中は知っておいて頂きたい。
判りやすく云えば、「4つのパーツ」の鉱物は、「結晶体」(「ハニーカム結晶体」)と云う「特殊な鉱物」であるからこそ「環境条件」に左右されやすいし、「予想外の事」が起こり易いのである。
真に「雪の結晶」の様に微妙なのである。この様に先ずは理解して戴く。
「ソフト回路の基盤」とは、真にこの「4つのパーツの結晶体」から出来ていると云っても過言ではない。
ここでは「電気回路の論」ではないので、その様に理解しておいて戴くと本論が判りやすい。

この主な「4つのパーツ」の諸々の「電気特質」をいろいろと組み合わせて、「ハード回路」以上の回路が出来る。ところが、上記する「結晶体」のみならず、この主な「4つのパーツ」そのものが、先ず「特質・特性」と「環境条件」に因って大きく左右される。だから設計した以上の思わぬ症状を起こすのである。
この左右する「環境条件」が単数であれば、設計的に仕様として自然に準備でき防御対策が考えられるし、採れる。ところが、全く単数では無いのである。
先ず、「人間の頭脳」や「コンピータの頭脳」では、これだけ時代が進んでも事前想定が未だ出来ないのである。
その「ソフト回路の基盤」(ソフト基盤)が一つであれば未だしも無数の複数である事、更には別の「ソフト回路基盤」との絡みも出て来る。(「4つの装置」である)
更に、一つの設備の「ソフト基盤」には夫々その目的に別けて、更に子回路の「ソフト回路基盤」が作られる。「枝葉状の基盤構成」で成り立っている。
例えば、「電源部」をコントロールする「電源基盤」、この「電源基盤」でもその電源の内容に依って別けて作られるので、大体少なくとも「4つ位の電源基盤類」が出来る事になる。
他に色々な「ハードの装置」を動かす「操作基盤」がある。これはその「装置の数」に関わる基盤が出来上がり、これを一つに管理する「回路操作基盤」もある。
更には、上記した様に、動きなどを記憶しておかなければ成らない「記憶基盤」があり、これには「ROM基盤」と「RAM基盤」に別けられる。
元々、回路には別けて考えると、常にどんな事があっても覚えておくべき記憶(ROM)と、動き出した時に覚えておかなくては成らない記憶(RAM)の基盤に別けられる。
これには「母体」に成る「記憶基盤」と「子体」に成る「記憶基盤」がある。
大きくなれば成る程にこれが装置毎に作られるので「枝葉系の記憶基盤」が出来る。
他に、「設備や装置」(ハード)の「根幹仕様」を決めて置く「仕様基盤」があるので、これも「仕様」の「枝葉系基盤」が出来る。
ここに上記した「静電気」の信号や「ノイズ」や「異質信号」が、環境条件に左右されて突然ある基盤の特定のところに侵入してくるから、上記した基盤類の相互間で繋がっている為に、全てがパニックに成り、「ロッキング」や「ハンギング」や「フリージング」が起こり、時には「予想もしていない動き」(パニック)を起こすのである。
ここで問題と成っている「航空機」等は、「仕様の枝葉系」に至るまで、この上記する全てのものが存在する。
この「4つのパーツ」で出来る「ソフト基盤」には欠かす事の出来ない物として、色々な状態を把握する「センサー基盤」がある。これはその「センサーの数」だけは少なくともある。
この「センサーの答え」が「環境条件」で変化していては「センサー」ではなくなる。
ところが、この「センサー基盤」は基盤のみならず「センサー事態」が最も「環境条件」に左右されるものなのである。
何故ならば、この「センサー」は殆どは「ダイオード類」などと同じ鉱物などに依ってその特質を利用して出来ている。中には複数のものを組み合わせて作られている。本論のリチウムもその一つである。
冷却センサーや振動センサーや比重センサーや水準センサー等数々のセンサーとして、このリチウムの「特質・特性」を利点として使われているのである。
故に、自然の物理的な物質である限りは、どんなものでも間違い無く「環境条件」に大きく左右する。
つまりは、「センサー」が一定と思われがちであるが、この「センサーの特質」の「質と限度」が一定ではないという事なのだ。「環境条件」に大きく左右されるのだ。
故に、センサーは”ある範囲で使用制限(標準条件 下記)して可能と成っている。ところが、「航空機」と云う「特別の環境条件」が絡むと難しく成る。
況して、これを”純度の高い結晶体”で出来上がっているものが殆どなので、上記した「雪の結晶体」と同じく敏感に「環境条件」にその選び抜いた「特質」は変化するのである。
故に、総じて、”「ソフト基盤」=「環境条件」” そのものである事が誰が考えても判る。
この「センサー基盤」の「センサー類」が、次ぎの環境条件に影響する。
「温度」 「湿度」 「気圧」「圧力」  「電圧」「電位」  「電流」「荷電」  「振動」「衝撃  「磁場」「磁界」  「静電気」  「ノイズ」  「フリー電子」  「サージ」 「水準」  「光」・・・
等、ありとあらゆる物を監視しているが、特に「787の電気回路」(此処では「バッテリー関係」の「4つの装置」に限定)の「ソフト基盤」には、この「センサー」が大きく働いている。

地上のものより「航空機」は、「厳しい環境」に晒されている訳であるから、
「センサー」の「環境条件に依る特性変化」(1)
「センサー基盤」そのものの「環境条件に依る特性変化」(2)
以上は、「787が求める管理値」を保証し、維持管理出来るのかは、はなはだ疑問であるのだ。
ここが先ず、「第1の問題点」なのだ。

これは「センサー」で例えたが、次ぎの二つに別けられて問題を引き起こすのである。
・「基盤 2特性変化」
A 「パーツ単体の環境条件に依る特質変化」
B 「パーツで構成されている「ソフト基盤」の環境条件に依る特質変化」

この「2つの特性変化」は次ぎの要因に分類出来る。
・「特性変化の5要因」
(a) 環境条件 「温度」「湿度」「気圧」      四季が持つ自然特性の変異
(b) 電気条件 「電位」「電流」「荷電」      電気が持つ特性の変異
(c) 機械条件 「振動」「磁場」「圧力」      外部から機械的に加わるエネルギーの変異
(d) 自然条件 「静電気」「自由電子」「サージ」  自然現象が引き起こすエネルギーの変異
(e) 化学条件 「酸化反応」「還元反応」「イオン化」化学的な影響が引き起こす変異

恐らくは、この上記の「基盤 2特性変化」の(A・B)が働く事から、求られる「管理値」を、航空機のフライト毎の ”「ある一時的なピーク」”には、「特性変化の要因:(a)から(e)」を明らかに超えていると考えられる。
言い換えれば、この ”「ある一時的なピーク」” が、地上の「自動車等」に比べて、「航空機」には数多く持っていると云う事なのだ。

これを大まかに別ければ、次ぎの「3期」に成る。
(イ) 「テイクオフ期」
(ロ) 「ランディング期」
(ハ) 「上空10K期」
以上の3期の「環境条件による特質変化」が起こる事に成る。

この”3期の「環境条件による特性変化」”は、「経験値」から観て、そんな生易しいものではない。
因みに、「経験値」としては、「センサー等の本体類」では次ぎの様に成る。

「指定値」に対して少なくとも5%超
「センサー等の基盤類」でも5%超
以上が、負荷する「環境条件に依って起る特性変化」として少なくとも起るだろう。

合計10%超の「特性変化」が見込まれる。

この”「10%超の特性変化」”に加えて、更に、次ぎの特質変化が加算される。
「センサー等の自体」に3%
「センサー等の基盤本体」に3%
夫々「3%程度」の”許容する「エラーとバイアス」”を持っている。

とすると、定格に比して、合わせて「最大で16%程度」の「特性変化」を起こす事に成る。
「最小でも10%程度」は起こす事に成る。(統計学でもこの様に計算されている)

「特性変化」の量≒「最小10% 最大で16%」

参考の例として、「温度」では、次ぎの数値を一般的に何処でも原則として使うが、上記の「経験値」は、「標準の環境条件の範囲」で使われる。
然し、世界にはこの「標準の環境条件」ばかりではない。「標準の環境条件」を超える「過酷条件」と云うものがある。
「過酷条件」(プレッシャーテスト)は物に依って適用が異なるが、「基盤関係」はこの「過酷条件」の中でも行う事を「国連の安全輸送時の標準」として定められていて、各国ではこれが標準と成っている。
では、その環境条件に関して、”「標準条件」と「過酷条件」”とは、”どの様な範囲までを設定しているか”である。

>「過酷条件」
A 最高40℃、最低0℃(−10℃) 「寒冷地仕様基準」で−10℃ 実際は−20℃適用 
  標準:22℃(20℃)±20℃  「一般仕様」はこの環境変化の範囲を適用

B 最高80℃ 最低−40℃     「センサー類」等の計測器機類に主に適用
  過酷:22℃(20℃)±60℃(40℃) 

(世界標準温度は20℃であったが、温暖化で22℃と修正された。更に、企業ごとに「製品に対する保証」をより良くする為に、詳細に、上下の限度を加算している。)

>「試験標準」
 温度22℃(20℃) 許容値幅 ±5℃
 湿度50%RH 許容値幅 ±10%RH

(この領域では、傾向として物理的に材質を安定させる特質を持っている為に欠陥は出にくい。この領域で「特性変化の欠陥」が出れば、それは品質とは成り得ない。)

ところが、”この条件で「環境条件テスト」をクリヤー出来るか”と云うとそうではないのだ。
各企業はそのノウハウを生かして、更に、「詳細」に「特定条件」と云うものを定めている。

その特定条件類の一例を記する。

>「特定条件−1」
C 温度13度 湿度20% 気圧1 通常の範囲で起る「特定環境条件テスト」がある。
Cの様に、「湿度」の低湿に依る影響が顕著に現れるポイントである。

例えば、標準の「静電気」に依る「特性変化」は、この狭い限定したポイント付近で顕著に出現する。これを「限定条件」とも云う。
あらゆる「環境条件」には、”その特質を顕著に現れる領域”がある。−「限定条件」

(ここでは「静電気」が最も問題と成って影響受けているのでその領域を示した。)

「静電気」以外にも物理学では数多くあるが、此処では全てを書き記す事は困難であるので割愛するが、都度必要に応じて下記で書き記す。

>「特定条件−2」
D 温度40度 湿度80% 気圧1 通常の範囲で起る「特定環境条件テスト」がある。
Dの様に、「湿度」の高湿に依る影響が顕著に現れるポイントである。

高ければ高いほどに、”比例的に問題と成る欠陥が顕著に現れる”と云う事ではなく、この領域で問題が出易いのである。これには「自然物理学の高度な論理」が働いている。

例えば、標準の”「短絡チャージ」”に依る「特性変化」は、この「特定条件−2」の狭いポイント付近で顕著に出現する。
「高湿」が「40度−100%」の様に高ければ影響が出ると云う事ではないのだ。
起る事は起るが、「温度」と「水分量」が多すぎて、別の「湿度」と云うよりは、「温度」と絡んだ「水分」と云う問題の現象と成って現れる。

事程左様に、「温度や湿度等の環境条件」には、その特質を顕著に現れる”「ある特定の領域」”が存在するのだ。
これが、下記に論じる問題点に大きく左右する特性に成るのである。
闇雲にテストしても、”必ず現れる”と云う事ではないのだ。

これには、「環境条件下テスト」の「チャンバー」の中では、「専門的な領域」の「経験値」が働くが、「経験のノウハウ」だけではなく、これ等には「物理の高度な論理性」が裏づけとして存在するのだ。
従って、その「ノウハウの把握」は次ぎの様に成る。

・「3つの理論性」
(1) 「パーツの特性」
(2) 「物理学の論理性」
(3) 「環境条件の理論性」
以上の”「3つが噛み合うポイント」”を特定してテストをしなければ成らないのである。

上記の「特定条件」には、この「3つの理論性」が裏づけされる。

「温度」や「湿度」を闇雲に上下すれば問題点を見つけ出せると云う事では決してない。
この「ポイント」を見つけ出すには、上記の「3つの理論性」に幅広く、且つ、精通していなくては成らない事に成る。
故に「高度な専門性」が要求されるのだ。
これには多くの進んだ 
(4) 「高度な計測器機の把握」
(5) 「チヤンバーの操作力」
以上がこれに加えて要求される。

相当な学問と経験とノウハウで構築された専門域職であるので、この担当者には「リーダーのノウハウ」が下へ下へと継承されて行き、その技術者集団が構築されている。一朝一夜では構築されない集団がこのテストに挑戦する。(これが日本の強みである

この様に”色々な状況”を再現し易い「特定限定テスト」が各種あり、各企業は努力してノウハウを継承して、”独自の特定条件” を確立しているのだ。
この領域は、最早、「ノウハウ領域」で「自然物理学の専門領域」でもある。

この「環境条件」の「標準温度」を中心に、「湿度」、「気圧」等の「幅域」を交互に組みあせてテストを繰り返す。(テストには・「マトリックスチャート」を作成する)

全ての「環境条件」の「組み合わせ条件」のテストを終わらせるには、普通は次ぎの様に成る。

・「マトリックス幅」
「温度域を5度幅」
「湿度域を5%」
「気圧域は1気圧」を基準
「下側に0.2気圧幅」、「上側に0.2気圧1段」

以上として行うのが普通である。
その物に依って「特定環境条件の領域(ステップ)」を細かくして行う事等の事をする。
・「テストの経緯」
このテスト数は、次ぎの様な項目と成る。
”[「テスト項目]×「ステップ数」]の2乗” のテスト(マトリックスチャートテスト)をしながら、問題が出れば「原因・対策・確認」を繰り返して次に進むが、前の「原因・対策・確認」が次ぎのテストで裏目に出る事も起る。「勘域」を研ぎ澄まし忍耐の要る作業である。
「応用物理学」と「電気回路学」の超専門知識を駆使しての事である。
先ず、長い経験が無くては専門的な計測器機に現れる数値の読み取りが難しい。
その変化した数値が、許容の範囲であるのか、どんな波形の「出現現象」が問題であるのか等の判断が必要である。”この「出現現象」に対してどの様な対策を講ずれば良いか”の専門知識も必要に成る。

目視や映像の経験した発見も必要に成る。
「ソフト回路上」で直すのか、機械的に直すのか、物理的に直すのか、の判断も必要と成る。
殆ど夜を徹しての専門家の会議に会議が繰り返される。
依って、先ず、速くて半年、遅くて1年が充分に掛かる程度のテストなのである。
このテストが完了して「量産と出荷」が始まる。
普通は試作機から始める場合が多く、途中で量産が始まり、対策品を交換しながら「出荷待ち」方式を採るのが現実である。
この様なテストの経緯を辿りながらも、「航空機」と成ると、地上での「テスト経緯」では無理である。
それは地上で起こる環境変化はある一定期間はほぼ一定の中で起こる事なので、その前提でテストを繰り返す。ところが、下記にも詳細に検証するが、この変化は地上では考えられない様な「155M/S」の速さで急激に変化するし、それが一日に何度も起こる。
この環境条件の特殊な変化に対応するテストが必要に成る。


>「航空機の環境」
「航空機」と成ると、この「平地での環境条件」とは比べ物に成らない多くの厳しい環境条件が働く事は判るが、「未知の世界」であるが、気圧1に対して0.2気圧付近まで変化する事から上記する「特定環境条件」とは考えられない異なる事が起る。
当然に「平地での環境条件」をクリヤーした上での事と成るが、当然に「環境条件テスト」は倍は所要する事が予想できる。
(筆者には軍事的な機密事項の航空機のテストの経験が一度ある)

話を戻して、その前に ”「航空機」に対する認識の厳しさ” を理解する為に、上記のこの「16%」に付いて先に検証して置くとして、”どの程度の事なのか” と云うと、次ぎの事で判るだろう。
この数字がどれだけの意味を持っているのかと云うことだが、例えば、参考として「100V電圧」では、「±最小14%」(ルート2%)で「定格許容値」で何とか使えるレベル、最高24%で使用限界値で動かないとか、過熱とか、発火するとかの「異常な問題」が発生する。
あらゆる環境条件の中で日本ではこの範囲で規定される。
当然に、「特性変化量」に因って、「航空機の電圧レベル」に対してもほぼ同じことが云える(下記)

「特性変化」の量≒「最小10% 最大で16%」

電圧での一般的な「定格許容値」を超えているが、これを参考にしても、明らかに問題を起こす領域である。そうすると、「最大16%」なので問題を起こす事にも成る。
この例で観れば、「航空機」では、「過酷の環境条件」の「下限の−40度」の温度域付近の範囲に、「通常の環境」が入って来る。これで「航空機の条件(直流)」が「環境」に影響を受けて”如何に厳しい環境”であるかが判る。
この「二つの検証」を観ても、絶対に無視できる範囲ではないのだ。”無視”と云うよりは、”航空機の特有の環境条件の対策を講じない限りは「異変」が必ず起る”の範囲である事が判る。
この「環境条件下テスト」での「過酷テスト」までを行わない事の自体がおかしい事が判る筈である。

「787」では「充電設備の装置」が、「4つの装置」で構成されていたとすると、この「一つの装置」でも大変なのに「4つの装置」で連携している事もあり、上記の様な「環境条件」に左右されやすい「ソフト基盤」があり、その「ソフト基盤」の「特質の変化」は「環境条件下」で起こす。
更に、それを製造設計したメーカーは別々で製造したとなれば、「一つの装置」を捉えても大変なのに、仮に、「4つの装置」に対して各メーカがこの「環境条件の対策」を実行したとしても、「4つの装置」もあるとすると、”結合してユニットにした時のその「4つの装置」間に潜む「環境条件の特質変化」の対策はどのように成ったか”は大疑問である。先ず行っていない事が次ぎの事柄で判る。

・「環境概念の有無」
とりあえず、理解を深める為に、先にこの事について前置きとして論じて置く。
ところが、残念ながら”「環境条件変化の対策」を実行していない”とする根拠がある。
何故ならば、先ず第一に、この「環境条件」の対策を見つけ出す為にテストをする「特殊な装置」(チャンバー)の製造が日本が独壇場なのである。その為に先ずテストしていない確率が高い事が云える。
つまり、”独断場”と云う事は、その「テストする装置」が外国には少ないと云う事であり、この”少ない”と云う事は、上記に「専門域の技術者」で論じた様に、その「環境条件下」でのノウハウの「専門的な知識」が低いと云う事に成る。当然に、その「専門家の技術者」も少ないと云う事に成る。
当然にその周囲では、「環境条件下での品質」に対する「意識も概念」も低いという事に成る。
故に、実行されていない事の確立は高い。

そもそも、「国民性の概念」の中に、この「環境条件下」と云う概念が低い事が云える。
”それは何故そうなるか”と云うと、「国土の季節性」に依って培った「国民性」と、「民族形成」から来る「合理主義」と云う「国民性」から来ている。(下記でも論じる)
どちらかと云うと、”その国の「環境条件」が「国民性」を造る。即ち、 「環境条件」=国民性」=「概念」と云える。
又、全般的には「787」は、「ソフト基盤」と「リチウムイオン電池」を新しく使った「航空機」と云う事も原因しているとも考えられる。
更には、次ぎの事も考えられる。
”テストする為の本体が大きすぎる事”
”「普通の環境条件」以外にも、”「航空機」と云う「環境条件類」が、余りにも「変わり過ぎる事”
”その変わり過ぎる「変化の幅と速さ」が桁外れである事”
”「意識、又は、意思」の無さに繋がっている事”
以上もある。
何れから観ても、”環境概念は低い”と云う要因が働く。
それだけに再現できる様に、先ずは、テスト出切るに部位を先ず「小型化」にして、次ぎに、「環境条件下の特質の変化」を想定し、最後に、事前にその「問題点の摘出と対策」が必要であるのだ。
ところが、、ここに「大きな問題」が顕在しているのだ。
それは次ぎの様な企業間にとって何時も起る面倒な事柄である。
特に、”これが国間に跨っている” となると尚更である。
「テスト用の小型化」を何処が作り、何処がテストをし、何処が発見し、何処が対策をし、その対策を何処の装置のところに設置するか、何処が計測器機を準備し、何処がこのコストを賄うか、この様に、”そもそも”と成る問題が多いが、どの様な「環境条件のテスト」をするかを何処が決めるのか、決め方に依っては自分の所にしわ寄せが来るか等で「設置の莫大なコストの利害」(下記)が伴うし、欠陥が見つかったとして、その対策をどの様にするか、その決まったとした対策を直接の部位の装置の所に設置するか、その原因を誘引した部位の装置のところで設置するか等、到底、別メーカーであると絶対に決め難い事が起る。
これは後日に何かトラブルが起った時に何処の責任にするか、何処がその賠償を払うか、そのコストを何処が持つのかは先ず決まるものではない。先ず会社の存続を揺るがす大問題と成り、先ずは解決不可能な裁判と成る事は必定である。
(「リチウムイオン電池メーカー」が賠償要求が出ているが、日本の電池メーカー側は反論している)
そうすると、明らかに解決策はただ一つに成る。
これを「4つの装置」を「ユニット」にして「一つの会社」が始めから「設計製作」を「請け負う事」以外にはない。そして、日本の特技の「環境条件下テスト」を行い対策して、未来の為に解決するべきである。
つまり、上記する事を自分のところで一切責任を持って全てを賄う事以外には無い事に成る。
この「環境条件下で品質維持の概念」が低い他の先進国では成し得る事ではない。
当然に、日本以外には無く成るし、日本は逆にこの「環境条件下の品質意識」が、有給の歴史を経て、「環境条件」=国民性」=「概念」で「常識概念」として持っている。
一方は「低い概念」が、他方では「常識概念」と成れば自ずと方向は決まる。
元々、上記した様に、”特殊で高度な専門的な技術的な知識” を伴うのである。
それを ”「4つの装置」に別けて別々に発注すると云う発想事態” が、この「4つの装置」に絡む「技術知識の無さ」が露見している。
下記にも、この如何に専門的で微妙な領域の知識を有している「4つの装置」であるかを論じるが、「4つが別発注」の考え方が、専門的に観ると全く理解出来ないのである。

上記した様な ”何処が” と云う問題解決の可能性も然りながら、最も大事である専門的判断にも、”リスクが余りにも大きすぎる”と云う現実的な弱点を持っているのに、”無理”である事を”可能”だと、「787」が「真逆の判断」した。(”無理”は環境条件下テスト」を実行すれば”可能”に成る。)
この事には、”これ等の知識が無かった”か、或いは、”別の思惑”があって真逆の判断をしたのか、この何れかであろう事が判る。
然し、少なくとも ”何処が” の問題だけは事前に理解出来できていた筈で、”専門的な弱点”に付いては” 全てとは行かなくても事前に多少成りとも理解はしていた” と考えられる。
とすると、”「無知識」”よりは、 ”「別の思惑」”に傾くは必定で、その”別の思惑”とは、「本件の特長」である ”「70%日本製」”にあった事に成ると考えられる。

そもそも、この”別の思惑”にはある辛い歴史が日本側にあった。
この「航空産業」の経緯は、戦前は日本とアメリカの産業であった。
(戦前は「零式戦闘機」や「隼戦闘機」で航空産業は米国と競合していた。)
敗戦によりこの「航空産業」を占領下に於いて米国は禁止したのである。そして、その後は弱体化している日本に対して米国の圧力に依ってこの「航空産業」の再開は認めず出来なかったのである。
約50年間程度の間は「日本の航空産業」は開発が出来なかった。この間、「米国の航空産業」は寡占企業となった。
然し、この縛りも解けて、戦前の「4つの主要航空産業」は開発を始め、日本の最新の技術を以って再び米国に勝るとも劣らぬ「航空機」を作り始めた。そして、遂には、「70%国産」の「787」と成ったのである。
(航空機設計者であった有名な「糸川氏」もロケットに切り替えて現在のロケット産業が生き返った。)
自動車や原子力発電等の ”「アメリカ発の産業」”が、全て ”「日本発の産業」”に変わり始めた時の様に、アメリカは、世界最新鋭の「70%日本製航空機」の端緒に、この「リチウムイオン電池」を主体とする電気回路まで日本製にする事に抵抗が大きかったと考えられる。
「100%日本製航空機」が出来てしまう事を極めて恐れたのではないか。
彼等は、今の侭では、「自動車産業」の様に、「日本の品質チェック体制」と、その上記した「伝統の専門知識」が、最早、このままでは ”日本優位と成り同じ結果を招く” と、 戦後の航空産業を押さえ込んだ様に恐れたと考えられる。
これは ”現実の事実”として「787カーボングラファイトの航空機」がこれを物語る。
最早、「聖域を守って来た米国の航空産業」も ”「日本初の産業」”は始まっていると考えて、せめての”「アメリカ発の産業」のプライド”が、この判断を引き出してしまったのではないかと予想できる。
何故ならば、「ソフト基盤」のこの「電気回路」と「リチウムイオン電池」も進んだ「環境条件のテストの品質保証」が起因して「電気回路]までもが ”「日本発の産業」”と成って仕舞っているからだ。
この回路までも、三菱に委託すれば「完全な日本製」で、「787製」は無く成る事になる。
「787」での「電気回路の組み立て」があるからこそ、それを「大儀明文」に「米国の組み立て」と成っているからである。
今まではジェットエンジンの出力でハードの装置を動かしていたが、このエンジン出力を止めて「電気回路の出力」を「リチウムイオン電池」の「充電−発電(供給)−蓄電」に切り替える事で「燃費率」を向上させ、「エンジンの出力の余剰分」でより早くより「安定した航空機」としたのである。
つまり、”「エンジン出力」と「電気回路出力」の2つで構成されているこの航空機” のこの「電気回路出力」を、全て”「日本発の産業」”としてしまうと ”エンジンのみと組み立て” に成って仕舞う事に成る。
そうなれば、最早、”アメリカで組み立てる根拠”は無く成る事を意味する。
「787」のみならず ”アメリカのプライド”が許さなかったと考えられる。

実は、この”プライド固持”に走った理由に、他にもあった。
それは、完全に ”「日本初の産業」”と成ってしまっていた史実がこの時にあったのだ。
三菱とホンダとが、”設計から生産までの世界初の最新鋭機の「100%航空機」” を作り試験飛行中であった。
「カーボングラファイト」の機体のみならず、小燃費の「日本製のエンジン」と「環境条件下」での「日本製の電気回路出力」の航空機に加え、機体の最新の流体力学での開発と改良とが加わった航空機なのである。
(中型機、試験飛行、品質試験中、事前受注中、だが、現在は”環境条件下に対応し安定を保証したもの”を進めていると期待している。下記に論じるが、日本では ”「環境条件下」” これ無しでは品質として容認しない土壌がある。)

「環境条件」が「4つの装置」の「回路部に与える影響とその危険性」を論じてきたが、この問題では済まない更に大きな問題を抱えているのだ。そして、それが上記した様に環境条件に厳しい欠点を持つ「航空機の環境」が危険の輪を広げているのだ。(「環境条件下テスト」を行なえば必ず解決できる事ではある)
それは、「リチウムイオン電池」そのものである。

>「リチウムイオン電池」の弱点
何れにとっても「787」より全てに及んで、 「日本発の産業」の ”進んだ航空機” が目の前に見せられていたのである。
「787」にしてみれば、これは最早、「企業存続の問題」であった筈である。
ここで「電気回路」を ”「日本発の産業」”に委ねてしまえば、それはこの「日本開発の航空機」と同じになって仕舞う事を意味する。
結局は、「787」に執っては、欠陥続出は ”「4つの装置の別発注」の判断” が不幸にも裏目に出た事を意味し、「米国産業の衰退」を意味する事に成ったのである。
”原因不明”の「見切り発車」は、「衰退の道」を走っている事を示している事に成る。
「見切り発車」をしなければ「787の企業」は倒産するは必定であり、「原因追求」まで待つ事は耐え切れない「大きなリスク」である。
況して、この状況になれば、「日本開発の航空機」が目の前に顕在しているのであるから、誰が考えても日本に取って代わられる事も必定である。
仮に「見切り発車」をせずに、「原因追求」と成った時には、「環境条件下テスト」の「ノウハウ」と、その「テスト用装置のチヤンバー」と、その「計測器機」の有無から観て、日本に依頼する以外に手は無い。
もし、そうなった時には、「判断ミスの責任問題」が「787企業」にあった事を露見する事に成る。

(政治問題化するであろう事が予想出来る。裏ではしていたのではないか。「原因不明」の状況下の中で日本政府は許可を出した。)

その証拠に ”「イワサのリチウムイオン電池」に「単独欠陥」があった”とする ”責任回避の発言” を「787企業」がした事でも判る。
その「欠陥箇所」を指摘していないのである。(三菱やイワサはこれに対して反論している。)
何故なら、「日本開発の航空機」の情報から観て、”環境条件に対応して安定を保証する事前試験を行う事” が、事前に「787企業」は予見できた事を意味している。だから”この発言と成った”のである。
実は、「787企業」を始めとして「アメリカ航空産業」の全てが、この「イワサのリチウムイオン電池の導入」に対して、どの様な根拠であるかは解らないが、”航空機に最適な機材である” とし事前に発言しているのである。

・「発熱欠陥」
恐らくは、三菱側は日本では常識と成っている「環境条件下テスト」と「一括ユニット受注」のこの提案をしていたのでは無いかと考えられる。
世界の最先端を進む日本のハイブリットとEV自動車の「リチウムイオン電池」では「発火欠陥」が出ている経験上、自動車では専門技術者に恵まれて次第に対策は進んでいる。然し、それより遥かに”「環境条件」が厳しい航空機”では初めてである。
それ故に、この「自動車の経験知識」は当然にハイブリットやEVの自動車を持つ三菱もこの懸念を持っていたと充分に考えられる。

(「地上の自動車」は「+側の「発熱」」に対して影響し、「上空の航空機」は主にその環境条件の変化から「−側の発熱」に影響する。下記)

(参考 「発熱欠陥」を捉えてハイブリットとEV自動車での対策研究では、「リチウムイオン電池」の「+側電極のリチウム塩」のより安定した材質の開発へと進んでいる。 70%のコバルトから他の材質に切り替える為に研究が進んでいる。7種類の後有無酸化塩が確認できる。下記)

国際基準では、「リチウムイオン電池」に対しては、「装置」での規定ではないが、「輸送」に対しては規定している。この事から最初に「航空機に装置」として使うのだから、無視する事は絶対にあり得ない。
その後の調査では、「787企業」にはこの「専門の技術者」が存在しない事が判明している。
これで、「787企業」の「無知識」と「別の思惑」の両方であった事が証明した事になるのである。
故に、恐らくは、この三菱の「2つの提案」(「環境条件下テスト」と「一括ユニット受注」)を無視したことが判る。

筆者はこの「見切り発車」を否定するものではない。企業に於いてこの「見切り発車」は企業存続に取って必要な場合が有り得る。しかしである、この「見切り発車」には条件がある。
その品質レベルが「安全領域側」にあっての「見切り発車」は容認できる。
その品質レベルが「危険領域側」にあっての「見切り発車」は感化できない。
この「原因不明」の「見切り発車」は「危険領域側」にあると判断する。
現実に「日本の企業」はこの領域は「見切り発車」はしない。少なくとも「日本企業」はしないのが普通で、これは判断を委ねられる「日本の技術者の常識」である。それが日本の「技術者の誇り」であり古来から培って来た概念である。
”原因が特定できない” その侭に、「80項目」と云われる「暫定対策」の「見切り発車」は考え難い。
その対策は、何と考えられない ”発熱しても燃えない様にする対策”と発言している。
聞いて”唖然”とする。

(下記で論じるが、「リチウム」の「固有独特の特性」から「蓄熱現象」と云う危険な特性を持っている。
ある一定以上の「発熱」をすると、その「熱応力」は結晶に蓄積されて増加して行くのである。結果、ある限度を超えると「過熱現象」が起こり、遂には、「バーニング」を起こす事に成る。
因って、”発熱しても燃えない様にする対策” は既に遅いのである。
下記に論じるが、航空機の独特の環境条件に因って「−側の発熱」の為に冬期に起こり易いのだ。)

彼等には、これが常識であるかも知れないが、筆者には専門技術者として到底理解出来ない。

そもそも、「リチウムイオン電池」は「発熱・過熱現象」の発生は、最早、それは「終わり」なのである。
何故ならば、この「リチウムイオン電池」の「顕著な特性」で、一度発熱すると「劣化の負のスパイラル」が100%起こす特性を持っていて、それが高速にて、且つ、重複的に他の欠陥を誘起する特質を持っているからだ。(下記で詳細に記述論で論じる)

この発言は明らかに「787企業の技術の無さ」を露見している。それも殆どである。
この「技術の無さ」が所以して、この対策と成った事を物語る。もし、あったとしたなら、先ずこの様な「発言」と「見切り発車」と「この対策」に成らない筈である。
但し、この発想は「日本人の常識」であるかも知れないが。

さて、そこで、果たして、「787」が「安全領域側」にあるのか、「危険領域側」にあるのか考えて頂く為に、この点をより具体的に深く論じる。日本人が間違っているのか、はたまたアメリカ人が正しいのか、”決着”を着け様と思う。
上記のこの様な「背景と経緯」があったが、そこで、「三菱の2つの提案」と成ったと観られる筆者成りのその「技術論」を展開して理解を深めたい。

・「環境条件の概念の違い」
そこで、多少、専門的であり技術的な事に慣れていない方が多いと思うが、出来るだけ解りやすく丁寧に論じるので、下記の論じる事を読んで戴くとよく理解できると考える。

そもそも、この「専門的な知識」とは、一見しての場合、「電気系の技術者」と考えがちであるが、決してそうではない。上記の説明の通り「電気系の技術者」だけでは解決できる内容では無い事が直ぐに判る筈である。
その ”問題と成っている欠陥” が「応用物理学の範疇」である。そもそも電気回路が悪かった訳ではなく、”「環境条件下」に耐えうる品質で無かった事”に所以している。
出来上がっている「4つのパーツ」は上記で説明した様に、全て「鉱物製品」である事を見ても、又「環境条件」と云う「自然の物理現象」の事を考えても、これは「物理系の技術者」でなければ解らない。
この様な事は大学で「電気系の技術者」は学んでいない。この分野は応用物理学で金属学か鉱物冶金工学の範疇である。
つまり、この「2つの分野の技術者」のコンビネーションにて「環境条件対策」が可能に成る。
中でも、「電気系の技術者」の中でも、その回路を設計した「主任設計技術者」でなくては無理であるのだ。
と云うのは、回路上に明記されていない隠されたノウハウが回路の要所要所に組み込まれているからで、”「電気回路」が読める”からと云って簡単に判るという事ではない。
「ハード回路」なら電気回路技術者なら判るが、「ソフトの電子回路」は概容は判るが、細かいところまで対策できる判断力は把握出来無いのである。「ソフト基盤の難点」でもある。
下手に対策すると、その対策が別の問題を引き起こすと云う逆の事が起こり易いのである。
設計者でも起こり易い事なのである。
企業に依っては、「物理系の技術者」が、「電気回路」をある領域までマスターしてテストを実行して問題点を相談して対策を構ずる事のパターンが多い。
色々な「高度な検査計測器機」を駆使する事が欠かせないので、このパターンが多いのであるが、希に逆の事もある。「物理系の技術者」は、この様な検査技術者が担当するのが普通である。
兎も角も、最終は、”両者の技術者の「コンビネーション」” と成る。
故に、この様な「技術界の内部事情」があり、どこの国でも技術者であれば誰でも出来ると云う事では無く、当然に、 ”技術者が少なければ、ノウハウも少なく低い”という事に成るし、必然的にそのような概念も生まれて来ないのだ。
況して、”装置の相互間の影響のテスト” 等は100%していない事が云える。
”していない”と云うよりは ”出来ない しない” と云った方が正しい。
「787」の「日本の装置」の「リチウムイオン電池」のメ−カーは行っている可能性はあるが、”外国はその様な概念が薄い”と、筆者は現役の時の外国技術者との談合議論で感じ取っている。
それには「日本の考え方」と、「欧米系の考え方」とは、根本的に技術界では異なっているのだ。
”どのように異なっているか” と云う事なのだが、その「彼等の概念」の根幹は、”それはその程度の製品である。 その程度の品質のその価格に成っている” と主張する傾向が強い。必ずする。
徹底した「合理主義」から来る発想である。
つまり、この「主張の論調」は、”変化する「環境条件下の仕様」は論外である事”を意味する。
まして、”「環境条件下の過酷条件」では論外中の論外”であろう。
では、”どの様な基準であれば実行するのか” と云う事だが、彼等の「仕様の考え方」の基準は、例えば、温度にすれば「20℃〜22℃」、湿度にすれば「40%−60%」が根本に成っている。
要するに、「標準条件」である。
他の「環境条件」も、所謂、”世界基準が定める「常温常湿」である事を「環境基準」にし、それに耐えられる基準”とする考え方である。
”この範囲で製品に問題が無ければ、それは最早、「品質」である”とする考え方なのだ。
この範囲で製品に問題が出なければ ”良い品質だ”と彼等は考えるのだ。
当然に、物理学的に、この「標準の上下」には、ある程度の「バイアス」を持っていて、温度にしてみれば「±5度」、「湿度にしてみれば±10%」の範囲であれば、ほぼ一定にその特質は変化しないのである。
これは、「鉱物の内部」が、この「環境条件の変化」に対して「分子運動」を起こしているのだが、この「分子運動」のレベルが、「特質」を変えるだけのエネルギーには成らないのである。
故に、この範囲であれば変化しないで安定している事が保証されるのである。
その条件が完全にマスターしていれば、それはそれでよく、完全な使用に耐えうる製品とする彼等の考え方の主体を占めている。
従って、それ以上の「仕様」を要求するのであれば、それは”「特注」”と云う「仕様」に成る考え方なのだ。依って、「特注」を要求しない限りは、上記する「環境条件下」の対策は施されないのである。
果たして、「787問題」のこの「4つの装置」の内の「3つの装置」はこの「特注」を要求していない筈である。
何故ならば、ヨーロッパ系と同じ考え方、或いは、同じ概念を持つ米国である。依って、「特注感覚」は無かった筈である。
だから、日本であれば、普通であれば、この「4つの装置」をユニットにして発注する筈で、別のメーカに発注している事はこの「特注感覚」ではそもそも無かった事を意味する。
”「4つの装置」を別発注した事”は、そもそも上記した”「環境条件下の特質変化の知識」が無かった事か、無視したか、その概念が無かったか、”を意味する。

・「日本の概念の根拠」
そもそも、日本では「4季の気候変化」を持ち、緯度から北と南の「環境変化の差」が余りにも大きい事から、この「環境変化の仕様概念」が体や感覚に染み付いている事があり、この「環境変化」に対応している事が常識で、”西で売れても北では売れない”とする状況が生まれる。これに対応していなければ当然に売れないからである。
故に、「日本の製品」は、全ての「環境条件」に対応している為に、「環境条件の変化」に対して問題が出ずに安定していて、”品質が良い”と評価を受ける事に成る。
取り分け、「日本の製品」の中でも「総合産業の自動車」が今や米国を席捲して仕舞ったのである。
これは「典型的な概念」を証明する見本である。
自動車に限らず、「総合産業」の製品は、例外無く日本が席捲している。
ハイブリットやEV自動車等はこの「環境条件下」で成し得る製品で、その典型的な対象品であり、世界を席捲している。
このそもそも ”日本の品質は良い”とする評価は、この「技術的な背景」がある事から来ているのである。
米国を始めとする先進国が、真似が出来ないのは、この「環境条件下のノウハウ」が無い事によるのだ。
そもそも、上記した様な事があるから、”「環境条件下の対策」がしていない根拠” とは成るが、「4つの装置」のこの「環境条件下の対策」が絶対にしていない根拠が別に厳然とあるのだ。

それは、仮に「環境条件下の対策」が行われたとして、その原因と対策が判ったとして、果たして、その対策をどこのメーカが行うのか、負担するのかと云う問題が出る。
先ず、そもそも、「対策コスト」が莫大に掛かる。それを何処が持つのか。その原因が「4つの装置」の”何処が主因”と成っているかの議論もあると収拾が付かないし、その「ノウハウの有無」の差からなかなか議論には成り難い。
況して「ヨーロッパ系の考え方」が存在すると話し合いなどは付かないのが現実である。

・「経験談」
筆者も現実に現役時代にこの問題に直面した事の経験がある。
ある日本の”超精密機器の検査大型機”で、その中にドイツの製品が組み込まれていた。
この検査機器に問題が起った。それを筆者が原因特定の調査を行ったところ、この「ドイツ製品」が原因であり、その製品のトラブル原因を発見した。
それは「バネの設計基準」を超えての「仕様」と、そのバネに付いている部品がこの「環境条件」に対応していない設計であった。
通常、バネは材料力学上その使用の仕様限界は、「60%以上」超えて使用しては成らないのである。
これは材料力学上は「破壊限界YP」としては常識である。
そして、その「限界値」より一段下げた「40%」の値のところを設計基準として使用する。
ところが、このドイツのメーカーは、「60%」の下限ギリギリのところを使っていた。
この事を日本の商社メーカにアピールしドイツのメーカーを呼びつけた。
「60%下限」であるので、難しいところであるが、ところがこの精密機器は上記する「環境条件下」の中に入れて検査する計測器機で、世界に10台とない日本の2つのメーカーのみが生産している「超精密検査機器」である。これで原子爆弾の収納コアーを10万分の一の制度で測定して生産機器と組み合わせて作れる優れものである。
上記した「ソフト基盤」の塊の様なもので、10M四方の完全密閉の部屋で、「埃や菌」等一切のものを完全に排除した環境条件を自由に変更できる室、と云うよりはコンピータの中に入った感じの「チャンバー」である。この中に設置されている。
この「チャンバー」の中の「計測器機」の「一パーツ」が問題を起こしたのである。
この設置されている「環境条件」が温度10度以下から40度までに設定する事もあり、この繰り返しを毎日の様に行われる。
つまり、この「バネ」は低温に成ると、金属は収縮して、この使用限界の「60%YP」が「40%YP」程度まで下がる事が起る。この繰り返しが「疲労破壊」に繋がる。
その為に「日本の基準」では、ノウハウから「40%仕様」と成っている。日本の設計者の常識範囲でもあり、「標準規格基準」として決められている。
明らかに日本から見ると「初歩的な設計ミス」である。
これ以外にこのパーツに取り付けられた「プラスティク」がこの「環境条件」に更に晒される。
プラスティクの影響は、この「環境条件」の見本の様なものである。
「日本の製品」は、”環境条件の常識的なノウハウ” に裏付けられている為に絶対にこの様なところに使用する事は先ずない。あってもそのプラスティクに対策を構ずる。
つまり、このドイツの製品にはこの設計的な「二つの欠陥」があった。
大議論に成った。明らかに例に漏れず、「日本の考え方」と「ヨーロッパ系の考え方」とのバッティングである。
彼等は ”それはその程度の製品である。 その程度の品質のその価格に成っている”である。
日本では通用しない理屈である。彼等は譲らない。筆者は唖然とする。
そこで、最早、技術論ではない。「日本」「ドイツ」の議論である。
科学技術に進んだ「日本」を否定するのか、然し、否定はしない事を認めた。だから、「ドイツ」を認める。
としたら、「日本」を認めるとしたら「日本」に売却したものに、「日本」で「ドイツの考え方」を主張するな。
日本に居て「日本」に売却する以上は「日本の基準」に従うべきである。
「日本の技術」は遅れているとするならば論外だが、貴方が今居る「チャンバー」とその中にある「計測器機」は貴方の国のものより明らかに優れているし、「日本の基準」は「貴方の国の基準」よりは工学の学問的にも明らかに優れている。
世界各国の環境条件の幅は、温度にして「−40度から+40度」、湿度なども同様に幅がある。
もし、これを否定するとなれば、貴方の国のものは問題ばかり起こり「製品」として成り立たない事の理屈に成る。これで否定しなく成った。
結局、無償で直せ、それが貴方の国の将来の為である。解らないのであればその基準の根拠を学問的に責任を持って説明するし、直し方を技術的に提案する。 ”直す”で話がついた。

この様なやり取りの議論が現役中は何度かあった。彼らヨーロッパ系の技術者は、その「論処」がはっきりしている時は最後は認めるのが普通である。この潔さは信頼出来るが、その最初の姿勢は日本人として気に食わない。彼等は、この理屈を必ず言わなければ成らない概念なのである。
それに反論しなければ、それで通す。である。それが「彼等の掟」なのであろう。
日本人としては絶対に納得出来ないのだが。
恐らくは、この本論の「787の解決」もこの様な経緯に至らなければ解決はない。
”それはその程度の製品である。 その程度の品質のその価格に成っている”の理屈が必ず出て来る。
脳に遺伝的に「染み付いた概念」である。その「染み付いた概念」の根拠や前提と成っている基準は、”自分達が優れている”を前提とする。
ここが、日本と云う自分達より優れた「物造りの国」が現れた事に「計算違い」が起ったのである。
それが、この「787の問題」に象徴されていて、彼等は、又、「日本初の産業」に恐怖を抱いている環境であろう。
従って、上記した「環境条件下のテスト」は、先ずは、「彼等の概念」からしたら、”必要ない”で終わるであろう。是非必要とするなら、それは、”特注だ”と成る理屈である。
もともと、上記の例の様に、日本人から考えると、その”「品質に対する概念」が低い”のであるからなかなか解決は難しい事が判る。
ただ一点解決出来る事がある。それは「787」は「70%は日本製」であるとするのなら、この場合は「4つの装置」をユニットにして、”ノウハウのある「日本製」” にして、総受注先の三菱が責任を持って、上記の「環境条件下テスト」を実行する事で解決する。

問題は、”彼等がこの点に踏み切れるか”の問題と成る。
然し、日本側にも問題があった。
何故、「新型航空機の仕様」に対して「重要な部位」のところを「4つのパーツ」には、この様な「環境条件の影響」があるのに、”何故ユニットを提案しなかったのか”が不思議な点である。
(上記で提案していると予想)
況して、”「航空機」と云うものが「環境条件の変化」を起こす最たる見本の様なものであるのに、 ”何故、ロッキードに異議を申し立てなかったのか” 不思議中の不思議である。
充分な知識はあった筈で技術者としては考え難い。
”「787企業」が受け入れなかったのか、三菱技術者がこのノウハウを知らなかったのか、” と成る。
況してや、弱点の多い「リチウムイオン電池」の使用である。どう考えても理解出来ない。
(三菱には「EVとハイブリットの自動車」でノウハウはある。)

そこで、上記の「基盤関係の環境条件下の問題」もあり、その上に、そもそも「リチウムイオン電池」の「敏感な特性とその弱点」(つまり、「アルカリ金属類」である)がある。

「基盤関係の環境条件下の問題」+「リチウムイオン電池」=「敏感な特性とその弱点」
この二つの関係式が働いた時には、果たして「適切な対策」が取れるかがそもそも疑問である。

続く。

>「リチウムイオン電池の特性」です。


  [No.297] Re:787ジャンボ機に思う事(技術論)−2
     投稿者:福管理人   投稿日:2013/06/26(Wed) 07:02:35

> 787ジャンボ機に思う事(技術論)

>「リチウムイオン電池の特性」
今までは、「リチウムイオン電池」の上記した「外部の要因」が左右して問題と成ると論じた。
それも環境条件であった。中でも「航空機」と成ると更に厳しい条件が伴う。
然し、「リチウムイオン電池」の「内部の要因」が左右して問題と成る事が数多くあるのだ。
それもかなり”敏感に働く特質”を持っているのだ。そしてその敏感な特質特性がこの環境条件に更に影響するのだ。
そもそも、「リチウムイオン電池」は「イオン」を放出させての原理である限り、物理学的に観ても、次ぎの特性に弱い事が云える。それは、この「リチウム」と云う鉱物は ”「アルカリ金属類」”と云う分類に所属する事で判る。
「アルカリ金属類」は、そもそも、主に、次ぎの「4つの環境」と云われるものに大きく左右される。

・「4つの環境」
1 「温度」−「湿度」「気圧」
2 「振動」
3 「磁場」
4 「静電気」

(「湿度、気圧」は基本は「温度」に影響する。)
以上4つを含めて、大きく左右される事が判る。

それは”極めて強い「アルカリ性」”を示し、それも”過敏感に働く特質”を有する「アルカリ金属」なのだ。
この「湿度と気圧」は、特に「温度」に連動し左右されるので「温度」の中の要素として置くとして、以上の「4つの環境」に弱い事が判る。即ち、「アルカリ金属類」は、「4つの環境」に反応し易いのである。

・「温度」では、温度が高まれば何でもそうであるが、「分子運動」がたかまり「反応力」は高まる。
・「振動」では、その物質の内部を揺さぶる為に、「分子運動:電子運動」、即ち、「電子の振動」(イオン運動)が助長されて、更に「分子運動:電子運動」(イオン運動)は高まる。
・「磁場」では、その物質の周囲に「磁場・磁界」が働き、「内部の電子運動」(イオン運動)が、この「磁界・磁場」には電位電荷を持っている為にこれに引っ張られて更に高まる。
・「静電気」では、「磁場磁界」と同じく、高い「電位電荷」を持っている。これが「内部の電子運動」(イオン運動)に連動して異常な運動を引き起こす。
又、「静電気」が「電位電荷」が高い為に内部に入り込み、勝手に電子運動(イオン運動)を起こして仕舞う事も起こる。破壊して仕舞う事も起こる。
・「湿度と気圧」では、「温度」に連動して変化する為に、「温度の影響」を助長させて仕舞う。
この「温度」(湿度、気圧)は、「振動」「磁場」「静電気」に大きく影響を与える為に、相乗効果をそれぞれに与える。
「内部の電子運動」が「4つの環境」に因って、外部に飛び出した電子が、「イオン」の形で浮遊して(他の極側に引き寄せられる)重複して「4つの環境」に更に影響を受ける。

この「イオン」に関するこの「4つの環境」は、取り分け、「航空機」では、上記した様に、最も常時起る「環境条件」で、それも頻繁に繰り返し起る。
「特性」と書いているが、「航空機」では完全に強い「4つの環境」の条件が揃い過ぎている為に、「弱点」と成るのである。「航空機の環境条件」=「弱点」である。
そして、「テイクオフ−ランディング」が繰り返されるのである。”地上の普通の環境条件”ではない。現在の保有するノウハウでは考えられない「新しい現象」が起る筈である。
そこに、この「アルカリ金属類の特性」がどの様に働くかに依るが、次ぎの特性を考慮すれば「弱点」として働く事は間違い無いのである。
これも「金属」としての「弱点」としての評価であるが、これが「イオン」と云う形に成って浮遊するのであるから、尚更に「弱点」となる。
では、この「4つの環境」がこの「イオン」にどの様に働いて「弱点」と成り得るのかを論じる。

>「3過特性」
・「過負荷 過温 過電」
・「常温劣化」

以上が「アルカリ金属類」に持っている事は、「専門家の常識」である。
(「過」は「満」の領域から起こる 「過負荷」は「過圧」、「過電」は「充電、発電、蓄電:3つの機能」)
これは「リチウムイオン電池」の「内部の弱点」である。

・上記の「4つの環境」がこの・「3過特性」と連動する事から「弱点中の弱点」と成るのである。

「4つの環境」+「3過特性」=「リチウムの弱点1」

ところが、この「弱点」と成る「航空機による環境条件」には、更に、その「変化の幅」では、地上では想像出来ない「変化差」を持っている。これが更に、”加速的に弱点を助長させる”「変化差」なのである。何度も云うが、「リチウム」とその「イオン」に取っては、 ”「航空機の環境条件」は典型的な弱点の見本”なのである。

・「3つの要素」(「航空機の弱点 1)
「航空機の環境条件」(3)(5)
「アルカリ金属類の特性(3過特性)」(1)、(4−1、4−2、4−3)、(6)、)
「4つの環境」(2)

「4つの環境」+「3過特性」+「航空機の環境条件」=「リチウムの弱点2」(「10要素」)

以上の条件の「3つの要素」を解決する事は容易ではない。
この「3つの要素」が互いに連鎖する事も起る。結局は「3つの要素」では無くなり「10の要素」と成る。

これに・「常温劣化」(下記)と云う「自らの内側から発する弱点」が絡むのである。この・「常温劣化」は「自然劣化」である。
つまり、この「リチウムイオン電池」の「自然劣化の進行具合」を管理し把握しておかなければ成らない事に成る。

「4つの環境」+「3過特性」+「航空機の環境条件」+「常温劣化」=「リチウムの弱点3」

この管理維持は、「過温」(1)と共に「自然環境条件」(2)に大きく左右される訳であるし、「航空機の環境条件」(3)にも大きく左右されるし、更には、「過電−(充電 発電 蓄電)」(4)にも大きく左右されるし、「航空機」に必ず伴う「気圧」の「過負荷 過圧」(5)にも大きく左右されるし、合わせて、「6つの状況」を複合的に管理維持する事は、最早、不可能である。

そもそも、日本では、「ハイブリットとEVの自動車」で実績があるとしても、この「10の要素」と、「6つの状況」と、それに付加するその「環境条件の変化」と「その幅と頻度」(7)が加われば、最早、比較出来る程度のものではない。

「4つの環境」+「3過特性」+「航空機の環境条件」+「常温劣化」+「幅と頻度」=「リチウムの弱点4」

これ等の「10の要素」と「6つの状況」を加味して「環境条件下テスト」して見なければ、”解らない領域の問題”である事は、専門家でなくても誰でもが判る。

(だから必須条件として「環境条件下テストの必要性」を論じている。”それはその程度のもの”での「染み付いた概念」では済まされない事なのだ。人命に関わるのだ。)
「リチウムの弱点4」を克服するには、果たして、「航空機の厳環境」の事に付いてどの様に成っているかを先ず論じる。それで無ければ”困難だ”としての意味が成さない。


・「上空の厳環境」
「10KM −40℃」
「10Km 0.2気圧」
「充電率 40%−50%」

例えば、因みに、「温度」は、地上から10KMまで上空に成れば、「温度」は急激に下がるが、概して平均計算して、「1KMで6.5℃±1℃」程度も下がる事に成る。
但し、これは厳密に云えば「気圧の影響」、つまり「空気密度の影響」を強く受けるが、概して云えば、上空10KMでは「−65℃±10℃」下がる事に成る。

普通は、この気圧も「5KMで1/2×地表圧」と言われているが、概して0.3〜0.5気圧とすると、10KMでは概して、「0.2気圧前後程度」と成る。

この数字は環境条件学的には恐ろしい条件である。
上記した様に、「常温」で「バイアスの範囲」が、「22度±5度」であったとすると、バイアスを適用すると「10KM −40度程度」となるので、完全に「鉱物の特性」は変化するのである。
むしろ、「分子運動」、つまり、「イオンの運動」は、そのものが「−80℃」でほぼ止まるという概容に成るので、上空「10KM −40℃」での「イオン運動」は1/2程度になってしまう。
(−273℃で完全に止まる臨界温度)
この程度の知識は物理系技術者では常識である。

当然に、この「温度」に連動して「空気の影響」は変わるので、空気の中に含まれる「湿度」も低下するし、「気圧」も「温度」と「湿度」が変われば「気圧」も連動して下がる。
上記の「10KM 0.2気圧」に成ると、「イオンに与える影響」は、「温度の影響」に付加されて下がる。
「湿度」と「気圧」は、「充電」された電気が、上空では「湿度」は極端に低下し、「気圧」で水分量が低下する為に、「放電」が起こり易く成る。
「充電−放電」に対して大きく影響すると、当然に「発電」が、先ず「10KM −40℃」で「1/2化」あれば、常識的には放電量を10%と観ると、結局は、1/2.5化して殆ど停止状態と成る。

但し、これは、何もしない場合の結果であるので、飛行中にセンサーが働き、持続的に「充電機能」が働くとすると、つまり、地上に対しては、上空の方が ”「充電に対する機能」が低下する” と云う事になる。
当然に、この様に成ると、「リチウムイオン電池」の「充電量」は「温度」と「放電」の影響で、40%〜50%程度に著しく低下する事を意味し、それは、”標準より時間が掛かる”と云う形に置き換えられる事に成る。

(下記に論じるが、「リチウムイオン電池」にはその宿命として、「電位」をある領域の中に保たなければならないとする「絶対的な規格値」がある。それが、「電位管理値 1%仕様」であってこれが働き、”標準より時間が掛かる”と云う事では済まなくなるのだ。
そして、これも下記で論じるが、その「トラブル欠陥」として発生する期は、「最大300サイクル×0.8=240サイクル」の寿命付近で必ず起こるのだ。)

これらの現象は、一度起これば ”「連続の負のスパイラル」” で起る。
”一度起これば”としているが、 「リチウム特性」(弱点)の ”「過負荷 過温 過電」の「3過特性」と「常温劣化」” で間違い無く問題が起こる事が裏付けられる。
  「3つの影響」
 ・「10KM −40℃」
 ・「10Km 0.2気圧」
 ・「充電率 40%−50%」

「上空の厳環境」は、以上の3点だけの問題ではないのだ。
(「常温劣化」の弱点もあるがこれは下記で論じる。)

・「厳環境の問題」
上記の「3つの影響」には、次ぎの「厳環境の問題」が遺されている。
「変化する温度差」
「変化する時間差」
以上の「2つの影響差」が関わって来るのだ。

この「温度差と時間差」は物理学理論では、その「物質の特性」と絡んで想定出来ない。
これは実験以外にない。
「10KM −40℃」として「4つのパーツ」はボディーに囲われているので、せいぜい「−20℃程度」と観られるが、「マッハ1程度」で飛んでいるので、ボディーの周囲は「高速気流」に依って「気圧」が下がり、従って、「温度」も下がる事に成るので、結局は、少なくとも「−30℃±−10℃程度」と成るだろう。

操縦席の下にある電気室は、「空調や圧力調」の「調整の有無」の如何に関わらず、「地上と上空の環境条件」の繰り返される変化に依って、「電気室内の温度」は、「上下の落差」の大きさと、それに伴う「気圧差」が生まれる。
ところが地上着陸では、上空の「調整の有無」は解除される事から、この「3つの影響」を受けて、結局は、この様に「温度」は、「−30℃±−10℃」から下限の「−40℃」になる事が予想出来る。従って、ここでは一応「10KM −40℃」として考える。

とすると、「変化する温度差」は「世界標準温度22℃」から「−40℃」に変化する。この落差は「62℃」と成る。
日本では4季があるので、冬期(0℃)からすると、「40℃落差」、夏期(40℃)からすると、「80℃落差」と成る。

問題となるのは、これが、”「リチウムイオン電池」にどの様な影響を与えるか”である。
地上では、「自動車」と異なり殆ど「航空機」は停止中であるので、「停止中の温度の問題」もあるが、「リチウムイオン電池」では、原則停止状態とすると、夏期40℃は上空で冷却されるので、”ある問題”を除いて問題は少ない。
冬期(0℃)の「40℃落差」が上記した様に「イオン運動」に影響を与える問題に成る。

(”上空では上記した様に、「充電に対する機能」が低下する 40−50%”)
(”ある問題”とは、下記に論じるが、「リチウムの弱点」の「3過特性」(「過負荷 過温 過電」)から来る「温度疲労」と「常温劣化」が起こる。)

 ・「航空機の弱点 2」
  「変化する温度差」
  「変化する時間差」

「変化する温度差」に続いて、続いて「航空機」で起こす「厳環境」の”「変化する時間差」”が与える影響の問題がある。
そもそも、「航空機」は「テイクオフ−ランディング」の際に、「上空の厳環境」と「地上の環境」との間に、急激な変化を起こす。
その「変化の速さ」が余りにも急激である為に、その「変化の速さ」が「パーツ全体」に、取り分け「アルカリ金属」の「リチウムイオン電池」に与える影響は大き過ぎる。
(自動車はこの航空機の弱点2を基本的には持っていない)
地上では「航空機の変化の速さ」を超える物としては、「落下速度」以外には先ず無い。ここで取り敢えず「急変」として置く。

この「変化の速さ」(急変)は下記で論じるが、次ぎの「2つの問題」を引き起こす。
「急変の2つの問題」
1 「急変」から来る「ストレス問題」  −「リチウムイオン電池」の「疲労と劣化」
2 「急変」から来る「発熱・過熱現象」−「リチウムイオン電池」の「3つの機能の低下」

では、その「急変」は「時間差」ではどの様なるか考察して見る。
上空10KMのフライトは「約マッハ1」とする。(音速324M/S−20℃)
「航空機」が、「フライト出来る最低の速さ」は「500KM/H」である。
従って、「テイクオフト−ランディング」では、最低限この範囲を維持していなくては成らない事に成る。
その「航空機」が起こす「急変」の変化域には、次ぎの「2段階のプロセス」がある事に成る。

第1段階 「マッハ1」     (324M/S−1166KM/H)→(140M/S−500KM/H)
第2段階 「マッハ1/2.5」 (140M/S−500KM/H)→(14M/S−50KM/H)(滑空)

第1段階の差は、184M/S−666KM/H
第2段階の差は、126M/S−450KM/H

概して、AVE=155M/S−553KM/H

第1段階の差は、大きいが、この領域はフライト中で、温度域と気圧域と湿度域の変化量は少ない。
第2段階の差は、第1段階184M/Sの差に対して、126M/Sと小さいが、「温度域」と「気圧域」と「湿度域」の変化量は、地上の環境に近づく為に大きい。
恐らく、「問題の発生」は、「第2段階の領域」で起こると考えられる。
そして、「問題の発生の準備段階」は、「第1段階の領域」で起こると予想出来る。
(事故の中に、この現象で起ったと見られるものがある)

この二つに別けて論じるには詳細過ぎるので、「急変の時間差」としては次ぎの数値を使う。

AVE=155M/S−553KM/Hとして置く。

下記で論じる際は、このAVE値で論じる。

兎も角も、AVE=155M/S−553KM/H が、「4つの装置」とその「周辺の基盤類」にどの様な影響を与えるかは、「環境条件下テスト」でしか掴めない事である。
概して云えば、これだけの「急変」の「温度差と時間差」は、次ぎの2つに影響を与える。
(1) 「疲労と劣化」
(2) 「3過特性」(「過負荷 過温 過電」と「3つの機能」)
以上2つに「異変」を起こすエネルギーを持っている事は間違い無い事である。
その招く結果は、「発熱・過熱現象」から「発火・破壊現象」へと「負のスパイラル」は進む事は間違い無い。
「発熱・過熱現象」から「発火・破壊現象」へと「負のスパイラル」”へ進む「プロセス論」は、下記に追々と論じる。

>「振動の弱点」
さて、次ぎは、上記「4つの環境」の一つ・「特性変化の要因」の「振動」である。
全てのどんな「振動」でも影響すると云う事ではない。
又「振動」があるからその「振動」が、そのものが問題を起こすと云う事ではない。
ではどの様に問題を起こすのかと云う事に成る。「リチウム」には問題を引き起こす要素を持っているのだ。
この場合の要素とは、「リチウムイオン電池」は他の鉱物と比べて活発に「イオン運動」を起こしている事である。
この「イオン運動」に外部から加わる「振動」との「共振現象」が起った時に、初めて「イオン運動」が加速されて過剰と成り、「発熱・過熱現象」が起るのである。
殆ど力学的には、「振動の欠陥」はこの「共振現象」が主因である。
何故ならば、「イオン」も振動しているからで、”ある特定の振動” で「イオン」と「共振する振動」で影響を受ける。
当然に「イオン」は振動しているので、「充電 発電 蓄電」(「3つの機能」)である程度の上記した様に「自然熱2」(「3つの機能熱」)を持つ。

この固有物が持つ「振動」に「共振」した事になると、「イオンの振動」に加えて「外部からの共振波」で、余計に振動を起こして「イオン」は大きく動く。依って、「自然熱1+自然熱2+共振熱」が起こり、余計に「過熱」が発生する。(「ソフト基盤類」が発する「自然熱1」もある)
この「過熱」だけでは終わらず、これによって「イオン」が「共振」により、必要以上に活動しているのに、「熱」に変換されるために「所定の充電量」は逆に低下する。

「自然熱1+自然熱2+共振熱」→「規定の充電量低下」・・・・(1)

この「逆転の状況」が加速的に振動して「過熱」が起ると、それに伴って「充電量」も益々低下して「過熱−低下」の「連続の負のスパイラル」が起る。
最早、この様になれば「リチウムの蓄熱特性」から(1)と(2)で「バーニング」以外に無く成る。

「規定の充電量低下」→「発熱・過熱」→「バーニング」・・・・?(2)

ところが、この「共振の影響(1)(2)」だけでは終わらないのだ。

・「応力に因る亀裂現象」(ショートクラック)
この「振動」に対して「共振」しない場合、つまり、「充電」が回路上オフに成る時、この「振動」は「リチウム」に「残留応力」と成って溜まり、それが「力学の原理」に従い一箇所に集中して「ストレスレイザー現象」が起こり、「亀裂」が結晶に起る。(これを”ショートクラック”と呼ぶ。)

「リチウム」はこの「ストレスレイザー」を他の鉱物より最大で起こし易い特質を持っているのだ。それは「ヤング率4.9」と「弾性率4.2」と云う特質である。
この数字が示す様に、「アルカリ金属類」の「3過特性」の「過負荷(過圧)」に相当するのだ。
「リチウム」は鉱物中、最も「過負荷」に弱い特質を持っている。内外部のストレスをためやすい鉱物だという事である。
このこのストレスが溜まった異に因って起こる「結晶間亀裂」が原因して、「リチウム」の「−極側」との間で起る「イオンの電導」は、要求される充電より低くなる為に不足と成り、結局は、「発熱・過熱現象」が起る。
当然に「過熱−低下」の「連続の負のスパイラル」が起る事に成る。
「連続の負のスパイラル」が起こる事のみならず、更にこれを加速する現象を誘発させるのである。

この「共振」による過剰な「イオン運動」は、「発熱・過熱現象」を起こすだけでは無く、この事に因って、”「−極側」に過剰と成った「リチウムイオン」が引き付けられて、「−極のカーボングラファイト」の表面に付着する現象が起こり、−極側も+極側と同じリチウムと成り、「電位差」は無く成り、「還元反応=酸化反応」と成って仕舞うのだ。「3つの機能」は停止する事を意味する。
要するに、「連続の負のスパイラル」に更にスパイラルが加わる事に成るのだ。
その「±の両極の能力」は著しく低下して、「充電−発電(供給)−蓄電」の「3つの機能」の低下が、回路の「要求量」との間にバランスと落差が起こり、シュールの法則により「発熱・過熱」は更に加速する事に成る。
この様に、2重3重の「連続の負のスパイラル」が加速して起こる特質をこのリチウムは持っているのである。
従って、この時、「共振」と「疲労」と「−リチウム析出」の「3つの現象」が、同時併発して「リチウム」には、「決定的な欠陥」として、あらゆる鉱物の中でも、特質して出現して来る特質なのである。

これは「電気的」に解決出来ない。
「共振しない範囲」で除振する以外に無い。
「共振しない範囲」の特定は、単体ではその「共振波」は判るが、この「単体の共振波」が「他の装置」にも同じに”共振する”と云う事ではない。
「4つの装置」の「ユニット状態」で「共振波」を特定しなければ成らない。
この「4つの装置」が互いに連結して固定されてのユニットでの状態で、「特定の共振波」を発生する事に成るので、故に、これを「環境条件下」の「チャンバー」の中で、「バイブレータ」と云う試験装置でテストを行わなければ成らないのだ。
特に、航空機は「−40℃」と云う ”上記の過酷条件に匹敵する環境条件下”を持つが、この事は「−40℃の極低温域」に晒される事に成る。
従って、「4つの装置」の「ユニット」には、「収縮化」と「固着化」が起こる為に、「振動」に依って起る「共振」と「疲労」と「析出」の「3つの現象」は、上空域では地上より比べられない程に、厳しくより速く起る事に成る。

これは意外に特定するのが難しく大変である。「共振波」にはある程度の幅を持っている。当然にその幅も把握しなくては成らない。
この「振動」も「温度」に依って「ユニット」が収縮・固着化するので、地表での試験だけでは特定出来ず、上記した10KMの環境下を再現してチャンバーで行わなくては成らない。
難しい環境条件テストに成る。現実に実機では大きすぎる事もあるが、「バーニング」になるから、落下の問題になるのでかなり難しい問題である。
大型装置は殆どそうであるが、「4つの装置」の室部分を仮製作してテストする事に成る。

問題は「共振波」でも「衝撃波」に近いものもある。必ずしも電波の様に一定のサイクルと云うもので無い事が多く、「共振波」の中には「衝撃波」が含まれていて、それが連動して影響していることも多い。
「航空機」にはどの様な「衝撃波」を持っているかの確認をして再現しなくては特定できないだろう。
多くはエンジンの始動から滑空中のエンジンの「振動波」と「衝撃波」であろうが、難しい再現テストと成る事が予想できる。

そもそも「リチウム」と云うよりは、「イオン」と云う物理的特質に左右される事なので、この必ず起る「発熱現象の確認」(「自然熱1+自然熱2+共振熱」)が大変で難しいのである。

筆者の経験から観て、この確認は出来ていないと考えられる。相当に経験したノウハウの持った物理系の技術者でなければ出来ないのではないかと考える。
筆者も「リチウム」ではなかったが、矢張り「イオン」の特性を利用した製品の振動試験を経験した事があるが、やはり「発熱・過熱」してその原因の特定に苦労した事を覚えている。
実は、各種の「製品メーカー」は、世界的な基準として「完成品テスト」と云うものが規定されていて、「完成した製品」を各地に搬送する事に成るが、この時に起る現象を確認するテストである。
その中に、「実車走行負荷試験」というものを必ず行うことが日本では規定されている。
走行中に起る「振動」や「衝撃」や「温度」や「湿度」等の ”現実に起る環境条件”を負荷する。
輸送梱包の ”品質レベルの劣化状況”や”製品本体に問題を起さないか”の確認テストも兼用する。
一定路上の「走行時間」や「急ブレーキ回数」や「凸凹の回数」や「高速走行距離」や「Sカーブ回数」や「熱射時間」等を故意的に負荷するのである。これに計測器機を付けてデータを採る。
この時にある「イオン装置」が熱を持った事があった。「80度の熱限界」が限界であったので一応認可されたが、念の為に「チャンバー」で再現テストを行ったが原因は判らなかった。
走行試験後に、「梱包の状態」で「環境条件下テスト」を行うのだが、「梱包」に依ってあらゆるパーツ関係が異常を来していないかの確認である。
梱包の内部の製品には、「繋ぎ目部分」にはある強度の紙テープを張り、テープ部にひずみが起こればテープは切れるかどうかのテストを行う。と云う事も平行して行うが、この走行負荷試験は比較的に問題が起る。
特に、この場合は、アフリカやシベリヤ等の輸送条件や環境条件も含む「極限の地」を想定して行うのだが、上記した「Bの過酷条件」にチャンバーでテスト再現出来ない現実負荷を加える。
(これは地上のものに対する走行テストであるが、航空機には「実機テスト」様なものがあるかは不明である。「4つの装置」の単体による実機テストか、チャンバー内での4つの装置の再現テストは必要である。)

(物理学的に、総じて「パーツの安定した特性の維持範囲」は「80度域が限界」とされている。
これを反映して、例えば精密な回路用の温度センサーでは60度から120度までの20度間隔のものが用意されているが、多くは80度を使用する。)

筆者のこの時の解析の判断では、「イオン」は「定状波形の定常運動」である。そこに「定振動」を負荷しても運動のレベルが上がるだけで、「熱」の上昇は普通は定格以上には上がらない。
つまり、”「定格レベル」を上げない”と考えられ、そこに「衝撃波」が加わり、その「衝撃波」がある「周期性」を持って起ると、その「衝撃波」で「定格レベル」がステップアップし、その「衝撃波」の周期が繰り返される事に依って、「定格レベル」のステップアップがその都度周期的に起る事で、遂には、「定格レベル」を超えてしまう現象を起こしたのではないかと結論付けた。
そもそも、「航空機」というものに対する「振動」に因る欠陥発生は、”この現象に近い症状を起こす”と考えられる。
「定格レベル域」(80度付近)では、「イオン反応」を停めれば、「元の状態」に復帰する事は理論的には判る。但し、これは理論的であって、「リチウムの特性」が働くとき「元の状態」に復帰しないのである。
実は、「リチウム」には、「3過特性」の「過温」と「過圧」に因って、「温」即ち「熱応力」、「圧」即ち「応力」を溜め込む特質を持っている。これを「残留応力」と云う。
つまり、”「ある領域」を超えると元に戻らない” のである。
この「ある領域」とは、「内部要因」と「外部要因」とが加わる事に因って、「標準の理論値」とは異なって来るのである。「環境条件下テスト」で確認が是非に必要に成るのである。
これが「リチウム」と云う ”「特殊な特性」(「3過特性」と「常温劣化」)” の所以である。

(「リチウムイオン電池」では、「外部イオン」の影響を防止する為に保護枠はプラスティクを用いるので、硬化温度の影響で65℃と成る。 下記で論じる。)

つまり、”「共振する振動波」と「周期的な衝撃波」が付加されて、「熱レベル」を上げる” と考えられれば論理的に頷ける。
その「熱レベル」が、上記の「自然熱1+自然熱2+共振熱」を超えた時に、「発熱・過熱現象]が起こると成る。このポイントで「3過特性」の「過温の弱点」を引き起こすと観られる。
「ある領域」とはこのポイントに成る。
「リチウムイオン」の「発熱・過熱現象]の原因は、この論理である。
以下の数式論が成り立つ。

「自然熱1+自然熱2+共振熱」=「ある領域」<「65℃」(プラスティク硬化温度)(下記)

この「数式論」が成り立たなくなった時に、「発熱・過熱現象]が起こる。
つまり、この「発熱・過熱現象]は「残留応力の特質」に因って、元に戻らなく成り、「負のスパイラル」が起こる事に成る。

「共振する振動波」と「周期的な衝撃波」は、「航空機」には「典型的なつき物」であろう。
それも、「定格レベル」は「自動車の数倍」と考えられる。
況して、上空10KMの「G」(引力 重加速度g M/R・Rは一定 G=g=9.8)は、10KM上空であると、物体にこの力が負荷するので、これが「共振する振動波」と「周期的な衝撃波」に大きく影響を与える事は理論的に判る。
「自動車」(ハイブリットとEV)とは、この「振動の問題」では、”その影響は桁が違う”と云う事である。

(「リチウムイオン電池」を使う「自動車」と「航空機」とでは、「3過特性」の「過温」では、自動車は「+側の過温」で欠陥に、航空機は「−側の過温」で欠陥に、と云う「真逆の現象」を起こす特質を持っている。)

それも、上記した様に、「リチウム」と云う鉱物は、この世の中での鉱物の中で最も「敏感な鉱物」であるのだ。
何しろ、”「常温、常湿、常圧」で「ショック現象」で「バーニング」を起こす”と云う鉱物なのである。決して「振動」と云う事だけではないのだ。

>「リチウム特性」
そこで、「3過特性」と「常温劣化」の特質とは別に、そもそも「リチウム」(リチウム酸化塩)とは、一体他にどんなものであるかを紹介しよう。
それで上記の事が証明出来るし、”「環境条件」に対して敏感で厄介なものである”かが判る。

この「リチウム」とは、他の鉱物に比して「最大の特質」とするものは次ぎの様に成る。
(他にもあるが、本論に直接関係のあるものを列記した。)
イ 「アルカリ金属類」に属す(敏感物質)
ロ 「比重」は0.53 (冷却剤 センサー類)
ハ 「Na」や「K」と共に水に浮く
ニ 「3過特性」(過温 過圧 過電)
ホ 「常温劣化」
ヘ 「YP 4.9」
ト 「弾性率4.2」
チ 「比熱 7.9」(冷却材)
リ 「自然発火」
ト 「常温窒化」
ヌ 「融点 180.5度」
ル 「マルテンサイト化」
ヲ 「イオン化傾向 最大」
カ 「蓄熱現象」
ヨ 「蓄圧現象」
タ 「デンドライト現象」
レ 「常磁性」
ソ 「バーニング特性」
「3大軽金属」の一つである。

・「熱限度」(「ある領域」)の検証
つまり、水より軽いのであるから、水は振動に敏感に反応するが、それより更に半分であるのだから、水よりも倍に敏感に反応するし、上記の通り如何に「振動」に極めて敏感か判る筈である。約2倍に反応する。振動のセンサーに使われている。
まぁ「敏感」であるから「充電」に使われているのだが、ところがこれだけでは済まないのだ。

その「融点」は180.54度で、上記した様に、”80度が一般的な鉱物類の使用限界”としたが、その中でも如何に「熱」に弱いかが判る。「振動」だけでないものがまた出て来た。
因みに、一般に使われている「鉄の融点は1540度」である。この事を考えれば「リチウム」は弱い中の更に「弱い鉱物」であるかが判る筈である。
南アフリカの砂漠などに行けばこの80度と云う温度は現実にあるし、放置した車の中は日本の夏でも80度に成るが、時には100℃も遥かに超える。先ずこの様な環境では一般的に使えない事が判る。
日本でもハイブリットやEV車で使う限りは、「空気の通風冷却」をつけないと無理で、精一杯の使用限界点にある事が判る。
だから、「リチウムイオン電池」の「自動車での欠陥問題」は、「3過特性」の+側に働く為に、夏期に発生していて、現在7割が「コバルトリチウム塩」を使っているが、この夏期の問題解決の為に、”使用限界付近にある状況”を解決する為に他の「+極材」を研究されている。
コバルトに変えてマンガンやニッケルや燐酸鉄のリチウムとの塩を造る方法で過剰性を抑える方法で研究(7種類)されている。(−極側もグラファイトの種類の研究)
つまり、どう云う事かと云うと、「発熱・過熱現象」が起こっても、「リチウムイオン」の過剰な「飛び過ぎ」を防ぐ事で「熱の負のスパイラル」を最小限に抑えられる対策である。
(過剰にリチウムイオンが−側に飛びすぎると−極付近に浮遊付着して+と−の両極にリチウムイオンが存在する為に両極の電位差が無くなりの「電荷イオンの発生」が無くなるのである。
終局は「発熱・過熱現象のスパイラル」が起こり、「バーニング現象」と成る。


「融点が180度」とすると、この事から、その鉱物の”「使用限界」と「安全限界」”は理論上、次ぎの様に成る。
・「使用限界」は応用物理学上では、「融点の60%付近」と云われる。つまり、「100℃付近」である事に成る。
・「安全限界」は応用物理学上では、「融点の45%付近」と云われる。つまり、「80℃付近」である事に成る。
この数字が最もリチウムの特性を考える上で重要なのである。
この「2つの限界点」から、ここに、「設計限界」と云うものがあり、「安全率」と云う概念があり数値を定める事が出来る。

第1段階は 「1.2倍」  第2段階は 「1.4倍」  第3段階は 「1.6倍」

以上3段階とされる。

普通はあまり「安全率」を上げると、「コスト」が全体に及んで仕舞うので、普通は1段階の「1.2倍」で済ます。
つまり、「安全限界」の「20%下」を使うので、「融点の35%付近]を使う事に成る。
「63℃」という事に成るので、「センサー類」は普通は「60℃」を使う事に成る。
この63℃はリチウムイオン電池を保護しているプラスティック材の硬化温度(下記)に匹敵する。

「安全限度」:63℃ ≒「プラスティック硬化温度」:65℃

この数式の意味するところは、リチウムイオン電池」の「安全限界」は「80℃付近」では無く、その手前で「外部要因」として「プラスティック材の特性」から実質は「80℃付近」は使えないのである。
80℃付近まで安全だとして使えば、その手前で、リチウムイオン電池を空気や環境条件やイオン性電気磁場等から保護していた「プラスティック保護枠」は、”硬化して亀裂”が生まれ、其処から外気が進入して「酸化」と「バーニング」を起こす事に成るのだ。

(参考 上記した「環境条件下テスト」では、この様な「応用物理学上の広域で考えた専門知識」でチェックをして、仮に「設計値」にあるとして異常が出なくても、この様な「応用物理学上の広域で考えた専門知識」で直させる事を命じる権限を持って行う。

何故ならば、「自然物理学」、「電気工学」、「設計工学」等の「専門的な広範囲」の、それもかなり研究者並の「総合的な知識と経験とノウハウ」を有している「専門域の検査技術者」なのである。
設計者は、設計工学等の単一範囲で設計しているが、現実には、「設計通り」のもので使える事は100%無いのだ。
製品などに対する「法的基準」や各種の「標準規格」も持ち合わせ、それに世界に10台とない高度な電子機器の計測器機を使いこなす技能も有していると成ると、最早、周囲は指摘に対して聞く以外に反論する根拠は持ち合わせていないのだ。むしろ、電子機器化した現在では、積極的に試作機として持ち込んで来る。その方が速く完成させられ低コストになるからだ。
 
因って、”80℃は45%で本来は安全の限界”なのだが、実質は異なる。
普通の「地上の環境条件」でも、自動車などは「安全限界」の「80℃−45%」に既に達しているのだ。
通風冷却して少しでも温度を65度まで下げる必要がある。EV車はエンジンが無い事から何とか維持出来ることに成る。夏季の炎天下に駐車している時に危険である事に成る。エンジン停止でイオンが飛ばないことから「負のスパイラル」は起こり難いが、保護枠は硬化して進行して行く事は避けられない。

航空機はこの様な「+側過温」の問題は先ず無い。リチウムイオン電池は操縦席の下の電気室に設置されているので、この熱射から来る「過温現象」は除外できる。
ところで事故の「787のトラブル」の写真を観たが、「プラスティック保護材」が溶けていた。
これは上記する「熱の負のスパイラル」が起こった証拠であるのだが、「プラスティク」は、その「材質の融点」に依って異なるが、塩ビ系であれば融点から観た安全限度はその品質の「劣化現象」の始まる点、即ち「硬化温度」は「65度±5度」である。
(プラスティック類は温度上昇で先ず「硬化現象」を起こし「軟化」し「溶融」する)
「プラスティク類」は「融点の領域」が大きく差が無いので、一般的にこの硬化温度(65℃)のポイントが使われる。
「融点」を上げるには「炭素C」や「シリコンSi」を入れると上がるが、大量に添加すると最も恐ろしい「亀裂」が生じやすい。然も、「使用の限界」は「100℃の程度」と成るが、「硬化点」の「65℃付近」は変わらない。従って、安全限度は65℃である。
とすると、「トラブル写真」は「100℃−55%」に成っていた事が判る。
つまり、明らかにバーニングする前には、事前に、”硬化温度を超え「リチウム」の「安全限度」を更に超えて使用限界”に達していた事が判る。そして、それは”何らかの欠陥(リチウムの弱点等)”が露出して「蓄熱現象(劣化現象)」が繰り返されていた事を物語る。
この様に専門的に観ると、「物理学の専門域知識」から明らかに解る事なのである。
更に、この問題を起こした「現品の破壊面」を見る事でも原因の大方は特定できる。
全てこの世の鉱物は破壊時には、必ず金属学的な証拠を残す。
上記の様に「破面工学」(下記で論じる)と云う学問があって、これで観れば解るので、「787」には伝えられるところでは「数十件のトラブルの現品」を観れば、凡そ掴める事に成る筈で、”原因と成る兆候”が出ている筈である。
因みに、鉄は衆知の金属であるが、910度(A3)以上は、理論的に金属を構成する組成の結晶的な理論からフェーライトと結晶が変化するので、使用としては限界で無理なのである。
実際に使用すると成ると冶金学的に理論的には723度(A1)以下(45% 変態点)の範囲で使う。
(400度付近限定した範囲でも冶金的な問題が起こす)

今回は「リチウム塩」であるが、鉄でも問題が起これば問題を起こした現品を見れば大筋は解るのである。これは物理系技術者の専門的な常識である。
”敏感なアルカリ金属” ではあるが、「リチウム酸化塩」も理論的にも「融点」を以って判断する事が出来て、使用の%は現実的にもこれに一致する。

・「比熱の弱点」
実はこれだけではないのだ。
「リチウム」の比熱は「0.79」であり、鉱物中最大で、”最高の「リチウム冷却剤」”と云われる様に使われる位である。「熱吸収力」は鉱物中の最大なのである。これ以上のものはない。
つまり、言い換えれば、これは”「熱源」と相対の位置”にある事を意味し、”「熱」を取り込む性質”が強いのである。これは「利点」でもあるが、「弱点」でも働く事を意味する。
これはこの世のもの条理である。「冷たい物」には、”より冷たくして良い効果を発揮する”が、必要以上に熱の高い物には一度に熱を取り込んでしまう性質があると云う事なのだ。
それも上記した様に、「急熱」(急変)には弱い事を意味する。
「熱吸収力」が良い事は、”逆の事も又真成り” で「熱」を吸収しては成らない時には困る現象と言う事に成る。
つまり、上記の様な一度何らかの原因で「発熱現象」が起これば、相乗的に熱を取り込んでしまうという事にも成る。(「蓄熱現象」と呼ぶ「リチウムの特質」である。)

その「熱」が「安全限度80℃」を超えなければ冷却効果は高いので「復元作用」が強い事にも成るが、超えると厄介である事を意味する。(65℃のプラスティック材の硬化温度があり既に80℃は使えない)

この世の物は何でもそうであるが、”限度を超えると逆効果と成る”のはこの世の条理である。
”喉元過ぎれは熱さ知らず”の例えの通り、「限度」を超えると逆の事が起る。
このリチウムはまさにこれを体現しているのだ。
この「リチウム」では、この「比熱0.79」に対しても、この「限度始点が80℃」と「限界終点が100℃」が起これば、この「比熱0.79」は逆に働く事を意味する。
この様に「弱点」が多い事が解る。
要するに、「リチウム」は「発熱・過熱」が起こってしまえば、”逆に働く弱点”を持っている事に成るのである。
ここで、「比熱0.79」で「発熱・過熱の弱点」を論じたが、ところが、この”逆の事の弱点”も起るのである。
それは次ぎの「恐怖の現象」である。

・「過冷」の「デンドライト現象」
上記した様に、超に優れた「冷却剤」に成り使われているとしたが、ところが、逆にリチウムの弱点の「3過特性」の−側に「過冷」すると、この「リチウムイオン」では、”「デンドライト」” と云う「特殊な厄介な結晶」を作り上げて、それが電池の周囲を”アメーバー”の様に伝わって「短絡ショ−ト」(レーアーショート)させるのである。この「結晶」を専門的には「樹枝状結晶」と云う。
要するに、”シダの葉”の様な「結晶体」が、「高分子のゲルの電解質」の中に出来る。
そして、それが極めて狭い間を這って外まで広がってくるのだ。
「リチウムイオン電池」は「金属イオン」の「電解ゲル液」が使われていて、その中では化学反応も起こっているので、「過冷」すると、この「デンドライト」が生じ易いのだ。
技術表現ではなく、一般的に云えば ”易い”では無い、”生じる”である。
この「デンドライト現象」は、電池内部で析出する「リチウムイオン」の発生量が極小でも起る。
つまり、”使っていなくても起る”と云う事だ。
この「デンドライト」と云う結晶は、”長い枝葉”の様に次々と伸び易い。
電池の”容器の内外側の表面”を伝って生成し伸びると、この「デンドライト」(「樹枝状結晶」)に、電池内の電導した電気が流れて「短絡現象」が起こって仕舞うのだ。(これを「レアーショートと呼ぶ)
これに依って、「リチウムイオン電池」は完全に破綻するが、その前に「充電、発電、蓄電」の「3つの機能」は当然に低下して、「全回路の要求量」と「電池の供給量」のバランスが崩れて、「発熱・過熱」の「負のスパイラル」が起こって仕舞うのだ。
つまりは、この「過冷」の「デンドライト現象」とは、「発熱・過熱」との2つの「正逆の現象」が、ほぼ同時に起る”極めて恐ろしく不思議な現象の特質”を持っているである。「処置なしの現象」である。

因みに、この「デンドライト」は「鉄」でもどんな物でも起る現象で、「鉄」では ”どんな時に起るか”と云うと、加熱して冷却する時に、その冷却がある速さで不適切に下げられると、結晶がこの「デンドライト」と云うアメーバーの様な「結晶」に成って仕舞うのだ。
これが起ると、「鉄」の場合ではあれば、「強度」が極端に低下して、一寸の力で常温でも亀裂が起こり、「鉄」は割れて仕舞うのだ。({ルートクラック]と呼ぶ)

判り易い例として、「鉄」を強くする為に「加熱と冷却」の「熱処理」を施すが、この時の「冷やし方」が悪ければこの「デンドライト」が起こって、”強くする為の熱処理”が ”逆に弱くなって仕舞う”と云う事が起るのである。
他には、橋などの構造物などで「鉄」を溶接する時に、寒い時に下手に溶接すると、周りの低温の空気に冷やされて、殆どの場合にこの「デンドライト」が起こって仕舞うのだ。「ルートクラック」と「クレータークラック」の2つのクラックが、同時に起こり溶接部は破壊する。
溶接の名手は、この現象を防ぐ為に「ラッピンク」(戻し操作)と云う操作をして、溶接の最後の部分(クレータ)に2度溶接して空気による冷却の温度の下がり方を緩やかに調節する事で防いでいる。
然し、この「リチウムイオン電池」ではこれは出来ない。”「鉄の4倍の比熱の冷却効果」”を持っているので「過冷」を停める猶予は無い。
この元となる比熱は鉱物では最高であるので、”冷却が良い”は”過冷も起こり易い”と云う事に成る。
”ここで何を云いたいか”と云うと、この現象が確実に毎回欠かす事無く起こっているのだ。
それが「航空機の環境」である。
況して、「−40度 0.2気圧」の「航空機」である。「過冷」に成る条件が余りにも揃いすぎている。「デンドライト現象」の起こす典型的な見本である。
上記した「−40℃」は地上の常温、常圧から観れば、「約3倍の過冷度」 「0.2気圧」は「約5倍の過冷度」を持っているのである。
”「過冷」と「過熱」の同時の欠陥は100%普通に航空機では起る”と云う事である。

先ず、この「デンドライト現象」が起これば”防ぎ様が無い極めて怖い現象の欠陥”で、「航空機環境の弱点」でもある。
数十件のトラブルの中に、この「デンドライト現象」と考えられるトラブルがある。
筆者の経験談から、目視では確認出来ない ”何も無いところに突然に現れるトラブル”には、この現象が多いのだ。それには必ず、原因不明の「レアーショート」等が起こっているのだ。
この「レアーショート」等には、回路を全遮断する大きい事もあるが、”瞬間的なショート”も多く、突然、「ハードの装置」が理由無く働きトラブルが起こる等の現象が起こるのはこのデンドライト現象が侵蝕している事が多い。これは専門家でなくては解らない現象で、普通は”原因不明”で片付けられる。
「−過冷」から起こる現象であるので、夏期には起こらず、主に冬の前年12月から2月頃に起こる現象である。これには物理系の専門家が観れば解る「共通パターン」が在る。
(787は冬季に起こっている。航空機は、地上の自動車の「+側過温の環境」と異なり、「−側過冷の環境」が大きく左右する。)
ただ、この「デンドライト現象」の問題には、「静電気」と同じ現象を示す事であり、”「同じ環境下」”で起こることである。「発生期の環境条件」もまったく同じである。
ただ、「静電気」は対策をすれば起こらないが、「デンドライト現象」は直らない。「発生部位」も「静電気」はある程度特定が出来るが、「デンドライト現象」はその「デンドライト」の自由自在の進行方向に向かって「レアーショート」等が発生する。
「静電気」は「チェッカー」があって対応出来るし、アースを採れば大きくは成らない。然し、「デンドライト現象」には「チェッカー」は無く対応出来ない。
つまり、「デンドライト現象」は、その「レアーショート等の方向性」と「樹枝状結晶の目視」以外に無く「経験のノウハウ」を必要とする。除去しないで、放って置けば被害は拡大するばかりである。
今回の「787の発熱・過熱対策(発火防止策)」では、この逆の「過冷」の「デンドライト現象」の対策は無い。夏期には起こらないが冬期には必ず再発する。

>「常磁性」
未だ驚くのは早い。この「アルカリ金属」のリチウムは「常磁性」である。
元々、自分に「磁性」を持っているので、下記に論じる様に、互いに引き合って「磁場」(磁界)に反応しやすい事に成る。
「磁場」(磁界)に反応し易い”と云う事は、他のものを引き寄せる力がある事に成るので、鉱物の様なもの、或いは、イオンを発するものは当然にこの「リチウムの磁界」に引き寄せられる。
”自ら「リチウムイオン」を発生させながら、自ら「磁界」を造る”と云う「離れ技」を起こすのである。
”「磁界」を造る”と云う事は、磁界方向(磁力線)に対して直角に「電流」が起り、磁界方向に対して縦に「起電力」が起る。

つまり、この原理は「起電力」の発生している方向に金属等を入れると、磁場磁界がこれを阻止しようとして、その金属に起電流が発生して金属が持つ抵抗との間で発熱現象を起こす。
「リチウムイオン電池」の置き方如何に依っても変わるが、その周囲の近々に何らかの金属類があると、「発熱現象」が起こると云う事に成る。
この「発熱現象」は本体の「リチウムイオン電池」にもこの「熱」が伝わり、電池の「充電 発電 蓄電」の「3つの機能」を低下させる。その結果、回路が要求する要求量との間にバランスが崩れ、上記した様に、本体の電池にも「発熱、過熱現象」が起こって、2重の「発熱・過熱」の「熱の負のスパイラル現象」が起って仕舞うのである。
これは何も金属に関わらず、周囲の「フリーイオン」でも電荷を持っているので、磁場磁界に引き寄せられて同じ事が起こる。
この引き寄せられる傾向は、その「イオン」を発生する鉱物の「イオン」に成り易い傾向に従うが、つまり、これを「イオン化傾向」と云う。
つまり、周囲に「イオン化傾向」の大きい物が存在すると、その周囲の「イオン」も引き寄せられて、「正規のリチウムイオン」の伝導が阻害される。そして「3つの能力」が阻害される、つまり、”弱くなる”と云う事に成る。(空気中にも「フリーイオン」は飛んでいる)

(「回路要求量>電池供給量」=「発熱・過熱」)

・「バーニング特性」
「リチウム」は鉱物の中で「イオン化」は最大であるから、故に「イオン電池」として使っているのだが、この「リチウムイオン」は「−極側」に引き寄せられるので電位が発生して電導する。
然し、この周囲に「イオン化傾向」の強い金属とか、影響力のもった「強い電荷のフリーイオン」が存在すると、それも引き寄せて、この「電導現象・発電現象」にはそれが障害と成って低下する。

ある「溶液ゲル」中にある「+極側の鉱物単体」と、「−極側の別の元素」があって、−極側の周囲に「リチウムイオンの状態」で存在する時に、両者の間では「酸化と還元反応」が生じる。

「リチウムイオン電池」=「還元反応>「酸化反応」

以上の反応式が起こり、この間に「電位」が発生して「伝導」が働くと云う、この原理に従っている。
従って、「鉱物単体側」は、”酸化されてイオン化”するのに対して、もう一方の元素のイオン側は”還元されて単体として析出”して仕舞うのである。
この時、”「還元された元素」>「酸化された元素」の方が「イオン化傾向」が大きい。”と云う事になる。

(従って、周囲に「イオン化傾向」の大きい金属を置く事は、”磁場が働いている環境”の中では危険であるのだ。本来の「リチウムイオン発生」が阻害され、且つ、「−極側」にはあっては成らない不必要な「金属イオン」が浮遊して、伝導を阻害しながら、最終は−電極にこのイオンが付着する事が起こる。)

従って、どちらが「酸化」され、どちらが「還元」されるかは、「酸化側」と「還元側」の”電位の持っている大小”に左右するので、逆の以下の反応が起こると「リチウムイオン電池」には充電されない事に成る。

「リチウムイオン電池」=「還元された元素」<「酸化された元素」

この反応が、この「磁場」に影響されて起ると、「電導現象・発電現象」は低下する理屈と成る。
つまり、「充電 発電(供給)蓄電」(「3つの機能」)の能力が低下する事に成る。
この結果、「電気回路側の要求する電気量」に対して、「発電量」が賄えなくなる事で、装置全体に「発熱・過熱の現象」が起る事に成る。

「回路要求量>電池供給量」=「発熱・過熱」→「蓄熱」→「バーニング」

要するに上記した「蓄熱特性」から「バーニング」が起こる事に成るのである。
極めて独特な「リチウムイオン電池」の危険な特性(内側の弱点)である。

 ・「プラスティック保護材の目的」
この様に、”磁性体でもあるリチウム”は、その磁場磁界に依って「周囲の金属イオン」や「周囲のフリーイオン」が引っ張られて、「充電 発電 蓄電」機能を低下させる事を起こして「破壊」と「バーニング」を起こすのである。
それだけに「リチウムイオンの反応力」は高いとも云えるのであるが、この為には、”周囲のイオン化傾向の強い一切の金属イオンを排除して”、最大限の「3つの機能」を発揮させる為に、「電池の周囲」を電位の無い「プラスティック類」で完全保護する必要があるのだ。
この様に「一切のイオン類」を排除する必要があるのだ。上記の「プラスティック保護材」はこの意味で「プラスティック」を使って周囲のイオンを排除しているのであって、単純な目的の保護材ではないのだ。それ故に、「65℃の硬化温度」は避けられないのである。

上記で、論じた様に、この為に、”耐熱温度を「安全限界の80℃」にしても、この保護材「プラスティック」の「硬化温度域65℃」に下げて、「安全限界温度は65℃」と成って仕舞う”と云う「二律背反の現象」が皮肉にも起こるのである。

勿論、上記の電池機能に無関係な「プラスティックの硬化温度65℃」に因って、間接的に引き起こした「リチウム」の「耐熱温度低下の弱点」と共に、「リチウムイオン電池」が自ら持つ直接的な「危険な特性」の「外と内の2つの弱点」でも、同じ事が起こるのである。
本来は「安全限界の80℃」と「使用限度の100℃」があるにも関わらず、これは、まさしく”「3重苦」”である。

 ・「バーニング特性」
「ジュールの法則」等に従って、「電気関係の装置」は、全て「供給と発電のバランス」が狂うと、この上記の数式論の「回路要求量。>電池供給量」=「発熱・過熱」→「蓄熱」→「バーニング」
の「リチウム」の独特な ”「バーニング特性」”と呼ばれる「危険な特性」(内側の弱点)を持っているのだ。

「リチウム(酸化塩)」が「最高の常磁体」であるとすると、下記の「参考」に並べた金属が周囲に有ったとすると、その「イオン化の強さ」の僅差で、”「還元された元素」<「酸化された元素」が起こって仕舞うのである。解り易く云えば、”電池として本来あるべき姿が逆転する”と云う事なのだ。
そうなれば、何でもそうであるが、”まともな事”は起こらない。それが、この場合は ”「常磁体」でもある”と云う事が助長して仕舞うと云う事に成るのだ。
然し、「常磁体の特性」は、本来は、「リチウムイオン電池の原理」(「3つの機能」に成る原理 下記)として使われている「利点」でもあるのに、「環境」に因って、「扱い」に因って、上記する様に「欠点」(内側の弱点)とも成るのである。

「リチウムイオン電池」の周囲の「4つの装置」には、必ず「鉄」や「アルミ」が必ず存在するので、それが”近すぎる”と、この「常磁性の問題」も「環境条件」に左右されながらも、この様な「欠点」(内側の弱点)を起こす事に成るのである。
否、「環境条件に左右されやすい特性」を加えると、「リチウムイオン電池」の ”「4重苦」”と成る。
「リチウムイオン電池」は、「ソーラーパネル」と共に、 ”未来を切り開く電源”と云われながらも、その反面で、”「4重苦」”=”「4弱点」”に苛まれる「物質像」を持っているのだ。

因みに、この「電位の順」に元素を並べたものが「イオン化傾向」の下記の順となる。
「還元された元素」>「酸化された元素」=イオン化傾向 (H=0)

 「・Li」-K-Ca-Na > Mg-Al-Ti-Mn > Zn-Fe > Ni-Sn-Pb > (H=0) Cu > Hg-Ag > Pr-Au

「リチウム」は「イオン化傾向」は、「−3.045V」で上記の通りで最高である。
Au(白金)は「+1.52V」で最大で、「約4.5V」の「イオン化差」がある。

因みに、この「イオン化差」が大きければ、「+極側のイオン」は、「常磁体」に影響して、周囲にある「別のイオン化のV」に引っ張られる事は無いので、上記する問題は起こらない事に成る。

逆に、この「イオン化差」が小さければ、「別のイオン化のV」に引っ張られて仕舞うので、上記数式論の問題が起る事に成る。

「回路要求量>電池供給量」=「発熱・過熱」→「蓄熱」→「バーニング」

当然に、「4つの装置」の周囲には、鉄(−0.44V) アルミ(−1.67V) 銅(+0.34V)等がある。
この主に「3つの金属」は、必ず「4つの装置」には「必要部品」として存在している。
「リード線や電気部品や接続部位」に使われている「銅」は、水素(H)の右(+)であるので問題は無い。
「装置の構造物」として使われている「鉄」は、2.5Vの「イオン化差」があるので、先ず問題は無い。
筆者の「経験値」ではAlとMgの付近は、「1.5V」の「イオン化差」があり、この「イオン化値V」の左領域にある為に顕著に上記の数式論の問題が起る可能性がある。

この「経験値の基準」では「1.5V領域」としてテストをしたが、「常磁体」等のイオンの行方を左右させる「誘導体の影響」を受けているので、加算されて「1V領域」でも問題を起こす可能性があるので確認する必要がある。
「経験値の基準」=「1.5V領域」

(製品や装置に依っては「1V領域」でも起る事がある。周囲に「磁性体」の様にイオンに影響を及ぼす「誘導体」が存在している事や「航空機の環境条件」やその「構造」に依っては起る事も有り得る。)

従って、「軽さ」を利用した航空機のアルミは「1.5V領域」に匹敵するので必ずテストを行う必要がある。(787は炭素繊維の本体であるが、何処まで利用しているかは不明)
この「アルミ」に匹敵するMg(−2.35)Mn(−1.18)Ti(−1.63)Zn(−0.76)は各種の合金元素としてよく使われる。
自動車にはこれを加えると剛性などの機械的強度が飛躍的に改善されるので多く使われているので「環境条件テスト」で確認を要する。
「航空機」の「リチウムイオン電池」の周囲にはその必要性がないと普通は観られる。
然し、「イオン」に対して大きく影響を及ぼす「4重苦」の「航空機の環境条件」が存在しているので、この影響を考慮に入れなければ成らない事に成る。

依って、特に「航空機」であるので、アルミ(Al合金)として存在している筈で、”どの程度の近々にあるか、どの程度の影響を受けるか、 ”「常磁体」である”とすると、「航空機の環境条件」との絡みでテストが絶対に必要なのである。
(筆者は787は何らかの影響を受けていると観ている)

これらの知識は、機械と電気の設計者は知る善しも無い。応用物理系技術者の範疇である。
故に、絶対に「環境条件下のテスト」を行い、この「問題の排除」を行う必要があるのだ。
787は「航空機」であり、”「別発注の4つの装置」”で出来ている事から、この「問題の排除」は絶対に出来ていない事を「別発注」は物語っているのだ。

「リチウムイオン電池」の周囲にはこの様なものを設置しては成らない事に成る。
つまり、周囲に少なくとも「イオン化差 1V」以上の「電位差の生じる物質」を置いては成らないのである。

・「4重苦」=「4弱点」の現実
下記に論じるが、「リチウムイオン電池」の「電位4V」は、この”「1%仕様のV」”で管理維持しないと「リチウムイオン電池」が崩壊する極めて厳しい考えられない程の宿命の数値を持っているのだ。
そこに「イオン化差 1V」の「電位差の生じる物質」や「3重苦」の大きい数値が覆い被さってくると、”1V−0.04V”で比較しても、どれたけ大きい「4重苦」かが判る。
元々「4重苦」>「管理値」と既に超えて成っているのだ。桁が違いすぎる。
対策を講じないと、この「4重苦の時点」では、既にアウトである。
だから、「環境条件下テスト」を主張している。
”「4重苦」”としたが、”「4重苦」”で終わるとした訳では決して無いのだ。
この”「4重苦」”を一つにした様な問題が、また起こるのである。
そして、それはこの世の中で最も恐ろしい対策の取り難い現象なのである。

>現象(X)(環境条件の最大の難関)
特に、経験上は、航空機にある様な「低温低湿下の環境条件下」では、この「現象(X)」が最も起こり易いのである。
つまり、上空の空気中には、「イオン運動」に「悪い影響」を及ぼす障害物が少ない環境であるからで、「温度」が高く成ると、空気は膨張し希薄になる事、空気中に含む水分の量の「絶対湿度RH」も高く成るので「水分や塵や埃」や「浮遊イオン」などの障害物が出て来る。
ところが、温度が低く成るとこの逆の現象と成る。
「高湿」は空気中に含む「水分量RH」が多く成るので、これが障害物と成り、この水分に「イオン」がリークしてイオンは少なく成る。「低湿」はこの逆の事が起る。
ところが、”「低温低湿」であれば有るほどに良い”と云う事ではないのだ。
起こる事は起こるのだが、その「起こり方」が、「低温低湿の領域」中では ”均一ではない”と云う事なのである。
「イオン」に「良い影響」を及ぼす「環境条件」(限定条件)は、「低温低湿下の環境条件下」のある限定した範囲で極めて顕著に発生するのだ。

それは、(限定条件)「温度13℃、湿度20%RH」を中心に「±2℃ ±3%」で顕著に起るのだ。

これは上記の範囲を超えて、
「下側の低温域」に成り過ぎると「金属の分子運動」が低下し過ぎて「イオン発生」が鈍化して仕舞う事、
「上側の低湿域]に成り過ぎると、空気中に存在する「フリーイオン」が活発に成り、「金属イオン」が阻害されて仕舞う事、

以上、この「2つの現象」で限定された「丁度、良い環境条件」、即ち、”「適合環境条件」(限定条件)”が生まれるのである。

「上側の低温域」に成り過ぎると、上記の内容と逆の現象が起こるのであり、この「現象(X)」の起こり方が均一では無く成るのだ。

「温度13℃、湿度20%RH」を中心に「±3℃ ±5%」の他にも、湿度、気圧、振動等に対する、この様な各種の「適合環境条件」は、この自然界の中で全ての物理現象に起こっているのだ。

”全ての物質に影響を与える自然現象”のこの「適合環境条件」(限定条件)を把握するには、「環境条件下のテスト」で、この「特定の数値領域」を「経験値」として把握する以外に方法が無く是非必要があるのだ。
では、”低温低湿”として幅を、「経験値」=「±3℃ ±5%」としているが、
「世界標準値」=「22℃(20℃)±5℃ 50%RH±10%RH」

以上とされるが、この範囲では、先ず環境条件として余り問題が起こらない範囲とされる。
世界が申し合わせた「標準の安全域」(17℃〜27℃ 40%〜60%)で、この「環境の上側と下側」に問題が起こる。

従って、如何なる理由があろうとこの範囲では環境条件における問題を起こしては成らない事に成る。
標準のここで起こせば、それは、最早、”品質ではない。「欠陥製品」と見なす。”と成る。

そこで、この「低温低湿」には、そのものの「表面状態」に大きく左右される特質を持っているが、「下側の温度」は氷点4℃の少し上側8℃、「下側の湿度」は実質の限界値の少し上側10%RH
以上のこの2つまでは配慮する必要がある。

この「狭い領域」(温度2℃ 湿度5%)は、「現象(X)」と上記の「デンドライト現象」の「ラップ域」である。
「恐ろしい現象域」の中の又「極めて恐ろしい現象域」とも云えるこの「ラップ域」は、「専門技術者」の間では「恐怖の領域」とも呼ぶ。

「専門技術者」の間では、この「8℃から10℃ 10%RHから15%RH」の「2つの現象」が起こる「ラップ領域」には神経を最大にする。
先ずテストを行う際には、事前に「チャンバー」をこの「ラップ領域」の条件にして、”起こるのか、起こらないのか、どのくらいで起こるのか”を「事前チェック」をした上で、本領域のテストに挑戦する。
そうする事で、より繊細に見逃し無くチェックが出来るし対策も確実化する。
 
この「下側の温度−湿度」の理由」には、「比熱の問題」のところでも論じた様に、「デンドライト現象」というものを起こして、「対策を立てる」では無く「収拾がつかない」の「異なった問題」に発展する領域なのである。
つまり、「現象(X)」が、この「収拾の付かない」の「デンドライト現象」の発生に依って抑制されて起こり難く成るのである。
これはこれで「現象(X)」の「対策」の様に成ってはいるが、「現象(X)」も”恐ろしい”であるので生易しいものではないのだ。

続く。

次ぎは「デンドライト現象」(詳細)に付いて


  [No.298] Re:787ジャンボ機に思う事(技術論)−3
     投稿者:福管理人   投稿日:2013/06/28(Fri) 19:16:52

> > 787ジャンボ機に思う事(技術論)

>・「デンドライト現象」の恐怖
この「デンドライト現象」は「表面状態」に依ってその「起こり方」も然る事ながら、「起こり方の速さ」が違うのである。それも物質に関りなく起こる。

「10℃以下で15%RH」以下ではこの現象に移行されるのである。

これも、”恐ろしい現象”の一つである。
その”恐ろしさ”も本当に恐ろしいのである。”結晶のアメーバー”が魔の手の様に自由自在に何処でもどんな狭いところでも”にょろにょろ”と何時の間にか延びて来て「恐ろしい問題」を引き起こすのである。
因みに、判り易い例として、氷は氷点の少し上の4℃位から氷化するが、この時、水面に枝葉の様な模様が見えて来る。これが「水のデンドライト現象」なのである。
他には「雪の結晶」もこの「デンドライト現象」に依るし、結晶に至る前の模様もこの「デンドライト現象」が起こっている。
この現象は、「環境条件」と、その物質の中味の内容が整えば、この世の物質にはこの「デンドライト現象」が起こる。
この「デンドライト現象」は、そのものには問題は無いが、この「デンドライト現象」の引き起こす問題が危険なのである。
比熱のところで上記した様に「樹枝状結晶の特質」が危険なのである。
もっと云えば、色々な ”他の特質と連動結合”を起こす事が危険なのである。
これを起こせば、否、起これば、「全ての電気回路」又は「あらゆる装置」とそれを「繋ぐ配線」はその条件如何に関わらず破壊される。
”何故、破壊に至るか”と云うと、このデンドライト(樹枝状結晶)はその物質に巻き割り付くと、その巻き割り付いたものとの間に、「電位」「電荷」を発生させて、「起電圧−起電流」が生まれ、その結果、「熱」を持ち、その物質の表面を破壊させる。
通電中の電気部品であればショートさせて仕舞うし、通電でなくてもその表層部を破壊して次ぎには使い物に成らなく成る。
知らないで使えば、殆どは知らないで使うので、結果としては、何時しか「破壊」と「ショート」と「発火」を連続して起こす。エンジンなどの動力源を切っても最早、遅いのである。
計り知れない「電位電荷」を持つ地球に存在している「この世の全ての物質」は、「相対の原理」に基づき「逆の電位電荷」を持っている。例外は無い。
でなければ、地球より「1.2マッハ」の「地球の回転加速度」に依って宇宙に飛び出して行く。「航空機」はそれに逆らって10KMに到達する。
当然に、地球との間でそれに見合うだけの「電位電荷」を持つ事に成る。
その中の全ての物質も、当然にそれに見合う「電位電荷」を持つ。
ここでは「リチウム」の様にその「物質の特質」(アルカリ金属)に見合うレベルの「電位電荷」を持つ。

とすると、「リチウムイオン電池」を載せた「航空機」と共に、地上での「電位電荷」よりも遥かに高く成る。高くなった「電位電荷」により、必然的に「現象(X)」と「デンドライト(樹枝状結晶)現象」はより起こり易く成るし、起こる「現象レベル」は高く厳しく成る。

筆者の読みとしては、「787」は、”この「現象(X)」と「デンドライト現象」の「ラップ域」に限らずこの「重大欠陥」を起こしている”と観ている。
何故ならば上記した様に、「航空機」は、このこの「2つの現象」が起こる「温度域」に到達する見本の様なものであるからだ。
「破面工学」を把握していれば、”トラブルを起こした表面の内容” を観れば専門家であれば直ぐに判る。数十件を越したと承知しているが、その内のひとつはこの現象であったと予測がつく。
「数十件の事故」は単一原因では無く、「複数説」の見解を持っている。
詳細な情報の把握の無い事と現物を見ていないが、最大の「弱点で問題点で原因」と成るこの2つの「現象(X)」と「デンドライト現象」には、筆者の専門的な「経験識」からの判断では、現物写真から観ると、次ぎの数式論が働いていた事を証明している。

「現象(X)」+「デンドライト現象」→「回路損傷」→「発熱・過熱」→「保護プラスティックの溶融」=(外的な安全限度 65℃<80℃)=「回路要求量<電池供給量」=「発熱・過熱」→「蓄熱」→「バーニング」

この数式論プロセスが間違い無く起こっていると観ている。

・「特記」(日本の技術)
さて、此処で、次に進める前に、少し論じておかなければならないことがある。
この「自然現象」の殆どは、縦軸にエネルギーに返還される要素、横軸に時間軸や物事の変異量の要素でグラフを表すと、精密には「Sパターン」のカーブと「Nパターン」のカーブに分類される。
一見して比例的に直線的に見えているものでも、その「変曲点」(変わり目)の付近を詳細に調べると、この2つのパターンに成っているのである。

(確かに、比例直線と観られる場合も、そのものの特質に因って変曲点が極めて小さく出るものもあり、比例、直線と見なしても良い場合もある。然し、工学ではそうはいかないのだ。
例えば「スーパークーリング」等もこの「Nパターンの現象」を呈するが、よく調べると違うし、この違う特質が、工学では最も重要な判断のポイントになるのだ。これを違えると「787の様な事」に成るのだ。もっと云えば、ここが「技術者の所以」でもある。)

この世の「鉱物の自然物」や「物理的な自然現象」はこの原則に従っているので、比例的に考えがちであるが、決して、「技術者」はこの点を間違っては成らないのである。
そもそも比例的であれば、「微分係数」が生まれるので、それは理論化が出来て、「実験の経験値」ではなく「論理的な基準値」で考える事が出来る。
従って、設計的に事前に反映して対策を構ずる事が出来て、「787」の様に「環境条件下のテスト」を無視する事が出来る。
”世の中はそうは行かない”のがこの世の現実で、その主原因はこの「2つのパターン」が存在するからである。
「787の彼等」は、この「2つのパターン」を「比例」と観て、その中間の「微妙な領域」を無視するから、この様な「787の様な問題」を引き起こすのである。
これに逸早く取り組んだのが「日本」であり、「日本人の繊細さ」であり、それから生まれた「日本の品質」であるのだ。そして、その歴史は青木氏と同じく1365年もの悠久の歴史を以って引き継がれて来たものなのだ。況や、「日本の品質」=「遺伝子の品質」=「高度な品質」であるのだ。
故に、「日本の品質」は必ず何時しか「日本発の製品」として席捲し寡占するのである。
更に不思議な事に、これには、「日本の品質」には「仏教と云う概念」が、それも「古代の時代」から潜在しているからである。外国技術者と議論すると絶対に理解されない点である。
「787」は”この領域の問題”にラップしている問題なのである。

・「4つの季節環境」
それは「日本の幅広い厳しい4つの季節環境」から来ているのである。
それが、現在では「環境条件下テスト」とその「チャンバー」の「品質確認の習慣」と成って国内に根付いているのである。何はともあれ、これが「日本の品質の強み」と成っているである。
そもそも、「青木氏の守護神」で論じた様に、大化期からの「豊受大神」の「物造りの神」から根付いた”「4つの季節環境」に順応する”と云う概念である。
「技術論」に”「神が顕在する」”と云う実に「不思議な思考原理」である。
匠達が物を造り出す時、先ず神に「心技体」を委ねて、祈念し「物造りの達成」を願う習慣が未だ途絶えていない。これだけグローバル化していながら「日本の技術者」に「遺伝子」で引き継がれたかの様に根付いているのだ。
過去にはその「概念の中心」に居たのが、何と「3つの発祥源」の我等「青木氏族」であった。
故に、ここに至っては、最早、”放置出来ない問題”と捉えて、幸いに筆者がその専門職であった事を理由に、ここにこの問題を敢えて詳しく我慢して論じている。
まぁ、「787」がこの「環境条件下テスト」を無視しても、最早、日本ではこの「環境条件下テスト」をした純粋な「日本発の製品」、即ち、純国産の「次期の航空機」が進んでいるのであるから、1年もすれば、”より品質の良いところに流れは定まる”が道理であろう。
「787」が本論の云う事を聞いて、「環境条件下テスト」をすれば又違った流れが起るが、この流れも、結局は、”「4つの装置」の「環境条件下テスト」”を実行しようとすれば、「設備」と「ノウハウ」と「経験値」の唯一の保有国の日本でしか出来ない定めにある。
その為に、純国産の「次期の航空機」を待たずして「100%航空機」に落ち着く事に成る。
「4つの季節環境の品質概念」を日本に遺す為にも敢えて論じる事にする。先祖も喜ぶであろう。

さて、「特記」から話を戻して、従って、この「イオン化傾向」の値は、周囲の「反応体の影響」を最小限にする為に、「標準の水溶液」中の「標準の値」と成っている。あくまでも「標準」である。
ここに、「適合環境条件」が働けば、「イオン化傾向」の数字に「ズレ」を生じる。
依って、厳し目に設定して「テスト基準」の「経験値」と云うものが働くのである。
「厳しい環境条件」が繰り返し激変する「航空機」では、尚更の事で、「経験値」の「イオン化差 1V」を「航空機 経験値」として用いる事の意味を持っている。(地上では「1.5V「経験値」の使用)

さて、そうすると、・「航空機 経験値」の「イオン化差 1V」と共に、”「温度13℃、湿度20%RH」を中心に「±2℃ ±3%」”の環境は、この「自然界の現象」の中で、「最も恐れる自然現象」を起こす「恐怖の環境条件」である事も云えるのだ。
つまり、”「イオン化が起こり易い環境」”は、それは、”「静電気の発生領域」でもある”と云う事なのだ。 上記した「ラップ領域」の「イオン」と「静電気」は同類であるからだ。
(「デンドライト現象」も同類ではないが「ラップ領域」にある。)

 ・「航空機 経験値」
  「イオン化差 1V」

 ・「イオン」「静電気」「デンドライト」環境 (特定条件)
  ”温度13℃、湿度20%RH」を中心に「±2℃ ±3%」”

>「静電気」
さて、ここで「恐ろしい現象」のもう一つ、「現象(X)」は、つまりは、それは「静電気」である。
特に、この環境下では、上記の「磁性体」(イオン)と共に、最も恐ろしい「静電気の発生領域」でもあるので、これに、「リチウムイオン電池」が、鉱物中「イオン化」が最大であるし、上記の様に障害を起こし易い「磁性体」であるので、「静電気」だけは絶対に起こしては成らないのである。

「静電気」は、「リチウムイオン電池」の天敵

然し、残念ながら不幸にしてこの「静電気」は”絶対に起る”のである。
この「静電気」が起これば、「リチウムイオン電池」は「発熱・過熱現象」へと繋がり、且つ、これらを管理する「ソフト基盤」や「センサー基盤」は、「静電気」が「ノイズ信号」と成って基盤に進入し回路を破壊する。
そして、この「基盤の破壊」は最終は「リチウムイオン電池」そもものを破壊するし、「発火現象」が起る。

何故ならば、「航空機」は「−40度 0.2気圧」で、空気中の水分は完全に乾燥状態であるので、文句無く「静電気発生の条件」は揃い過ぎている。完全に起る。地上では考えられないレベル差で起る。

地上では、「静電気」は、「6Kから8K」程度で、「静電気」を抑えて置けば問題は先ず無く成る。
然し、「静電気発生の条件」が揃い過ぎている上空では、「10Kから12K程度」に耐えられる様に対策を講じなくては成らない。
この「差」(4K)は考えられない大変な差なのだ。「1Kのレベル」を上げるのに大変な苦労する。それが4Kである。況して、8K以上のレベルは同じ1K差でも2K程度の厳しさを持つ。

それは、環境条件の「適合環境条件」の最たる環境でもある上に、今論じている「リチウムイオン電池」と云う極めて厳しい「内から外からの弱点」を多く持っているからである。
この「弱点」と「適合」の2つが揃えば、最早、”アウト、処置なし、ギブアップ”だろう。

この「静電気」と成ると、「ソフト基盤」、「リチウムイオン電池」の影響に留まらず、全てものに致命的な障害を起こす。その先ず、最たるものは、「プラスティク類」から始まる。
この「プラスティク類」で終われば良いが、逆にここから始まるのである。
これも「デンドライト現象」の様に、アメーバーの様に、”弱い部位方向”に向かって他に飛び火し伸びて行くのである。
「プラスティク類」は、「磁性体」と「イオン化傾向」との環境中では、「帯電体」として注意しなければ成らないが、「リチウムイオン電池」の「イオン化傾向の対策」の「保護材」としても絶対に使わなくてはならないのである。
これはどの程度に近づけば「静電気の障害」が起るかは予想が付かない為、それを把握する「環境条件下のテスト」を必ず行わなくては成らない。
「静電気」は、”設計段階で対策”は殆ど不可能である。
それは「静電気」の「質と量、強弱、場所、影響」等が一切計算出来ない事、仮に判ったとしても幾つもある対策案のどれを設ければ効果が認められるかも解らないのである。
上記した「適合環境条件」の「環境条件下のテスト」を「チャンバー」で行い、確認しなければ把握出来ないのである。
そこに「航空機の厳環境」で ”「地上−上空」の条件が急変する環境状況(155M/S”)である。計算は出来ない。
「静電気の対策部品」には、コンデンサー類C、半導体類、ダイオード類D、抵抗類R、コアーチップ類、鉄心コァー類、等の「部品群」があるが、何処に、どの様な、どの様に、幾つ等々、取り敢えずセットしてみなければ効果は解らないのである。全て「経験ノウハウ」による。
ある部分にある対策部品をセットしても、それが別のところに影響して別の問題を引き出すと云う”イタチゴッコ”が起るのである。当然に「設計変更」と云う場面も多々出て来る。
最終、駄目な場合は、その基盤全体を機械的にシールドして対策する、その部分を「適合環境条件」から保護する為に空調を架ける、多少の問題を伴うが、回路全体をアルミパックで覆う等と成る。
どちらかと云うと、「静電気」そのものも厄介ではあるが、それが次ぎの様な現象を起こす。

「充電 発電 蓄電」の装置機能を低下させる現象、
管理維持する「ソフト基盤」の回路に入って「誤信号」(ノイズ)と成って回路を狂わす現象、
回路全体をハンギング、フリージング、ロッキングなどを起こして電気回路を止めて仕舞う現象、
回路をバーニングさせる現象
などが起る。

これに対して次ぎの様な「ノイズ或いは静電気キノイズ」の対策が考えられる。
ノイズを熱に変える対策
ノイズを一箇所に溜める対策
ノイズの流れを停める対策
ノイズを逆方向に流す対策
ノイズを電気的に回路の垂直方向に導く対策
ノイズを抵抗で抑える対策
ノイズを吸収する対策
ノイズに回路を保護する対策
ノイズに回路を強くする対策
以上等の対策が施される。

以上の対策をどれを使うか、どの様に組み合わせるか等、チャンバーの中で経験を通じて試行錯誤する以外にないのだ。
勿論、「静電気」は高電位を持つ事から、「リチウムイオン」の「イオン運動」をこの電位で引っ張って仕舞う事も起る。
航空機のこの「静電気の電位」は、地上で起る電位に比べて遥かに大きい「超高電位」を持つ事に成る。上記した地上の最大で6K程度に対して、「2〜3倍程度の電位」を持つ事が計算される。
最早、この”「2〜3倍程度の電位」”は、「経験値」から上記する10項目程度の対策は大きな効果と成り得ないと考えられる。
つまり、「12kから18K」と成ると、対策部品自体が耐えられるかは疑問である。
筆者の経験から、確かに、「12K」と云うものがあった。「特別領域」である。
最高でも「10K」が限界であろう。「最高領域」である。
「普通領域」は「4−6K」、「上限領域」で「8K」と云う事に成るだろう。

「航空機 経験談」
実は、この「12K」には、「経験談」があるのでここで敢えて披露する。
むしろ、この「経験談」があって本論の論調と成っている事もある。
そもそも本論は、この「実際の経験」を元にして論じている。ただ、「リチウムイオン電池」は無かった。
「航空機」の「ハードの電源」を利用した「電解液のバッテリー」であるが、「ソフト基盤関係」は既にあった。
これには「守秘義務」を負うが、その範囲で述べる。

矢張り、特殊な発注先の特殊な「輸送航空機」で、この「輸送航空機」にある”極秘の情報関係の戦略上の製品”を載せる計画で、当時は秘密裏の「世界初の試み」であった。「普通の常識の発想」では決して載せない。”載せない”と云うよりは”載せられない”と云うのが正しい。
然し、依頼は”載せる”であった。当然に依頼に反対した。依頼先の話から裏には「強い国家意思の存在」の印象であった。その後ろには、”更に別の「強い国家の背景の意思」が働いていた。”と考えられた。
「依頼先の発言」では ”1年掛かっても良い。実現して欲しい。”であった。
”実現する事”が目的であって、価格ではない。”と言う事であった。
その為に、ある種の担当技監2人が定期的に検討会議を開催し、定期的に立ち会いをし、全ての本機の対策内容を把握して弱点を押さえ考え、難題が起これば議論する事のシステムを確立させてこの繰り返しの保障する約束で行った。
ただ、最後まで疑問が残った。全て「極秘」である。その為に、何故、当社に依頼したかであった。
後で判った事であるが、この計画段階から本機の「開発の総請負先」(某総合企業)が先ずあり、本機に関わる部分の「光学関係の別の開発」(某大企業)があり、ここで問題が発生して「行き詰まり」に成った。発注先、請負先、第1開発先の3者が話し合った。結局、この3者がテスト装置のチャンバー寡占装置某企業に相談、この企業の推薦提案で、「本体機」の第2開発先を当社に決める相談があった。
相談の根拠は「豊富なチャンバーでの経験」にあった。(チャンバーのメーカが納入先の当社の事をよく知っていた。「光学関係機」と「本体機」の”「ドッキング環境」に対する問題”を解決する内容であった。
(光学機は環境条件では解決できなかった。787の「4つの装置の環境条件下テスト」と同じである。)
「極秘戦略」である計画の裏側は、この様な裏ルートで動いているのだと知った。
結局、「環境条件下の品質の問題」が「第1開発先」(装置と経験あり)に出て、”計画が宙に浮いていた。”との事であった。
渋々開始した。案の定、百何十と云う問題が発生した。何度も暗礁に乗り上げた。何度も技術論の激論を続けた。この時には最早、むきに成っていた。社内は極秘裏。
この恐ろしい「静電気の問題」は5割を占めていた。「環境条件による品質変化の問題」が3割、「機械特性による問題」が1割程度、この全ては環境条件の上限下限の影響が伴うものであった。
「世界標準の環境条件下」でも全体の1割程度の問題が発生した。(詳細は守秘義務で困難)
「静電気」は恐ろしい「12Kの数値」であった。これ以上ではパーツが破壊する可能性が高く成る。
地上では冬季の中国かモンゴルの砂漠以外には先ず無いが、「塵埃の問題」も絡んでいるので単純には比較出来ない。
”価格ではない”と云う事であるので、殆ど部品で対応した。その点で楽であった。

これには、上記した様な事と、下記に論じる様な事、全ての事が関係した問題であった。
だからこそ、地上での問題は充分に経験しているが、ここに「特殊な経験」として「航空機の787」を論じられる訳であり、特に強調しているのである。
時代の進歩で若干異なるところもあるが、総じて、共通する問題である。
本論の様に、技術論を展開する事には守秘義務の問題は無いだろう。
普通は本機は地上でよく使われる設備である。確かにこれを「上空の輸送機」で使えば戦略上は飛躍的に良くなる事は理解できた。然し、問題が有り過ぎる。研究を伴うものであったが、研究と開発とテストを同時に行う意思であった。勿論、あらゆる「上空の環境条件」がテーマと成った。
苦労に苦労したが参考文献は当然に無い。「上空の環境条件」の再現に苦労した。
「第1開発先の光学機」も合わせて「環境条件対策」も提案して何とか解決した。

「実際の飛行テスト」に入ったが、筆者らは戦略上の制約からここからは参加していない。
全て上手く行った様で連絡があった。ところが、ただ一つ後日にただ1件問題が起ったとの情報で、暫くすると、又、話が依頼先から届いた。「依頼先の技術力」で独自に解決しようとしたとの事で、結果は駄目であった様子だが白状しない。
それは、予想外の問題で、この航空機はジェットターボプロップ機であったが、このテイクオフ時は6度から12度の上昇角で推進する。この上昇期からこの製品は稼動して平行飛行時にはスタンバイの状態と成っている様に「時間の節約」をしているシステムにしていた。
ところが、この「上昇角と上昇時の振動」に依ってアラームセンサーが働いて仕舞う現象であった。原因は解らない。
幾つかの原因案を試した。結局、上昇する時に地球との間で「電位電荷」がより強く発生し、その「電位電荷」が、上昇加速度があまりに想定外に速い事と、想定外に気圧変化が早い事、振動が想定外であった事から、発電用のあるセンサーが、「発熱・過熱現象」を起こした事と認知して、異常と判断して回路全体を停止させた事が原因であった。この頃のセンサーはまだ初期段階のものであったので対策が取れない。振動に対する敏感なセンサーはまだ無かった。
結局は暫定策テストとして、上昇角6度付近でテイクオフし推進力を限界速度に、急上昇は禁止で、何とか維持した事が判ったので、この実績を捉えてこの間に開発を進めた。
水準角度をより認知する本機用の電気回路用センサー開発をし、水準角度(上昇角)6度を限界に回路を保護しセンサーオフを防いだのである。

(振動センサーのメーカーに依頼して、「振動」のセンサーは、鉱物中最高の比重を持つ水より軽い「リチウム」をある容器に入れて、それを外界と密閉して作った最先端の特殊なセンサーで、ある「特殊な目的」で開発されたものを応用して使用する事になった。「トランデュウサー」と呼ばれるものがある事を知った。)
(当該航空機の想定はプロペラ機でジェツトターボプロップ機ではなかった事が想定外の現象を引き起こしたもので、後日判った事であるが、プロペラ機でのテストがあまりに上手く行った事からその後にターボ機に切り替えたとの事であった。実機テストに立ち会った責任者の担当技監の環境条件に対する「技術的な判断不足」で起こした問題であったと考えられる。
「プロペラ機の輸送機」から「ターボ機の戦略機」に変えた理由は、より戦略的効果を狙ったものであったと考えた。現在もこの両方で使い道は違うが原型が載せられている事を知った。
余談であるが、この「ターボ機の戦略機」には高卒時にパイロットに合格した事がある。)

現在はデジタル化しているが、その原型は使われている。当時は「24時間の戦略上の短縮」で航空機上から地上の指令基地に情報伝達を直接行える様に成った。これは当時では、戦略上「決定的優位」に立てたとの事で、聞くところでは現在もその「日本の優位」は維持されているとの事である。

時代が変化したので「守秘義務」は最早、解けているとは思うが、敢えて隠して充分に説明出来ないところがイライラするが、その分だけ「技術論」では頑張っている。その時の「経験論」を何とか思い出して展開している。大分忘れているが、「思い出す事」に意味があるとして、更に老いに鞭打って次ぎに頑張って続ける。

要は、上記の事が「環境条件の変化」で”思いがけないところに思いがけない事が起こる”の事例で、上記事例の様に、”「応用物理学を駆使した上での環境条件下でのテスト」”を行い、是非に、「100%787」の完成を試みて欲しい。未来の日本の為である。
これは「日本の未来」を明るくする「787」なのであるから、上記した様に、これは、歴史的には、”「物造りの守護神」「青木氏族」の「伝統のロマン義務」”でもある。
この「事例経験談」を見本として、ここでこの事を「理解の元」として説明したかった。

さて、そこで頑張ってまた元に話を戻す。
上記の事で、ここで論じている「環境条件下の技術論」の背景をより留意して戴いたとして、次ぎに話しを進める。787も「日本初の国産製品」に成るべく更に論じる。

上記の「事例経験談」は「現象(X)」即ち、「静電気」と云う恐ろしい現象であるからこその強調する談でもある。
況して、「ソフト基盤」はこの「静電気」は逃れられない天敵である。設計的には予想が付かない天敵であるので、「環境条件下のテスト」は絶対に避けられない。

「弱点」はまだまだある。論じるのも無駄の様な気もする位に、これ程に「弱点」を持っていたのなら、早くユニットにして環境条件下でのテストする必要があると思うが、既に条件は揃っている。最早、これだけはっきりしているのに論じるのが面倒に成って来た程である。

>「マルテンサイト変態」(内部弱点)
そこで、一寸難しいのだが、この「リチウムの結晶構造」は、「体心立法格子」で「マルテンサイト変態」を起こす金属なのである。これは応用物理学の専門家でなくては判らない。
専門家ではあれば、この言葉を聞けばどの様な特質を持つ鉱物であるかが凡そ直ぐに判る。
上記した様に、「デンドライト」(樹枝状結晶)と合わせて応用物理学の範疇の専門的知識である。
これが鉱物の中で起こると、「デンドライト現象」と同じく ”最早処置無し”である。
鉱物の中で、内側でこの「マルテンサイト変態」が起こるものは少ない。
「リチウム」と云う金属には、この「マルテンサイト変態」はまったく必要は無く、「利点」にはならなく完全な「内部の弱点」に成る。
「リチウム」は「180度が融点」とすると、その約1/2程度のところで「結晶構造」が、突然に「面心立方格子」から「体心立方格子」に「リチウムの金属構造」が変わると云う事なのである。
普通の鉱物の殆どの結晶は「面心立方晶」である。
これは専門的過ぎると思うが、最大の「リチウム」の内部内側から普通に発生する「超弱点」であるので論じる。
「航空機のリチウム電池の関係者」に役に立つだろう。
その「変わり方」がどの様に成るのかと云う事だが、その「変わり方」が専門的に「マルテンサイト」(硬化すると65Rc)と云う”「リチウムの結晶」”の「温度による変わり方」なのである。
つまり、冷却すると「硬く成る」と云う事で、”どの様に硬いか”と云うと、ダイヤモンド(72Rc)に近いと云う事なのである。ダイヤモンドの結晶も「体心立方格子」である。
因みに、鉄は融点1540度の720度(A1)〜910度(A3)のところでリチウムと全く同じ「結晶の変化」を起こす。
鉄の刀の刃先は、この「結晶構造の組織」と同じに成っていて、ある速さで冷却するとこれと同じ硬さ65Rcに成るのだ。
とすると、上記した様に、このリチウムは80℃僅かに超えたところで、この「結晶変化」を起こして刃物の刃先の硬さ65Rcと同じ位の強度に成る要素−「結晶構造」を持っていると云う事なのである。
この刀先の事を特長を連想して考えてみる事でその問題点は判る筈である。
上記の様に”「熱」が「振動」で上昇する”と論じたが、この現象が「100℃付近」で起ると云う事は、”ぼろぼろに成る”と云う事なのである。”80℃で全く起こらない”と云う事ではない。
これでも熱に如何に弱いかと言う事が判る。(航空機はこの冷却に相当する環境変化を起こす。)
冷却で硬くならなくても、この”「体心立方晶」の結晶構造”に成ると云うことだけで「弱点」としては充分である。(元は「面心立方晶」)
ところが、この現象は地上では、”硬く成る、ぼろぼろに成る”と云う事なのだが、これだけでも大変な弱点なのであるが、更に、決定的な環境条件 即ち、「上空」である。
上記した様に、「−40℃ 0.2気圧」云う極寒の温度に成り、且つ、もっと悪い条件は”急速に成る”と云う事である。更に気圧が地上の1/5の0.2気圧と低下する。
では、上記の特質の「マルテンサイト変態」に、この”「−40℃」と「急速冷却」と「0.2気圧変化」の「3つの現象」が加わればどうなるのか”と云うことであるが、「リチウムイオン電池」の「最悪の悪環境条件」と成るのだ。では、”何が起るか”である。

この「マルテンサイト変態」は、本来は徐々に”ゆっくり”と温度を戻せば元に戻る特質である。
ところが、この「3つの現象」が起ると、元に2度と戻らないのである。
つまり、「マルテンサイト」の”「体心立方晶」の結晶構造”でも「大弱点」なのに、”硬く脆く成ったたままで終わってしまう”のである。
これに成るには、凡そ、「15度程度、2秒間程度で、1気圧程度」で冷えれば「マルテンサイト変態」は終わり戻らなく成る。これは何処にでもある環境である。
何と、これを「航空機の厳環境」で観れば、何度も「テイクオフとランディング」で繰り返すのである。
「15℃程度、2秒間程度で、1気圧程度」は、「航空機」では充分に起こす現象である。気圧も「0.2−1]を繰り返すので、100%起こる。”条件が揃い過ぎる。開いた口が塞がらない。”唖然とする事が起るのである。
つまり、簡単に云えば、鉄で云えば「焼入れ」に近い事が起こるのである。
”何故に戻らないか”と云うと、「マルテンサイト変態」は、上記に「体心立方格子」と述べたが、これが、専門的に云うと「稠密六立方格子結晶体」と云うものに変化(学問的には変態)してしまうからである。
判り易く云うと、丁度、「ハニーカム構造」(はちの巣の構造)を極めて細かくした結晶構造に成り、何れの方位からの「エネルギー」、又は、「力」を加えても均等に力が分散して掛かり、いろんな角度に変化するエモルギーが届かないのである。だから硬いのである。
この「航空機の厳環境」の上空では、「変態」に至るには、地上に比べて1/4倍程度の「環境条件の変化のエネルギ」が掛かるだけでよい事に成るのである。冷却で無くてもそれに相当するエネルギーがあれば起こる。この地上差の「4倍の差」は単純な4倍差では無いのである。
(論じるのもあほらしく書く気がしないのだが、頑張って書くとする。)
上記した様に ”「80℃の安全限界の始点で 100℃の使用限界の終点」”に明らかに達していると論じたし、”「3つの現象」を繰り返す”と論じた。
”硬く成る、ぼろぼろに成る”の「マルテンサイト」は、「マルテンサイト」がそのものが悪い事では無い。 ”硬く成る、ぼろぼろに成る”の事は、”「疲労の蓄積」−「疲労破壊」”に弱いからである。
硬く成らなくても、”「マルテンサイト」の”「体心立方晶」の結晶構造”で充分に脆く成るのであるから、”「硬い」は度外視しても良い”のだ。”硬さの差”であって、起こる事は同じである。
つまり、簡単に云えば、「マルテンサイト」は「脆い」のであるから、外部からのエネルギーに左右してこの結晶にこのエネルギー(応力)が次第に蓄積して終には「疲労破壊」に成ると云う事なのだ。
その時間は、”極めて短い時間”で良いのだ。”すぐに起こる”と表現出来る。
この「マルテンサイト変態」の時には「熱」を伴う訳であるから、”「脆さ」から来る「疲労破壊」”と、その時の「熱」による「熱疲労破壊」の「2つの現象」が重複して起こる事に成る。
更には、「航空機の厳環境」であり、「−40℃ 0.2気圧」であり、「155M/Sの落差の急変」等の外部の「マルテンサイト変態」を起こすエネルギーは充分であり、更に、上記した「過熱の弱点」と、「変態で起こる熱」との「不必要な2つの熱」に因るエネルギーに襲われるのである。
この「熱の発生源」は、更に、「リチウムイオン電池」外の他の「3つの装置」全体からも自然発生する。
当然に「ソフト基盤」からも起こる「自然熱」もあるから、その「総合熱」は「密閉状況」にある筈である事を考慮すると、少なくとも40℃超には明らかに成り得ている筈である。
「40℃+X」は、「環境条件下テスト」をして見なければ確定は出来ないが、”保護材の硬化温度の使用限界の65℃”付近には成っている筈であろう事は充分に予想できる。
不必要な「X=25℃超」は、上記の「2つの熱」共に上記の「蓄熱の弱点」でもある。この現象が繰り返されて「蓄熱のポイント」は益々上昇し、何時か「バーニング」に発展する事に成る。
「リチウムの特性」のところで記載した内容から観ても、「過熱の現象」は充分であろう。

その根拠は、上記した様に、先ず、「自然発熱」として、「ソフト基盤」が、抵抗やコンデンサー等の「発熱体」を多く使われている事により発熱する。
上記した「ソフト基盤」の「環境条件下対策」には、特に「静電気対策」や「電気ノイズ対策」にはこの「熱源と成る抵抗体」のパーツを利用した対策を用いる。
不必要に回路に侵入して来たこの電気の「ノイズ」を、「鉄心コイル」や「コアーチップ」等の「抵抗」Rに通して、「フレーミング左手の法則」と「ジュールの法則」に依って「熱」にして「ノイズ」を回路外に放出して仕舞う仕組みの対策であるからであり、或いは、この「ノイズ」を「コンデンサー」と云う発熱する「蓄電パーツ」に吸収させて、他の電気と共にノイズでなくして仕舞う仕組みの対策で、このコンデンサーもこの後者の法則により「熱」を持つ事に成る。
「リチウムイオン電池」もこの「充電と蓄電」のコンデンサーと同じ役目を果すのであるから、「リチウムイオン電池」も同じ「発熱源」なのである。
従って、これ等の「静電気対策」を講ずれば講ずる程に、この「部品」が増え、「熱源」は増す事に成る事から、当然に「発熱現象」は高く成り、限界の40℃を超える事にも成り兼ねない訳である。
「経験値」から
「40℃前付近」に成ると、小型シロッコファンで冷やしその空気を外に流す「放熱」の工夫が伴って来る。
「40℃超」に成ると、必然的にそこに上記した特性から来る「発熱・過熱現象」が加速的にスパイラルで上昇する。
「50℃超」では、最早、「発熱体のパーツ」を使う対策は採れず、「空調」が必要に成る。
この温度域は「放熱」と「空調」は少なくとも必要に成っている領域である。

「充電 発電 蓄電」の「3つの機能」のところの電気回路基盤には、12Kのところまで対策を必要とする事からも「自然熱」としての「発熱・過熱」では空調は「必要条件」である事は充分に考えられる。

この様に、”「熱」は「熱」を呼ぶ!”の特質から、放置しておけば、当然に「蓄熱の特質」から、”「熱」の負のスパイラル”は起こる。
依って、この「熱の連鎖反応」を無くす為に、一般的に下記の「温度範囲の要領」が用いられる。

 ・「温度範囲の要領」(回路防護の基準)
「パーツ」(40℃以下)−「放熱」(40℃域)−「空調」(50℃超)−「発熱分離」(65℃域)−「設計変更」(80℃域 安全限度)−「使用限度」(100℃域)

この「静電気対策」や「電気ノイズ対策」に用いる部品は対策を講ずれば講ずるほどに「発熱体」が増え、逆に「自殺行為」に成る。問題が多ければ多いほどに「自殺−破壊」に至る。
つまり、”問題が多いと「パーツ対策」が採れない”と云う事にも成るのだ。
「12K」はその領域の限界とみなされる。

因みに、回路設計段階では、出来る限りこの大まかな対策は採るが、この様な必要以上の「発熱体」の「対策パーツ」を設計しないでいる。「環境条件下テスト」では電気技術者は、矢張り「発熱体の対策部品」をつける事には抵抗する。それはこの「対策パーツ」を取り付ける事には「コスト」が高く成るので渋る。
ところが、物理系技術者はつける事を求める。
”「発熱」40℃の限度”は、「環境条件下の過酷テスト」(プレッシャーテスト)で確認出来る事から、先ずは取り付ける事を求める傾向がある。
要は、”両者の駆け引き”が起こる。物理系技術者の「豊富な経験と知識」と「コスト」の戦いが起こるのである。常に、物理系技術者は、「豊富な経験と知識」で彼等を説得し「優位性」を保っておかなければ成らないのだ。この様に「品質とコスト」に「切磋琢磨」して飽くなき追及をする姿勢が「日本発の製品」が生まれ、それが「寡占」を作り出している「原動力」と見なされる。
それの源が ”「チャンバーによる環境条件下テスト」”なのだ。
上記する様な「豊富な経験と知識」は「物理系技術者の範疇」であるから、それをシステムとしない米国には ”専門家が居ない”と云う実態が生まれている事を物語る。
言い換えれば、「日本の製品の寡占」はここから生まれているのだ。恐らくは近い将来には、「航空機」も「日本発の製品」となり「寡占」になるであろう。
「787」の片方が、”原因不明 「発火」しない「発熱対策」”を主張し続ける限り「寡占」は必ず起こる。

自動車もハイブリットとEV化では、上記の様な、最早、「豊富な経験と知識」は「物理系技術者の範疇」と成り得る為、最早、その寡占の入口に入っていると考える。
米国も思考原理が異なる事から無理であるかも知れないが、日本の唯一の「切磋琢磨の相手国」としてこの「技術環境」に目を向けて欲しいと考える。
米国も日本の様なこの様な「技術環境国」が無ければ寡占は続く筈であった。そもそも上記した様に、日本のこの「技術環境」は今始まったのではない。奈良時代から始まったのである。
それが現在まで脈々と引き継がれて来たのである。

(「青木氏」の「皇祖神−子神−祖先神−神明社」の「豊受大神」の「物造りの神」からである。
「青木氏の家訓10訓」にも遺された程に、「技術や品質」に「神の概念」を魂入した「神技」を1370年の今も忘れては居ないのである。)

>「外装材の問題点」
787は此処まで論じたが、これだけ多い「弱点や欠陥」を持っているのだから、現在も、この ”「自殺−破壊」のシナリオ”の中にある事は否めない。
この「2つの事」から、上記の「環境条件テスト」を行えば必ず判る筈であるが、「繰返しの熱疲労」が起る物理現象が存在する。目に見えない事から無視されがちであるが、「熱疲労」は必ず起こっている。
「リチウムイオン電池」の乗せた「航空機」は、普通に起こり、これを真に繰り返す。
この「テイクオフ−ランディング」の度にこの現象が起こすと、”繰り返しの「熱疲労の蓄積」(高温と低温)”が起こり、最後に「疲労破壊」が起るのである。これは「宿命」と成る。
これは「リチウム塩」は勿論の事で、それにカバーなどに使われている絶縁体に使われる「プラスティク類」にもこの熱伝導(65度 使用限界値 硬化点)が働き破壊は別のところでも引き起こされる。

周囲に金属材を「外装材」として使う事は、「イオン化傾向」に依って「外部イオン発生」が起こり、問題を起こす事は上記で論じたが、「絶対厳禁」である事は論じたが、その為に絶縁体の「プラスティク類」を「外装材」として使っている。
その事から「40℃超のポイント」の直ぐ後に、結局、安全限界の「65℃のポイント」が迫っている事に成り、「80℃の使用限界値」を待たずして、その前に、この「外装材」の「硬化温度」が迫っているのである。
「外装材プラスティック」にはこの「硬化温度」が存在することが「特性の欠点」でもある。
結局は「外装材のプラスティク」の「65度の使用限界値の硬化点」が「温度の限界値」と成る。
石油製品の「プラスティック類」は「軟化」の前にこの「硬化点」を全て持つ。
普通は鉱物は「軟化点」の後に「劣化点」(硬化点)を持つが、「プラスティック類」はこの逆の特性を持つ。大抵の「プラスティック類」はこの「硬化点」を65度付近で起こすが、この現象を少しでも耐えられる様にカーボンやシリコンを入れて「耐熱化」を施している。
あくまでもこれは「耐熱化」であって、「硬化点」を上げている訳ではない。
「硬化現象」を起こすとその「耐熱」に耐えられなく使用は制限される。
従って、使用限度を少しでも上げる為に「耐熱」にしただけである。
「4つの装置」の本論の問題外の「外装材」と云う点でも、「65℃」と云う「温度制限のポイント」があるのだ。
故に、「45%の安全限度の80度、60%の使用限度の100度」と云う事で論じる以前に、「外装材」と云うプラスティックに使用の制限が「65℃」で迫っているのである。
「リチウムイオン電池」の「イオン化の障害」と成る「金属類」を使えない事に因って引き起こす「制限温度」なのである。
この「外装材」が硬化して「テイクオフ−ランディング」の環境条件の繰り返しで「劣化」が起こり易く成り、その為に「外装」に亀裂が起これば、上記した様に「リチウムイオン電池」の密閉度は破壊して「発熱・過熱現象」と「熱による疲労現象」など、上記した「特質の欠陥」が堰を切らした様に発生して直に「バーニング」に至る。
この場合の「外装材」は、普通の「外装材」では無く、「リチウムイオン電池」の機能をも果す確固とした品質を維持する「一パーツ」なのである。
その「外装材」に「温度制限が80℃以下」のところで「65℃」として待ち構えていたのである。

この「熱疲労現象」は「鉱物の融点45%域〜60%域」で起る様に、リチウムは「80度」で無くても、もっと低い温度でも「繰り返しの回数」が満たせば「疲労破壊」が起る。
それも材質の特性値から「普通」に起こる。起こればその80℃の限度は低下してくるのだ。
何故ならば、「ヤング率4.9」で「弾性率が4.2」であるとすると、「熱疲労現象」に因る「疲労破壊」は最早、疑う余地は無い。
この数字の持つ意味は、鉱物では、”最大に起こり易い事”を意味する。この「外装材の65℃」が「使用限界温度の80度」を引き寄せて仕舞うのである。
何故ならば、「リチウムの45%−80℃」の「熱疲労現象」の前に「外装材の65℃」の「硬化による劣化点」が来て仕舞うのである。
従って、65℃で始まって80℃で重複した「熱疲労現象」は倍加して起こる事を意味する。
つまり、「内部と外部」から「リチウムイオン電池」を襲う事に成る。

 ・「疲労破壊現象」(低温疲労)
これで、この「疲労破壊現象」の論調は終わったと考えておられると思うが、ところが違うのである。
「航空機」ではこれでは済まないのである。

「熱疲労現象」は上記した「高温疲労」(45%域〜60%域)の他に「低温疲労」というものもあるのだ。
低温が何度も続くと、分子運動が低くなっているところに「繰り返しの変化」が起ると、結晶構造の結晶の境目に疲労の「−エネルギー」(−応力)が蓄積して破壊する事がある。
特に、「面心立方晶」であるので、結晶粒間に疲労が溜まりやすいのだ。
況して、上記した様に「マルテンサイトの稠密六方体心立方晶」とも成って仕舞えば、応力に対する弾力性(4.2)が極端に低下するので、「疲労の蓄積」は倍加して起こって仕舞う。
但し、この「低温疲労現象」はどんな鉱物にも起ると云う事ではない。

それには次ぎの「3つの要因」が伴う。
一つは鉱物の「特異な材質特性」(1)
二つは外的な「周囲低温レベル」(2)
三つは「温度の落差と速さ」(3)
以上の3つである。

とすると、真に、「リチウムイオン電池」の様な、上記の様な特質(1)の「比熱0.79J/g」の「最高の冷却剤」としても使われている金属である。見本の様な金属である。
その「航空機の周囲」は、次の様に成っている。
「−40℃ 0.2気圧」(A)
「上記の計算値123」(B)
地上22度とすると、
「落差は66℃、速さ155M/S」の(C)
以上ABCである。

この様に「低温疲労現象の条件」は揃っている。
この数字から「極寒の−応力」を持つ「航空機」は、鉱物資源の中で「最高の熱吸収力 7.9」を持つリチウムであるのであるから、この「落差は66℃」、「速さ155M/S」の「落差−速さ」では「低温の疲労応力」を確実に起こす事が判る。
これが1フライトで2度起こるとすると、6/日−年間2100回 リチウムの正式な「低温疲労限界値」が、環境条件による試験を行わなければどの程度かは判らないが、「リチウム」の様な「アルカリ金属」の「経験値」としても、又「ヤング率YP4.9 弾性率4.2」の強度から考えても、この程度の「ストレスの蓄積」で「低温疲労」が始まるその ”ギリギリのポイント”ではないかと予想される。
つまりは、”「低温疲労」は起こる”は、”起こる”のであって、”始まる”と論じている。

「既定の数値」に出ていないこの様な「特性値の把握」は、故に、上記する「環境条件下でのテスト」が絶対に必要なのである。
技術的には、
”「起こる」”は、疲労の「蓄積」の段階を云う。
”始まる”は「亀裂」(ショートクラック)の段階を云う。
「亀裂」は進行を意味するのだ。

・「高温と低温疲労」は、次ぎの「5つの過程」を踏む。
「破面工学」で観ると、この「5つの破面模様」が出ている。

第1段階  「蓄積」 繰り返す応力が蓄積する過程。
100%ウイークポイントに集まる。「結晶粒界」に集まるので結晶が押し潰される。
破面は、波に晒された砂地の様な模様を呈す。(ストレスパターン 集中紋跡)

第2段階  「基点」 「結晶粒界」の最も弱い部分に点の形で基点が出来る過程。
破面は、波模様が一箇所に集まっている。その集点に点模様が起こっている。その点の大きさで第1段階の大きさが判る。(ストレスレイザー 応力紋)

第3段階  「亀裂」 「基点」から力の掛かる方向に基点の連続紋が出来る過程。
破面は、基点から亀裂が爆発した様に、河口を上空から観た放射状模様に波模様が何段にも付いている。疲労の破壊回数分だけ波状紋が重複して出来る。(リバースパターン 扇状紋跡)

第4段階  「伝播」 爆発紋の「扇状紋跡」に急進的に破壊が進む過程。
破面は、急進度合いを示す様に「平行波状」の紋様を示す。(パラレルパターン 平行紋跡)

第5段階  「破壊」 材料が持つYPに対して破壊の力が勝り瞬間的に破断する過程 
破面は、その材料が持つ機械強度の程度を示す破壊の破断面を示し、破壊が起こる直前の擦り合いのある一定のツルツルしたフラットな平面を持ち、そこから三角の山形の形が出来る。
平面と山形が周囲に出来る状況で破壊模様と材質強度も判り「疲労の履歴」が判る。
(キャップアンドコーン 縁状紋跡)

上記の「破面工学」に因って、「高温と低温の疲労破壊」の判別、「応力」の判別、「モーメント」の判別等の状況の把握が出来る。
「欠陥の発生原因」と「発生箇所の特定」と「発生の経緯」と「発生時間の推定」と「発生のモーメント」と「発生にいたる強度の推定」等が判別する事が出来る。
「材質や応力や強度」に依っては、「5段階の過程」は第1とか第2とか起こってはいるが、観えない事もあり変化する。それを見抜くのは「経験識」に因る。

これも「物理系の技術者」としては、この様な事は、「物理特性値」を観た「経験値」から「常識範囲」である。「破面工学」は、”応用物理学の繊細な日本人の専門技術の研究領域”である。
故に、「環境条件下のテスト」は「日本が独断場」と成っていて、それが「日本発の製品」(良品質と寡占状態)を作り出す源に成っているのである。
ここで敢えて、「環境条件下のテスト」の「集大成の破面工学」の一部を紹介した。

さて、極めて疑問なのは「787」が「環境条件下テスト」をしない侭に、”原因不明として「熱」が出ても燃えない様にした”とする発表であった。
(この様に応えるしかなく専門知識が無いのは判るが、”「航空機」”である以上は「リチウムイオン電池」のこれだけ多くの「弱点の克服」に取り組み直すべである。)
上記する「熱」が出たら、「蓄熱の特性」からそれは、最早、”終わり”なのであって、「熱の負のスパイラル」が起こる。
「発火」が問題に成るのではないのだ。その前の「発熱・過熱」が「破壊の起点」なのである。

この「環境条件下テスト」をすれば原因が確認され、対策は少なくともは採る事が出来るのに、 ”しない”で発表したのは実に不思議である。何か”しない”の「裏の思惑」が働いていたな”と思う。

(その前に、日本の調査で、”「787」には専門家が居ない”とした事は判る。
実に”初歩的なレベル”である事が、”「熱」が出ても燃えないようにした”発言でで裏付けられる。
これだけの「リチウム特性の弱点」があるのに、この発言は理解しがたい事である。
”専門家が居ない”には、”専門的な事を提案したが、専門家が居ない為に却下された。”と云う意味が込められている。当然に上記に論じた様に、”「環境条件下テスト」の実行を提案した。”と云う事になろう。)

況して、上記した様に「疲労」に極めて弱い「マルテンサイト変態」を起こす材質を考えたら間違い無く「低温疲労破壊」が起る事は、物理系の技術者の専門家であれば直ぐに理解出来る。危険である。
筆者などは、上記の数値などは関係なく、この「マルテンサイト変態」の「ガチガチ−ぼろぼろ金属」で充分な事である。この「変態」に少しでも冷却が伴えば温度が下がっても元には戻らない。
否、元に戻らなくても「結晶の変態」でも同じ事で、「ガチガチ−ぼろぼろ金属」で ”低温、高温にしろ「疲労破壊」”は時間の問題である。

ただ無理に戻すには、ある温度である一定の長い時間掛けて戻すと、「ツルースタイト」と云う結晶構造に成って「安定化」してしまう。それでも更に無理に戻そうとすると、ある低い温度である一定の長い時間下で戻すと、「ソルバイト」と云う更に「安定化」した結晶構造に成る。
特段に戻す必要は無く、マルテンサイトが起こればそれで終わりである。
この「マルテンサイト化」したものを戻して、「安定化」したものを「逆の熱処理」で下手に戻すと、”結晶の境界に不純物が析出する”ので、結晶間が弱くなって「ヤング率YP」や「弾性率」は増すが、「疲労破壊の限界」はあまり変わらなくなる。戻しても駄目だと云う事に成る。
その前に、「コバルトのリチウム塩」にこの「高温と低温の変化」と、況して、「マルテンサイト化」は、「コバルト」を「リチウム」から分離させる為に、「リチウム塩」は「低温・高温」であろうと、「疲労破壊」を起る前に機能しなくなる。破壊する。上記の数式論の経緯を辿る。
「コバルト塩」で破壊しないようにしていたものが、この「コバルト」が「リチウム」から分離するからである。「リチウム」を護っていた「コバルト」が分離してしまうのであるから、「リチウム」は勿論の事、「リチウムイオン電池」は破壊する。
要するに、「疲労」が起こり始めると、「マルテンサイト化」が進み、既に破壊する前に「リチウムイオン電池」の「3つの機能」は破壊するの理屈なのである。

この為に、現在では他の「リチウム塩」が研究されているが、現在は未だ7割は「コバルト」である。
上記した「内側の弱点」の「疲労破壊」以外にも、もっと、困った強力な「内側の弱点」を持っているのだ。

続く。

>「常温窒化」の弱点


  [No.299] Re:787ジャンボ機に思う事(技術論)−4
     投稿者:福管理人   投稿日:2013/06/30(Sun) 07:26:08

> > > 787ジャンボ機に思う事(技術論)
>

>「常温窒化」の弱点
「リチウムイオン」には、他にも気に成る特性があるので念の為に披露して置く。
これは ”「航空機」ならではの影響する特性”となろう。
上記の「数々の特性」が原因して、”何かのトラブルが起った”とする前提での特性の影響である。
それは、乾いた空気中ではほとんど起こらないし、変化しないのだが、”水分や強い湿度がある”と「常温」でも、空気中の「窒素」と反応し「窒化リチウム (Li3N) 」と云う厄介なものを生ずるのだ。
「窒化による発熱現象」のこれも「内側の弱点」である。
「リチウムイオン電池」(充電−発電−蓄電)は、+極側に「リチウムのコバルト酸化物」を取り付けて、−極側の「グラファイト」に「リチウムイオン」を高分子の電解ゲルの中を飛ばすのだが、この+電極の「リチウムのコバルト酸化物」は、空気中の「窒素」と置き換わり「窒化リチウム」に変化するのだ。
一般の方は ”何だ この窒化物とは 難しい事云うな”と云われる気がする。
旅行する時には「787の航空機」に乗るのだから、我慢してお聴き願いたい。
さて、「リチウム」と「コバルト」と「酸素」と反応して、+極側の「リチウムのコバルト酸化物」になるのだが、ところがこの「リチウム」はそのままでは空気中では使えないのである。
従って、事前に酸化物にして安定させて使うのである。
鉄等と違ってそのま侭では、「空気中の酸素」に酸化されて真っ赤な炎を出して燃え尽きる。学校の化学実験で「炎色反応」と云う事で経験した事があると思う。(入学試験にNaは黄色、kは紫と出たあれである)
であるから、この鉱物の中では、この「3つの鉱物」(アルカリ金属類)は非常に「反応力」が強いのである。酸性の反対の「アルカリ性」を示す。空気中では殆どは酸化されるが、この「3つの鉱物」は敏感で「反応力」が強いのに、逆のアルカリ性を持つと云う曲者なのだ。真に曲者なのだ。
故に、鉱物中、”最も敏感な鉱物”とされるのだ。「リチウムの特性」で表示した「敏感な特性」を持っているのだ。この「リチウムイオン電池」はこの「敏感な特性」を利用して作った電池である。それだけに末尾の「常温劣化」でも論じるが、”極めて安定した環境下に管理維持して置かなくてはならない装置”であるのだ。

+の電極の「リチウムのコバルト酸化物」は、「アルカリ性」を持つものを、逆の酸化物塩で安定させて電極として使う。その為には、一般にはアルゴンの不活性ガスの中に存在させるのである。或いは、空気中と完全密閉するかで使用するのである。非常に「内外の環境条件」を極めて安定させた状態で使用しなければ、敏感なだけに上記で論じてきた様に「弱点」に成るのだ。
実際使うと成ると、そう云う訳にはいかないで、「環境条件」に左右される。それを何とか克服しようとしているのである。それが地上であるのならまだ何とかと云う事にもなるが、更に一段難解な「航空機」と云うものに挑戦していると云う事に成る。
この「リチウムイオン電池」は「高分子ゲル」を入れた「外壁密閉型」である。
それだけに、上記の様な「特質」で欠陥が発生して「密閉度」が低下すると、”常温でも窒化反応を起こす。”とある様に、+の電極の「リチウムのコバルト酸化物」に対して、何らかの欠陥で「密閉度」が低下した僅かな隙間から僅かに進入してきた「空気中の窒素」を捉えて、酸化物から元に戻そうとして、「反応力」が強い為に「還元反応」を起こすのである。
所謂、「窒素」と還元反応してしまうのである。これが「窒化反応」である。
つまり、「リチウムイオン電池」の中で、「酸化反応」と真逆の反対の「還元反応」を起こしていると云う厄介な電池である。
(窒素は、酸素と異なり自らの積極的な反応力を持たない。不活性のアルゴンと同じく窒素ガスの中に保存しておけば反応は起こらないとする「保存剤」としても使用される。)

それが、”「常温」(世界標準22℃)で起る”とあるが、上記に論じた様に、数々の「特質による欠陥」が発生した場合は、上記の様に、温度が「80℃−100℃」と成り得るから、「常温時の反応」どころではない。
「窒化」が起こった時には、最早、「爆発反応」である。
何も別に「80℃」までに成らなくても良いのだ。30℃や40℃でも充分な強い反応を起こすので良いのだ。通常正常な時に、上記の”弱点による欠陥”が秘かに発生している時に、見えないところでこの「窒化反応」が潜行している事に成るのだ。
30℃や40℃は、「リチウムイオン電池」が正常に「充電−発電−蓄電」過程で起る「反応熱」である。
「航空機」であれば、「−40℃ 0.2気圧」の「上空の環境下」ではこの「反応熱」も下がるが、ランディング過程では正常でもこの温度域に成るのだ。
「上空で環境条件による特質欠陥」が発生したとして、それが初期現象であったとしても、その為に「密閉度」が僅かに低下したとしても、”窒化による発熱と還元反応”が負荷される。
その事から30℃から40℃の正常な「反応熱1」に、この還元の「反応熱2」が加わり、温度は80℃近い温度まで到達する事は充分に考えられる。
この「2つの熱」(反応熱1+反応熱2)は「蓄熱特性」により連動して、更に連鎖反応的に連続して上昇するので、上記した80℃、100℃は充分に有り得る。
そうすると、”窒化によるトラブル”だけでは終わらず、「亀裂」が生じている事から、上記で論じた数々の「特性による欠陥」も連動して併発し、これに「リチウムイオン電池」の「充電−発電−蓄電」の「3つの能力」が破壊される結果、上記する「4つの装置」に関係する基盤関係も「充電−発電−蓄電」の「容量不足」などが起こり、上記で論じた数式論のプロセスが起こり、その容量を補おうとして回路に負荷が掛かり、「発熱・過熱の異常」を来して複合的に破壊に繋がる事になるのだ。

そもそも「ソフト基盤」関係には抵抗やコンデンサーやトランスやコイルコアーやRチップ等の「発熱体」が多く使われていて、「異常」を来すとバランスを取ろうとして「ジュールの法則」(発熱量の法則)によって必要以上に働き、その結果、回路にも「発熱・過熱」を有する特性を持っている事になるのだ。
これが「電気回路の癖」(特性)なのである。

因って、放置しておけば「融点180℃」に達しなくても「使用限界点の100℃」にも達し、火災と成り得て、周囲の耐火性の低い物質のプラスティク等は溶融して発火する。
(注意 ランディング中に787のトラブルが数件あった)

そこで、この「窒化」では、どの様な事が起るかを論じて観ると納得出来る筈である。
表面が窒化すると、「Li3N」の状態と成り、この結果、表面が硬くなり易い性質を持っていて、”外部の反応物とは遮断される。” つまり、安定化するのである。
当然に、安定化するのは良いのだが、この事が起ると金属表面が安定化する為に、金属の表面部位の「イオン化」も起こり難く成る。「イオン化」ではこの「窒化による安定化」は適さない事に成る。
つまり、「リチウムイオン電池」の効果は無く成る事が起ると云う事だ。
これは偶然に起ると云う事では無く、この特徴をわざわざ利用した金属の表面を強くする為に「窒化処理」と云う熱処理もある位である。
これには、この「窒化の特長」を使った「タフトライド」と「サイアナイド」と云う熱処理がある位である。
この表面部位の「窒化リチウム」と「表面硬化」と「安定化」で、電極としての特質が極端に低下するのである。
先ず、「窒化」が起こればアウトである。つまりは、その分”「充電−発電−蓄電」の「3つの能力」が低下する”と云う事だ。つまり、「リチウムイオン」が−側に向けて飛び難くなる事を意味する。
この「窒化」と「表面硬化」は、電気的に「イオン化」を阻害する現象である。
上記に論じた「リチウム」に関係する環境条件としては、上空に上がると「−40℃、0.2気圧」等に成るので、空地中から水分が放出されて「湿度」は”超レベルの低湿”に成る。
この事から上記に「リチウム」に直接に影響する環境条件としては掲げてはいないが、但し、「航空機」のある一局面では、この影響が起るのである。それは、「ランディング」する時に起る。
「−40℃、0.2気圧」の低湿状況が、「ランディング」により「155M/Sの速さ」で急激に常温常湿、又は高温高質に成る。

・「結露現象誘発」
そうなると、「温度22℃と1気圧」が戻ると、空気中の水分が、上空で冷やされていた周囲の部品との境界に温度差が起こり、一挙に「結露現象」と成って現れる事が起る。
そうすると、+側の電極がこの水分を吸収する事が起る。そして、この水分を吸収した電池内では上記した「デンドライト現象」も起こる。
上記の「ソフト基盤関係」にも「水分の結露現象」が発生し、水分通じてリークして破壊が直ちに起こる。
「リチウムイオン電池」が水分を吸収すれば、内部の電荷反応は低下する為に「充電−発電−蓄電」は低下させ、全電気回路が要求する絶対量との間にバランスが狂い「発熱・過熱現象」が続けて起こる。
この「結露現象」は、「デンドライト現象」が繋がって起こり、この「デンドライト現象」は最も恐ろしいものだと論じたが、それに勝るとも劣らずこの「窒化現象」は収拾は付かない事を起こす。
そこで、対策としては、「結露現象」の場合は全体を「空調」してシールドする以外に無いが、その空調の空気は上空では放出する事は出来ない。ランディング後のエンジン停止時にのみ可能と成る。
又、シールドすれば、「放熱」は困難と成る。「空調」の駆動源は如何するのか、エンジンからハードで取る以外に無く成る。(787はこれが出来ない。)
但し、この場合は、「4つの装置」に「密閉度」が低下すると云う前提であるが、”何らかの原因で”と成るが、上記に論じた「数々の欠陥」として論じた様に、全てがこの「密閉度」を低下させる要因に成る。
つまり、「結露現象」のこの前提は崩れやすい。前提が無いのと等しいのである。
何故ならば、上記の論じて来た数々の原因で、「特質による欠陥」が僅かにも起ったとしたら、「4つの装置」、特に「リチウムイオン電池」の「密閉度」が低下して、ここから僅かにも空気が入り、「テイクオフ−ランディング」を繰り返す事で、この「窒化」に因る現象の「劣化現象」が起る事にも成る。
当然に、この現象は上記で論じて来た全ての現象を助長して、上記の全ての現象からもたらす破壊へと結び付く事にも成るのだ。
かなり専門的に観て恐ろしい特質である。筆者などは考えなくても直ぐにこの事が頭に浮かぶ位である。「航空機」と云う限定したものから生まれる「恐怖の特質」と云える。

このリチウムに関する「恐怖の欠陥特質」を更に述べる。
最早、上記の事でリチウムには抜き差しならぬ事に成り易い事が判るが、これだけで「航空機」に取って「恐怖の欠陥特質」で充分と考えるが、次に敢えて”駄目押し”をする。

>「酸化による発熱現象と結露現象」
「リチウム」を熱すると燃焼して周囲の酸素と反応して酸化リチウム(Li2O) になる。
「酸化反応」は発熱現象を起こす事から、この「リチウム」の最大の「内側の弱点」の「発熱現象」に成るのである。
この為に上記した様に、「金属リチウム」は、”アルゴン雰囲気下”で取り扱う必要がある
或いは、「不活性のガス」か「ゲル」を雰囲気にして「密閉型」にする必要がある。
「リチウムイオン電池」の場合は、この「ゲル」を使っているし、密閉型にしている。この「ゲル」を通して「リチウムイオン」を飛ばして電気伝導をさせている。
「リチウム」は上記した様に、「180℃を融点」としているから、「充電−発電−蓄電」での発熱40℃〜50℃を越えない範囲では酸化は起こらないが、80℃の「45%の領域」では反応力が高まり僅かな酸化物での「熱」による「初期酸化」が始まる。
と云う事は、上記の「窒化」の時の様に「密閉度」が何らかの欠陥で低下したとすると、この”熱による酸化も同時に起る”と云う事に成る。
その為にも、先に酸化物にして、+側は「リチウム酸化物塩」(コバルト系)にしている。
ところが、この先に「コバルト酸化物塩」にしていても完全に安心という事では無いのである。
「充電−発電−蓄電」」(3つの機能)の機能で、「45℃から50℃付近」までは「自然発熱1」が起るが、鉱物は全てそうであるが、一度でもこの領域を超えると、次ぎからは「自然発熱1」の「45℃から50℃の限界点」は次第に少し上に押し上げる現象の特性を持っている。
所謂、「リチウムの特質」の「蓄熱現象」が働くのだ。
これは全ての鉱物に持つ「スパークーリング(過冷現象)」の影響で、上下の「過冷点」が変化する特性を持つ事から起こる。
「過」は規定のポイントより上側にスライドし、「冷」は規定のポイントより下側にスライドする現象である。
この「過冷現象」の「出現レベル」は、鉱物に依って異なるが、「リチウムの特質」で「蓄熱」とそれに伴う「熱劣化」に因って、フライト毎に上方に変化して行く為に、何時しか「80℃の初期限界」に達する事に成るのだ。
この事は、「充電サイクル回数」に因って起こる「リチウムイオン電池の寿命1」と、この「蓄熱劣化」の現象でも「寿命2」は低下するのである。
何も「リチウムイオン電池」の「寿命1」は、「充電サイクル回数」だけではないのだ。(・下記)
こうなれば、上記する”発熱による「負のスパイラルの現象」”が生まれる。
”今日も、明日も無事に飛んだが、明後日は無事と成らない”事に成るのだ。
「デンドライト現象」や「結露現象」や「窒化」や「マルテンサイト変態」や「高温疲労」や「低温疲労」等々、上記した論点は専門家ではなくては判断は出来ないだろう。
「窒化で発熱現象」(内側の弱点1)を起こすか、「酸化で発熱現象」(内側の弱点2)を起こすかはどちらが先に起るかは問題ではない。何れ起これば起る領域を別けて両方が起る事に成る。
この事は何を意味するかと云うと、”起こると終わり”と云う理屈に成る。
況して、「787」は、”原因不明”と云っている。
特定するだけの「専門知識」は無い事を意味するから、同時に、専門的にこの欠陥を事前に見抜けない事をも意味する。整備員では無理である。
だから、事前に「環境条件下テスト」をして、この問題を解決しておかなければ成らないのである。
だから、上記した「筆者の事例の経験談」の「発注先の依頼」と成ったのである。

>「過負荷・過充電・過温度」(3つの弱点)
この様に、「常用の領域」と「危険の領域」が非常に接近していて、背中合わせの状態で、その安全幅は全く無い装置なのである。
因って、「安全性確保」の為に、「ソフト基盤」のところで上記した様に、「充電−発電−蓄電」(3つの機能)を監視する「保護回路」が絶対不可欠に必要なのである。
「4つの装置」の相互関係を常時監視していなければ成り立たない「充電−発電−蓄電」」(3つの機能)の装置なのである。明らかに「根本の弱点」なのである。
この「根本の弱点」は絶対に回避出来ない「潜在的弱点」とも云える。
この「潜在的弱点」をカバーする為に「保護回路」と云う基盤で出来たものが必要としている。
これは、原理として「充電−発電−蓄電」時には電圧が上昇するが、この際に、上記した様に+極側と−極側が極めて強い「酸化状態」と「還元状態」に置かれる。
その為に他の低電圧の電池に比べて材料が不安定化しやすのである。
従って、”過度に充電する”と次ぎの事が起こる。

「+極側」では、電解液の酸化・結晶構造の破壊等により発熱する。
「−極側」では、グラファイトの周囲に過剰と成って浮遊した金属リチウムが析出する。

当然に、これは「−極側」の電池を急激に劣化させるだけでなく、最悪の場合は破裂・発火する。
従って、「リチウムイオン電池」の「充電」の祭には、極めて高い精度の「数十 mVのレベル」での「電圧制御」が必要である。この装置の電位は「3.5V〜4.0V」の電位を保つ。

「電圧制御」=「1%仕様」×「3.5V〜4.0V」

・「過充電」(「1%仕様」)
つまり、この電位に対して「1%で制御する保護回路」が必要なのだ。

これはかなり専門的な事ではあるのでどの位に「厳しい制御」であるかを検証する。
かなりシビャーで、上記に論じた数々の欠陥
「環境条件の特性変化の欠陥」
「航空機の持つ環境条件」
定常での「温度や湿度や熱の影響」
下記に論じる「内側の弱点1、2、3」

以上が加われば、到底、定常でも「1%仕様の変化」の維持は困難である事が言える。

この「制御システムの基盤」は上記した様に、この「1%仕様」と云う事で必要なのである。
この「1%仕様」は、環境条件が大きく変化する「航空機」では専門領域から観ても普通では無理である事が判る。
元々、専門的でなくてもどんな装置や製品でも「1%仕様」とは、その装置製品の普通の「エラー領域」である。統計的に見ても普通の「バイアス領域」の中にあり論理的にも無理である。
では、どの位かと云うと「統計学的には5%」が標準である。

因みに、先ず10と云う数字があるとすると、この10は数学的には、「見かけの寸法値」10と、「絶対値」10とで構成されている。(中学の数学で習っている)
「見かけの寸法値10」には「固有のエラー」と「固有のバイアス」が潜んでいてそれを10としている。
この2つを含んだ数字が「見かけの寸法値」である。何時も普通に使っている数字である。
俗に云えば、「通称10」なのである。多少、”混じりのある10”と云える。

ところが、これとは対照的に「絶対値10」と云うものがある。
この「固有のエラー」と「固有のバイアス」の2つを全く潜んでいない数字である。”完璧に信頼できる数字10”と云える。
10そのものである。「完全純粋な10」と云える。同じ10でもこの様に分けられる。
この様に、分けて置かないと、超精密器機の様な場合は、「見かけの寸法値」では「誤差」が多く重なって信用できない事に成る。
「数字の使い方」には、”「信用」しなくてもよい時、使用しなければ成らない時”の2つがある筈である。
”信用しなければ成らない時”の「統計学]では、この「二つの10」を使い分けるが、その一つの「絶対値」はこの様な場合は使わないことから、「見かけの寸法値」の「固有のエラー」と「固有のバイアス」の「加算値」(許容値)は、「部類別の偏差」としてでは異なるが、通常は「1−3%」が見込まれる。

「固有のエラー」+「固有のバイアス」=「見かけの寸法値」
「固有のエラー」+「固有のバイアス」=0=「絶対値」
「固有のエラー」+「固有のバイアス」=1% (4つの装置の電圧制御)
「固有のエラー」+「固有のバイアス」=1%〜3%=「統計の許容値」

つまり、”どんな物でも「純粋」と云いながらも、その中の構成には「1−3%程度」の許容する不純物を含んで「純粋」と云われる”と云う事なのである。
統計学ではこれを以上に分類する。

「許容する間違い」(アロアランスエラー)
「許容する幅」(アロアランスバイアス)
以上と云われるが、全ての数字に持っているので、比較する際にはこれを無視して比較する習慣と成っている。

「数学値」や「統計値」や「技術値」や「経験値」では、この「二つのアロアランス」も考えて比較して解析する。
そこで、当然に、この電位制御値の「1%仕様」は、「(mV)として1/1000の桁」で評価しているので、上記の10の0のところで評価していないので、この「2つのアロアランス」(1−3%)の中にある。
それも最も厳しい「1%のアロアランス」の数字で維持し管理しなければならない「保護値」なのである。
普通は「技術値」や「設計値」としては、この「2つのアロアランス」の中の数字は使わない。
殆ど、この「1%仕様」とは、「絶対値」に近い事を意味する。
筆者が経験した知っている「4Vの仕様値」はせいぜい「5%から8%弱」であった。
それは、「1/100000」まで「絶対値」(見掛けの寸法値は百万文の一の領域)として保証される世界で、10台と無い「世界一の計測器機」で、「超精密高能力のチャンバー」の中にあり、塵埃菌が完全に排除し、温度、湿度、気圧等のあらゆる環境条件を1/1000までコントロールした「コンピータ計測器・画像演算器機(振動やノイズや圧や電波等も一切排除)であった。
この”チャバーの中に入って”と云うよりは、”コンピーターの中に入った”と云う事の方が正しい計測器機でも、「2つのアロアランス」の中に無く、当初は「5%仕様」であった。

(その後、周囲の全ての電位電荷の事情や自然放電等の環境条件が整った事から、「3%仕様」に絞り安定に移行した。この超精密機器でも「3%」が限度である。「1%仕様」は到底に無理であった。理論外である。)

それより「4つの装置」は、”遥かにレベルの低い装置”でありながら、如何に”「4つの装置の管理値」が「1%仕様」と云うもの”がどれだけ厳しいものであるかが判る。
言い換えれば、この「リチウムイオン電池」等の「4つの装置」が、この「超精密高能力のチャンバー」の中に設置しておかなければ成らない事に成り得る。否、設置しても「3%」に対して「1%」なのだから、1/3で考えれば、それでもこのチャンバーの中でも、”遥かに無理”と言う結論に成る。
況してや、何度も云うが、「環境条件の変化」とその「変化量」(「落差は66℃、速さ155M/s」)では厳しい「航空機」である。
ところが、この「電位制御 1%仕様」を、この「リチウムイオン電池」等は「電位制御 1%仕様」で維持しないと欠陥が発生するのである。
この事から云える事は、「環境条件下テストでの対策」を施した上で、せめて、”「空調」を施さなくては成らない段階のものである”事が完全に云える。(空調しても1%は無理 4%−5%程度が限界)

上記した様に、”「リチウムイオン電池」は、「イオン」である限り物理学的に観ても、無理である。
先ずは、外部要因としては、「温度」と「振動」と「磁場」と「静電気」に弱い事、「湿度、気圧」も左右される事。”で論じたが、その影響も有りながら、それでも、それを「航空機」と云うもので、その電位では「電位制御 1%仕様」なのである。
「電位制御 1%仕様」は、そもそも ”装置を維持すべく「原理値」” であり、”変えられない数値”なのである。

どの面から観ても ”考えられない仕様の数値”である事が云える。
これに上記した「数々の内部要因」が加算してくるのである。
とするから、”「チャンバー」を使っての「環境条件下テストでの対策」を絶対に先ずは講じる必要がある事は誰でもが理解出来る事だと論じている。
(「原因不明で発火対策」だけに終わり、「環境条件下のテスト」はしないのである。)
それも「微妙な制御」と成るので、基盤も当然に「不安定な基盤」と成るのだ。
故に、上記に論じた様に、”「あらゆる環境条件下のテスト」”が必要と成る。
注意すべきは、この話は通常の時の反応時の「4つの装置」の ”「内的な問題」”である。
上記した環境条件下の ”「外的な問題」” では無いのである。
「自分の装置」の中から発する問題である。

この”通常時の電池の内側から発生する危険”が、次ぎの様な事で起こる。
イ 上記の様に、「環境条件の変化」での「特質欠陥(1)」が先ず起こり、
ロ それに誘発されて「密閉度低下」や「発熱・過熱現象」が起こり、
ハ 「湿度や温度への特質欠陥(2)」が重複して起こる事に成り、
ニ こうなれば、「環境条件の著しい変化」と、その変化も「超速度で起る航空機」である限り、スパイラル的に上記で論じた「全ての欠陥」が連鎖して起こる。

こうなれば、最早、「破裂・発火」どころの話では無く成るのである。
「リチウムイオン電池」の「発熱・過熱現象」は、「蓄熱特性」から連鎖を起こすのであるから、「破裂・発火」そのものが問題では無い事を何度も論じた。
一度「発熱・過熱現象」を起こせば、次第に連鎖に向かい何時か「破裂・発火」に成る事を意味する。

これは物理系の技術者の専門域の心配の問題では無く、普通の心配である事に留意する事である。
平地での自動車等ではなく、”環境条件が急激に幅広く繰り返し変化する「航空機」に使用する” ところに問題があるのだ。
この「電位制御 1%仕様」から発する「過充電」(「3つの弱点」:「過負荷」「過温度」)は ”「内側の弱点1」”である。

ところが、「リチウムイオン電池」は「二次電池」としての機能を有する為に、「内側の弱点1」(機能−過充電)だけでは終わらないのである。
「二次電池」とは、「乾電池」の事では無く、これは、「充電−発電−蓄電」の「優れ機能」(3つの機能)を有する事に由来しているので ”内側の弱点2」” は未だあるのだ。

・「過放電」(「内側の弱点2」)
それは、「充電 発電 蓄電」(3つの機能)の一つである「過放電(発電)」である。
これが、”「内側の弱点2」(機能−過放電)”に成る。
「過放電(発電)」では、+極側の「コバルト」が溶出したり、−極側の「集電体の銅」が溶出してしまい「二次電池」として機能しなくなる弱点である。この場合も、当然に電池の「異常発熱」に繋がる。

上記した様に、「リチウムイオン電池」の数々の「特質の欠陥」は、全て「発熱現象」を伴うと云う事なのだ。つまり、簡単に云えば、”熱に弱い(過温度の弱点)”と云う事なのだ。

この現象は、”何故起るかと”云うと、次ぎの様な事に成る。
「+極側」から「−極側」に「リチウムイオン」が飛ぶが、これに相当する量の電荷放電が起こってバランスをとりながら機能する。
ところが「+極側」から ”過剰にイオン放電する”と、相当量以外の余った「リチウムイオン」は「−極側」に引っ張られて、それに「グラファイトの芯の銅」が反応して溶けて「残余リチウムイオン」と結合して、これが「−極側」に付着する。
そうすると、「−極側」も「リチウムイオン」に覆われて「+極側」との間に材質的な差が無くなり、「放電機能」は低下して行き、終局、「放電機能」は無く成る。
この時、放電に限らず「充電−発電−蓄電」の「3つの機能」も同時に無く成る。
この「(3つの機能:放電)」が無く成ると、「放電の指令と要求」が基盤側から起ることから両極に無理が掛かりジュールの法則に従って「発熱」が起る事に成る。

後は、上記した「発熱・過熱現象」の数式論のプロセスに従うのみと成る。
ところが、この「発熱・過熱現象」だけは、”エネルギー密度が高い為に、” 今まで指摘した「発熱・過熱現象」とは異なり、短絡時には ”急激”に、「過熱する危険性」が大きいのだ。この”急激”が問題である。
一度「発熱・過熱」したら、最早、”急激”に起こり、そこに上記の様に「航空機の環境条件」が強く働き、急激に「超」が着く事に成る。

何れ「内側の弱点1」の「過充電」にしろ、「内側の弱点2」の「過放電(発電)」にしろ、電解質の「高分子ゲル」の沸点も「−40℃ 0.2気圧」では下がる事は確実で、平地での上記の現象(「過放電」)は上空ではより起こり易い事が云える。
その到達温度域は、「エネルギー密度が高い事」と「−40℃ 0.2気圧」の2つの条件から使用限界値「45%〜50%」の「100℃領域」に ”急激に確実に成る事が云える。

(その前に「プラスティックの防護枠」が「硬化による劣化」が起こり、亀裂が発生して、回帰が進入し次第にこの領域を超えて「軟化と溶融発火」へと進む。)

材料力学上、「リチウム材」は上記した様に、「融点180℃で、使用限界100℃で、安全限界80℃」で、その「80℃が初期限界」と成るが、これを覆っている「高分子ゲル」の「沸点」が「後期の環境条件」に依って1/2程度となると、それに伴って「リチウム材の使用限界」も、更に一次的に上空ではゲルに引き込まれて、この「2つの限界値」は相当下がる事が起こる。
予想では、最大では10%程度は考えられる。
「リチウム材」も「自然物の一物」であり、上記した様に、「アルカリ金属類」で「敏感な材質」であるので、理論的には最終は材質の「45%〜50%領域」に成る可能性があるが、鉱物には上昇と下降との間に「スーパークーリング現象」が起るので比例的には考え難い。
然し、”100℃は90℃、80℃は70℃”と云う事にも成る事が十分にも予想できる。
結局は、「ゲルの影響1」と「スパークーリングの影響2」と合わせれば、、”100℃は80℃、80℃は60℃”と成る。重要な確認点である。
そうすると、「内部の弱点2」が起こる事に因って次ぎの様に成る。

プラスティックの硬化温度65℃≒内部の低下する安全限界点」60℃

外部要因の「プラスティックの硬化点・劣化点」に、「内部要因の限界点」が一致してしまう事になるのだ。
故に、これを確認する為にもチャンバーによる「環境条件下テスト」を行わなくては成らないのである。
場合に因っては、上記した「比熱(0.79)」や「熱伝導率等」の「物理的特性」から観て、この世に存在する鉱物の中でも、”最大に環境条件に敏感な鉱物”である限り、この「過放電(発電)」の「内側の弱点2」は必ず起こるのである。

>「有機剤の電解発火」の危険
さらに、「有機剤の電解反応」に「衝撃のエネルギー」が吸収されて「揮発現象」を起こし、「発火事故」を起こす恐れがある。
現実に、自動車等では、既に欠陥問題として起こしているし、この装置を輸送中にも起こしている弱点である。世界の国連の輸送基準はこの為に基準も作っている。理論的にも納得出来る現象である。

つまり、「外力」(衝撃・振動)が加わる事で、電池内部では、、「外力」(衝撃・振動)がエネルギーに変化する為に、上記した「反応力」が高まり、時には「短絡現象」(リーク、ショート)までも発生する場合もある。
これには「衝撃に対する保護」(ショツクアブソーバーの設置)以外に対策は無く、絶対に必要である。
「衝撃・振動に弱い欠点」を持っている事である。

この前提は、「地上で発生する衝撃・振動の範囲」を前提としての弱点であり、問題が起こっている。
然し、「航空機」のランディング時にはこれに勝る「衝撃・振動1」が先ずある。
ところが、上記した「155M/S」の「急落差の衝撃」も「リチウムイオン電池」の「高分子有機ゲル」に与えるエネルギーも充分に「衝撃・振動2」以上と見なされる。

そもそも、「衝撃・振動」とは、そのものに負荷される「加速度的なエネルギー」を意味する。
因って、「衝撃・振動1」と「衝撃・振動2」は含まれる。
決して、物と物がぶつかる”「衝突」”だけを意味するものだけではない。

航空機の「衝撃・振動1」+「衝撃・振動2」の「エネルギー」は、地上で起こる「衝撃・振動」に”勝るとも劣らず”である。
検証してみると、次ぎの様に成る。
この「衝撃・振動のエネルギー」は、「質量」に比例し、「加速度」の2乗に比例する事から、「質量」では、「航空機/自動車」=350/2.5=140、
加速度では、「航空機/自動車」=325/15=22(速度比)
以上の概数の倍数が出る。
従って、どんなに少なく見積もっても、地上で起こる「衝撃・振動」の比では無い事が判る。
この概数の倍数から観れば、「衝撃・振動に対する保護」(ショツクアブソーバーの設置)は、「有機剤の電解」時の「リチウムイオン電池の弱点」の解消、のみならず、「装置、設備」としても絶対に必要である事が云える。

上記の「振動」のところでも論じたが、特に、仮に何れにもこの保護がなければ、この「膨大な衝撃のエネルギー」は、霧消しない。上記した「プラスティック類の保護材」に先ず吸収されて仕舞い、上記する「疲労破壊」が起こる事は必定である。
この「疲労破壊」が起これば、「亀裂:ミクロクラック」が起こり、上記した数々の欠陥が起こる。
その後の「4つの装置」に与える影響は上記に論じた通りに推して知るべしである。

>「保存特性」の弱点(「満」と「過」の弱点)
「保存特性」(保存状態での性能保持特性)は、「ニッケル水素電池」等より遥かに劣る。
「保存状態」が、”ある一定のシビャーな環境下”になければ「発火・崩壊」に至る。
その ”「安定レベル」” がどんな電池より悪いと云う事である。
上記した様に、”「電位」をある「1%仕様」内に保っておかなければ成らない” と論じた。
この一つ捉えても判る様に、「4つの装置の管理値」が、普通の感覚では考え難いものであるのだ。
今、「3つの内部弱点」(過負荷、過充電、過温度)を論じているが、「過充電」とは「3つの機能」(充電、発電、蓄電)の事で、この「3つの機能」が「満と過の状態」で維持保存すると、「欠陥」と成って「自然欠陥」に成って仕舞うと云う「厄介な特質」なのである。
この「自然欠陥」に、ある特定の「エネルギー」が加わると、「発熱・過熱現象」を呼び起こし、「発火・破壊」と云う異常事態に陥ると云う事である。
普通であるならば、”「過」は「自然欠陥」と成り得る”と云う事は、”過ぎたるは及ば然ざるが如し”で、この世の「自然の摂理・道理」である事は否めない。
然し、「満」はむしろ「自然の良策」として、人や物には「好ましい状態」として期待され、この「満の状態」を求める。極めて自然な事である。
ところが、この「満の状態」が、”好ましくない”としているのである。”好ましくない”だけで済むのであれば、”それはそれで良い”とされる。然し、”それはそれで良い”では済まないのだ。
「満の状態」に成ると、”自らが「自らの欠陥」を曝け出して、自らで「崩壊の道」に向かうという「恐ろしい特質」を持っている事なのだ。
普通なら ”「満の状態で保存」” としている事が良くて、”何もしていない保存の状態が”が一番悪いのだ。然し、この逆なのである。
これでは手の施し様がない。普通、使う前には、”エネルギーを満タンにして準備万端で”OKであろう。
では、”どうすれば良いのだ”と成る。”満タン”にしなければ良く、”使う時には満タンにする”
と成る。
然し、この時の「満タン」も「1%」以上超えたら、上記した様に、”「発熱・過熱現象」を呼び起こし、「発火・破壊」と云う異常事態に自らで陥る”と云う事なのだ。
これではとても”やっていられない”と成るだろう。
これは「満充電」としたが、「3つの機能」(発電(供給)、蓄電)の全てにも云える事である。
説明が複雑に成るので、此処では「満充電」として論じる。

そもそも、「満充電状態」(過充電含む)で保存すると、上記の「3つの機能の内側の弱点1、2」と共に「電池の劣化」は急激に進行する。
この為に、他の蓄電池で一般的な充電方法である”「トリクル充電」”は、「リチウムイオン電池」には適していないと云う事に成る。
この”「トリクル充電」”とは、「充電、発電、蓄電」の「3つの機能」に限らず、”充分に全てに施して置けば、後に起こる事も、「前の充分な状態」に引っ張られて次ぎに「良い状態」が起こる”と云う論理現象である。
「経済理論」にも良く使われるし、勿論、技術論、取り分け、「応用物理論」の分野でよく使われる「一般的な理論」である。世の中の原理原則はこの理に殆どが従っている云う事なのである。
然し、この「リチウムイオン電池」関係に関する上記した様な現象の多くは、この”「トリクル論」に従っていない”という「極めて希な自然物」であるのだ。

つまり、言い換えれば、「充電」はもとより ”「満と過」は良くない。弱点に成る”とすれば、”「3つの機能」は普通に扱えない”と云う事に成るのだ。
況して、上記した「蓄熱特性」、「常温劣化」、「マルテンサイト現象」、「デンドライト現象」・・・等があるとすると、「トリクル論」に依って普通に扱えないのであれば、再三論じている「環境条件下テスト」の必然性は普通の考えとして発想される筈である。

世の中は決して古来の歴史の例に見る様に、”「トリクル論」では無いから「環境条件下テスト」をしなくてはならない。”とする”古来からの「日本の概念」”である。
つまり、それは日本の「四季の環境変化」は「トリクル論」に従っていないからである。
「リチウムイオン電池」は、「トリクル論」に従っていない事位は専門家でなくても普通の技術者でも知っている筈である。
これは「経済学」でもあるのであるから、「工学系」であれば「トリクル論」は学んだ筈である。特に、外来思想に基づく論である限りに於いては、「787」は発想した筈である。
「リチウムイオン電池」は、少なくとも「乾電池」では無い事は、「技術者」で無くても知っていた筈であろう。
そうすると、「787」の再開時の発言、”「原因は不明 発火対策をした。”の発言と、”専門技術者はいない”の事実は到底理解出来ない。

・「発熱・過熱特性」
さて、この「トリクル論」に従っていない「リチウムイオン電池」の「3つの機能」の為には、又「高い発熱特性」を自ら持ち、これを安定に維持管理する為には、「制御回路と保護回路」が絶対に必須である事に成る。
その為に、”「1セルあたりの電圧」が高い”等の理由から、「乾電池の代替用途」(一次電池)には元々不向きである事が云える。つまり、「開放型」は向かないのである。
言い換えれば、この事は、元々、原理的に ”外的要因に左右され易い”と言う事だ。
では、この「外的要因」とは、”どの様な状態を指すのか”と云う事に成る。
「外的要因」とは、”環境変化が著しい状況”と云う事に成る。
「地上の環境」に於いての、”環境変化が著しい状況”を前提としているから、それより、”環境変化が著しい状況”にある「上空の環境」では、”普通では適合していない”の理屈に成る。
然し、”使ったのだ。”使う事には反対はしていない。
使う以上は、”上記の「数々の弱点」を克服せよ”と云う事なのだ。
それでこそ文明は進化する。技術は進化する。
それには、”「環境条件下テストをせよ” と論じている。”「日本の概念」で克服せよ”である。

この”「1セルあたりの電圧」が高い”を理由にして論理的に考えると、”「上空の環境」では不適合”と成る。
それをカバーする為に、「制御回路と保護回路」を設けて、安定させる「維持管理システム」が必要と成ることを意味する。
この「不適合の環境」で使う以上、それが厳しいことから、上記で論じた様に、考えられない様な ”「電位制御 1%仕様」”と云う事に成っているのだ。

”「1セルあたりの電圧」が高い”→”「上空環境では不適合」”→「制御回路と保護回路」→「電位制御 1%制御」

「不適合 1」 ”「トリクル論」”、つまり、「一般的な充電方法」である”「トリクル充電」”は「リチウムイオン電池」には適していない”
「不適合 2] ”「1セルあたりの電圧」が高い”等の理由から、”「乾電池の代替用途」(一次電池)には元々不向きである。”、”「開放型」、「外的要因」に左右され易い”

この「不適合 1と2」を克服する為に、上の対策と成ったのであるから、地上でもこの対策が必要なのに、「上空の環境条件」を同じとして使う以上は、”「上空の環境条件」との違いの「対策」” を「満と過の弱点」でも講ずる必要がある事になろう。

この「内側の自然の弱点」は、「充電、発電、蓄電」の「3つの機能」が働いていない「安定で標準状態」の時に、「満の状態」で起こるのであるから、
A 動作時→ ”「電位制御  1%仕様」”
B 停止時→ ”「電位制御 −10%仕様」
以上の2段階で管理しなくては成らない事に成る。

当然に、動作時の ”「電位制御 1%仕様」”が、「3つの弱点」(過負荷、過充電、過温度)に因って狂った場合にも、この ”「満と過」の「保存特性の弱点」”が重複して露出する事に成る。

恐らくは、これは ”「充電器の形」(開放型と密閉型)の如何”は、勿論の事で、”「充電・発電・蓄電」の「3つの機能」の有無どころの話では無い事に成る”と云う事なのだ。
「リチウムイオン電池」、或いは。、「充電器」は、上記した様に、「+極側」に「リチウム酸化物塩」を結び、「−極側」に結び、その間を「リチウムイオン」が跳びかう原理で「充電・発電・蓄電」する仕組みである。
「密閉型非電解液方式」である。EV車ではない普通の「自動車のバッテリー」と異なる。
この仕組みからすると、「満と過の弱点」は、”「充電・発電・蓄電」の「3つの能力」が低下する”と云う問題の以前の問題である。
上記で論じた様に、「上空の環境条件」の如何に関わらず、「常温40℃以下」の温度付近で「仕組み全体」が、「満と過の弱点」で、突然に ”自ら破壊する事”を意味するのである。

では、この「満と過の弱点」と「80℃−100℃」という温度までとには、”どの程度の関係があるのか”と云う疑問であるが、これを検証して見る。
鉱物では「80℃−100℃」は、普通に「熱」が出れば起る温度で、専門的に見ても珍しい温度ではない。鉱物では次ぎの様な基準の範囲と成っている事を上記した。

−「非通電時」  (標準温度)
−「自然放熱」  (40℃以下)
−「空冷FAN」  (40℃全域)
−「空調」     (50℃超)
−「発熱分離」  (65℃域)
−「設計変更」  (80℃域 安全限度 融点45%)
−「仕様限度」  (100℃域 使用限度 融点60%)

通常は上記で対策を変える。これは鉱物で構成されている「ソフト基盤」でも使える基準でもある。
上記で論じた様に、この「技術的な基準温度」は、普通の事として読者も感じ取られる温度と思われる。

「3つの機能」に対するこの「満と過の弱点」は、通電時(電荷時)では無い時に起こる現象(標準温度)であるから、この時、仮に「22℃±5℃」であろうとすると、「満と過の弱点」にて上昇する温度は「40℃全域」に成る事から、この「鉱物の基準」の範囲を2段階超えている。
満と過の弱点は起こり「発熱・過熱」に走る。

電荷時に、「発電(供給)」の「満と過の弱点」では、「電圧制御 1%仕様」を管理する事で起こる温度「自然放熱」域と、且つ、「満と過の弱点」による上昇温度が「空冷FAN」域と成る事から、「周囲の環境条件」が「地上と上空の温度差」が左右するので、どちらの解決策の方に傾くかで決まる事に成る。

A「電位制御 1%仕様」<「自然放熱 パーツ発熱 40℃」→ 「満と過の弱点」は「発熱・過熱」に走る。
B「電位制御 1%仕様」>「自然放熱 パーツ発熱 40℃」→ 「満と過の弱点」は起こらない事に成る。

論理的には上記のように成る。
但し、「電位制御 1%仕様」は、上記で論じた様に、「許容3%−5%」より遥かに下限域であり、普通の管理では難しい事と成る事から、「Aパターン」に傾く事は確実である。
少なくとも「パーツ発熱 40℃」を遥かに超える事が判る。
何もしなければ「発熱分離−使用限度」までは達して、「発熱・過熱現象」から「発火 破壊」と成る。
要するに、どの論点から観ても、”極めて「熱」に弱い”と云う事であり、「プラスティック材の保護枠」の「硬化温度65℃」が「実質限度」と成ろう。
「地上と上空の環境変化」から観て、「65℃」は何も不思議な温度、無理な温度ではない。
そうすると、上記で論じた「電位制御 1%仕様」が「大きな鍵」を握っている事に成る。
「電位制御 1%仕様」を達成させようとすると、上記の対策基準の「空調 (50℃超)」を実行しなければならない事に成る。
そして、何もしなければ、この鍵となる「電圧制御 1%仕様」が、次ぎの事で安定した確保は不可能である。
(”原因不明 発火しない対策をした”とする発言から、”「空調 (50℃超)」”対策はなされていない事を意味する。)

「統計学の管理限界値 3%−5%」を遥かに超えている事、
「上空の過酷な環境条件」に成る事
「航空機の環境変化量」が大きすぎる事
以上3つが完全な障害と成る。

そもそも、「充電」し過ぎると、上記した様に、「−極側」に「リチウムイオン」が過剰と成る。
先ず、次ぎの様な経緯と成る。
1 「−極」のグラファィトに引っ張られて付着する。
2 「両極」の電位差・電荷差が無く成る。
3 「酸化・還元」の反応の差異が無く成る
4 「充電・発電・蓄電」の能力が低下を招く
5 「発熱・過熱現象」が起こる
6 「グラファィト」に亀裂が発生する
7 「リークとショ−ト」が起こる。(芯に成っている銅との間)
8 「発火−破壊」が起こる
以上の8経緯と成る。

この「発火−破壊」のプロセスは、「内側の弱点」は全て同じと成る。

「満と過の弱点」を防ごうとすると、「電位電荷」を極力低く抑えている状況から、急激に「航空機」が駆動するとすると、「回路の要求量」と「発電(供給)」とに始動時にアンバランスが一時的に起こす。
この事が ”「電位制御 1%仕様」の制御”であれば、確実に起こる。
この時、、「回路の要求量」>「発電(供給)」でバランスが狂う為に「発熱・過熱現象」が一時的に起こる。
”その後に「1%仕様」で管理された”とすると、一時、「発熱・過熱現象」は停止する事に成るだろう。
然し、この時の状況で「パーツ 40℃」は確実に超えている。(「蓄熱特性」に注意)

そうすると、次ぎの問題はプラスティック保護材の硬化温度の65℃である。
此処に達しているかどうかの問題である。
「787事故写真」から見る限り充分に達していると観られる。
そして、このプロセスは航空機としては、繰り返される事に成る。
一時的に起こった「発熱・過熱」は、「蓄熱特性」で次第に上昇する事に成る。
何れにしても65℃には成る事は早晩確実である。
何故ならば、「プラスティック防護枠」の「硬化」を含む「劣化」は、更に「劣化」を連鎖的に継続して呼び寄せるからだ。(「常温劣化特性」もある)
何時か「プラスティック」の「65℃硬化」で「亀裂」が生まれ、これが「疲労破壊」に繋がり、外気の進入を招き、「充電 発電 蓄電」の「3つの機能」は低下して「バーニング」に発展する。

そもそも、スタート前には「満の状態」にして置くのが普通の作業であるのに、その逆の事の「放電」をしなくては成らないのである。
フライトでは少なくとも「電圧制御 1%仕様」で管理されているのであるから、フライト中の「充電機能」が働き「満か過の状態」である。
とすると、エンジンストップの後は、”放電にしない”と「満と過の弱点」の状態を維持する事に成るから、上記する「数々の弱点の現象」が引き起こされる事に成る。
この「満」は次ぎの問題をも引き起こすのである。

>「リチウムイオン電池」の「寿命の問題」
ところが、ここで「悪い条件」が伴うのである。
それは「リチウムイオン電池」の「寿命の問題」が絡む事に成る。
「リチウムイオン電池」のその寿命は、上記の「満と放電の回数」に因って起こる。
つまり、「充電回数」である。
ある一定量「放電」すると、次ぎ「満」の「充電」までの間を1サイクルとすると、そのサイクルの限界は次ぎの様に成る。
そのサイクルが理論上、「最大で500サイクル 最低で300サイクル」である。

この寿命に近づくと、「リチウムイオン」の「+極側」から「−極側」まで「イオンの放出」が低下する事に成る。
つまり、「充電 発電 蓄電」の「3つの機能」は激減して無く成ることに成る。
つまり、上記した様に、「還元反応>酸化反応」の間の差がなくなる事を意味する。
その差が回路の「要求量」に対して、「供給量」が無く成って「電位電荷」は必要とする量を補えなく成る。
次第に低下始めて限度に達する。

「500回サイクル」の限度近くに成ると、「満」と「放電」の間隔が狭くなり、エンジン停止中の「満の状態」は低く成り、「放電」を必要としない「満の限界レベル」に達して、次ぎのエンジンスタートの時には、「回路要求量>供給量の」状態が一時的に起こる。
この時、上記で論じた様に、「発熱・過熱現象」が起こるが、再び「満」の「電圧制御 1%仕様」で維持管理され、エンジン停止までこの現象が繰り返される様に成るのだ。
然し、この時、「蓄熱・蓄応力」が起こり、「発熱・過熱現象」が短期間で繰り返されるので、その度に劣化(硬化)が起こる。
この「硬化」(「劣化」)の繰り返しが起こる為に、「回路要求量>供給量」の関係は、「鉱物の特性」上、益々、”連続的に継続的に相乗的に低下傾向”と成り、何時か”アラームと発火”と成る。
”一度、起こっても次には消える”と云う事では無く、「蓄劣化」が相乗的に繰り返される鉱物の特質を持っている。「応力疲労」と呼ばれる現象が起こるのだ。
「リチウム」の場合は、「YP4.9弾性率4.2」であるので、鉱物の中では最大に相当な速さで進むのだ。
上記の破面工学の「1の段階」から一挙に「5の段階」(キャップアンドコーン)に成る。

(第2から第4の段階は起こるが、その変化が速いことから破面に出難いが、やや破面の色合いがグレーになる傾向にある。)

つまり、物理技術者が最も恐れる”「急進疲労破壊」”と呼ばれ大変恐ろしい現象が起こるのだ。
「リチウムイオン電池」の様に、”品質特性が厳しく弱点の多いもの”には、この「寿命」を待たずして思いがけないところで起こる現象である。
「寿命」は「寿命」として、”単純に起こる”と云う事では無い事を意味するのだ。
「寿命」が起こる前に、この「リチウム」には、”ある特別な特性を顕著に持っている。”のだ。

「最小300サイクル」か「最大500サイクル」を待たずして、マニアルに交換時期を明記しても
この「特別な特性現象」が起これば、突然に上記した様に、「密閉性」が低下して「発火・破壊」が起こるのだ。
「事故写真」からこの現象も起こっている可能性も充分に考えられる。

これは「リチウムイオン電池」に限らず、”製品や金属の寿命末期付近に起こる現象”なのである。
この”「末期現象」”と通称呼ばれるものには、幾つかのパターがあるが、「急進疲労破壊」もその一つなのである。
寿命の末端には、比例的に突然に寿命が終るのではなく、その終る手前10%−15%程度頃から放物線を描く様に、急激に低下する現象をこの「リチウムの特性」として持っている。
そして、その時、「急進疲労破壊」が起こるのだ。
従って、本当の「寿命ポイント」は、実質は10%程度手前にあるのだ。最大で450サイクルと成る。

この様な「保存特性の弱点」等を持つ様な事から、「材料特性」で見分けられるが、「リチウムイオン電池」には「材料特性」から観て避けられない現象でなのである。

  ・「保存特性の弱点」は次ぎの「2つの弱点」を露呈する事に成る。
「3つの機能」に対して
  ・「満と過の現象」→「発熱と過熱」→「発火・破壊」
「サイクル寿命」に対して
  ・「末期特性」→「蓄熱・蓄応力」→「急進破壊」→「発熱と過熱」→「発火・破壊」 

この「保存特性の弱点」では、上記「2つの弱点」の露呈は、前者で起こるか、後者で起こるか、はたまた、同時に並行して起こるかは、”「満と過」のレベルの大小に因る”と考えられる。

筆者は、リチウムの「YP等」と「航空機特性」と「環境条件」から観て、”「同時併発」に成る”可能性が高いと観ている。

(寿命の検証論は未だ続く)
続く。

「磁場」(常磁体)


  [No.300] Re:787ジャンボ機に思う事(技術論)−5
     投稿者:福管理人   投稿日:2013/07/02(Tue) 15:45:42

> > > > 787ジャンボ機に思う事(技術論)


>「磁場」(常磁体)
リチウムは上記した様に「常磁体」である。依って「リチウムイオン」は電位を持っている。
当然に地球上にあるものは「電位」を持っている。従って、「地球の引力」に引っ張られて宇宙に飛んで行かない。地球を「−体」で、その上の物質は「+体」と成る。電位で引き付けられている。
地球は、「1570K/Hの高速」で回転している。ほぼ「音速マッハ1強」で回転している。
この回転に振り回されて宇宙に飛んでいかない程度に「地球の引力」(±)に引っ張られているのであるが、この「引力」は「地球の磁力」に依って構成されている。
従って、地球上に存在する全てのものとの間には「磁場・磁界」が働く。
当然に、空に飛び立つ「航空機」は、この「引力・磁場・磁界」に逆らって飛び上がる事に成るので、本体にはそれに相当する電位が急激に発生する。
簡単に云うと、地球上に存在する全ての物体は、地球から離れている距離だけの電位を持つ事になり、地球の上に立つ人間は、凡そその背の高さの電位が、「脳幹の部位」に負荷する電位を持つのである。故に、「脳神経」の「シナプス」はNaイオンのアルカリ性の液の中を電子が飛ぶのである。
そもそも人間の体内はこの「電気回路の原理」で動いているのだ。それは全て「±の電位反応」に従っている。
当然にも「航空機」にも地上から離れる程度に電位を持ち、当然に上空10KMに相当するところで、その物質に比例して「電位」を持ち、「電位」がある事は大小如何に問わず「磁力・磁場・磁界」を持つ。
航空機本体には「相当な電位」を持つことから、「イオン」はこの電位に影響を受ける。
そもそも、地球は北極と南極を電極として、この間に地軸が発生する。この地軸に沿って地軸に平行に「磁波線」が両極に起る。この「磁波線の束」が地球全体の周囲360度をこの「線束」で覆われている。
当然に、この「磁場線」に逆らって上空に上がれば、それに相当する「逆の電位」が発生して「磁力線」を持つ事に成る。
この時に、上空にある「イオン状態」のものは、従って、上空に上がると、地上にある時に比べて「イオンの活動」は高くなり、それに相当する「熱」が発生する。
この必要以上の「熱」は、「充電量」に対して「抵抗要素」と成る。
これは上記の「温度や振動」等とも連動する要素である。
(ただ上空の温度−40℃に何らかの影響を受けるとすると磁場を持つ事で別原理が働く)
何れにしても「イオン」は、「温度や湿度や振動や磁場」の主に「4つの環境条件」に依って影響を受けるが、上記した様に、その”「イオン」に与える影響”は、「何れも危険なもの」である事が判る。
そもそも、「イオン」は「+イオン」と「−イオン」があるが、そこに「強い磁場」(常磁体)が存在すると、「電位」の持った「イオン」は、「磁場も電位」を持っているので夫々の極側に引っ張られる。
この+極側の「リチウム酸化塩」には、「還元反応」>「酸化反応」に因ってイオンを発生させるが、このイオンが”自ら持つ磁場の影響を受ける”事に成る訳であるから、極性を間違えると相殺して「イオン発生量」は低下する。(+極タイプとー極タイプがあるが、「リチウムイオン電池」は「常磁性」を持つので+極タイプに成る。)
因って、「リチウムイオン電池」の場合には、自らの「磁場の力」を利用して、極性を「+極側」にセットする事に成る。
そうすると、先ず、自らの力で「還元反応」>「酸化反応」で、「−極側」との間で自らの持つ「電位電荷」に見合った「相対量」を発電するが、次ぎに、この「常磁体の磁場」は、更に「磁場の力」で「イオン発生」を相対量以上に活発化させる。
この事で、”「相対量以上の電荷量」”が生まれ、この「相対量以上の電荷量」が「蓄電」と成り、「相対量」を生み出す「発電−供給」以外に、「電荷量」は「充電」と成って「電位」を補充する事に成る。
そうしないと、このリチウムの「充電 発電 蓄電」の「3つの機能」は生まれない。

そこで問題に成るのは、次ぎの「3つの条件」を考慮すると次ぎのように成る。
(A) リチウムイオンの相対量の発電量分  発生量には最大は500サイクルの寿命を持っている。
(B) 常磁体の磁場に因る蓄電の電荷量分 常磁体の磁性力にも寿命(ライフ)は起こる。
(C) 上空と地球間で発生する電位変化分 上二つに与える低下影響分が発生する。

(A)は、「標準状態」であり、その寿命は判るが、「上空の環境条件下」では「標準状態」よりは明らかに良くない。従って、「最小300サイクルと最大500サイクル」は共に低下する。
(航空機の回路から要求される電気量に因っても変わるが、此処では不問とする。)
これに(C)が影響して、更に「最小−最大」の「2つの寿命」は低下する。

(A X%)−(C)=「300 500」× (Y%)
[(A)−(C)]×(B Z%)=「実質の寿命」

(A X%)は、「常温劣化」で「自然低下」が起こる。末期低下(U%)
(B Z%)は、「自然低下」と共に(C)の影響で低下はより進む。
(C Y%)は、電位変化はそのフライトの状況の「時間と回数」に影響する。

 ・「実質の寿命」の検証
この「(A:X%)(B:Z%)(C:Y%)の影響の低下分」は、「最小300サイクル−最大500サイクル」を下げる事に成る。
その程度はどの程度か、(X%+Y%+Z%)は、上記する「環境条件下テスト」をしなければ不明なので、解らないが、恐らくは、「学説論の数字」として、「最小300サイクル」と「最大500サイクル」の差があると云う事は、「サイクル差=200サイクル」が「標準状態」でも「30%の差」が起こる事を意味している。
とすると、その「標準状態」よりより厳しい環境条件下では、「サイクルの低下分量」は30%超である事が云える。
此処では、「30%」として観ると、「最小210サイクル−最大350サイクル」と読み込める。
従って、これに「航空機」での「低下影響分(X%)=50サイクル」を考慮すると、「30%超以上」から、最大300サイクル」と見積もられる。
(実際は300サイクルを切っている可能性が高いと観られる)

ここで「危険と成る問題」は、「最大300サイクル時の直前の問題」である。

「保存特性の弱点」の「2つの弱点」(「満の弱点」、「末期現象の弱点」)で論じた様に、この世の自然物に全て起こる「末期現象」(結晶や細胞を有するものは寿命の手前に「急進性劣化」が起こる法則)の怖さから、「300サイクル時の直前」時に、この「危険な弱点」に思いがけなく襲われると云う事に成る。この分の低下分量も読み込まなくてはならない。
従って、此処では、「最大300サイクル」と算定したが、そうすると「最小160サイクル」であるとすると、これより更に下がる事に成る。
問題は、どれを「交換期」とするかに因って「対処の仕方」は大きく異なる。
「最大300サイクル」を「交換期」と定めたとすると、「最小160サイクル」以下で「実際の寿命」が来るのだから、これでは”事故に繋がる事に成り得る危険性”を極めて秘めている事に成る。
況して、学説論の「標準500サイクル」を交換期と定めた場合から判断すれば完全に事故に成る。

特に、更に、この「満の弱点」+「末期現象 (U%=10〜15%)(急進性破壊)」を捉えたとすると、「最小140サイクル程度」と成り、この時には、既に「破壊現象」が潜行して始まっている事に成る。

標準状態の「最小300サイクル」で交換期と定めていた場合は、使い出してから50%(1/2)ポイントで
標準状態の「最大500サイクル」で交換期と定めていた場合は、使い出してから25%(1/4)ポイントで
検証値では「最大300サイクル」で交換機と定めていた場合は、使い出してから45% ポイントで
検証値では「最小160サイクル」で交換期と定めていた場合は、使い出してから80% ポイントで
末期現象で「最小140サイクル」で交換期と定めていた場合は、使い出してから(U%≒10〜15%)で

「充電 発電 蓄電」≠「1%仕様」→「回路要求量>供給量」→「発熱・過熱」→「発火・破壊」

以上の・「破壊プロセス式」の問題を起こし始める事に成る。

「リチウムイオン電池」では、その特性から考えて、この「5つの交換期」が考えられる。
「最大500サイクル」では、物理計技術者以外は、到底、「破壊原因」の「発想」には至らない事に成るだろう。然し、この寿命の検証から観て、少なくとも、”「破壊」が起こり進行している可能性”が極めて高い事が云えるのだ。
その点では、「フライト距離」の短い事は、その「充電回数サイクル」が多く成り、欠陥が露出して来る危険度は増す事に成る。その「フライト距離」として見れば「国内便」となる事が論理的に考えられる。
その点で末尾に示す「欠陥のトラブル」が、「国内便」に集中している事はそれを物語るものである。
むしろ、「長距離便」の「海外便」は、「満と過の現象」や「蓄熱」等の特性(内部の弱点特性)から観て、「寿命の点」では”好ましい事”が逆に云える事に成る。
(海外に多い「特定環境条件」に影響の受け易い「マルテンサイト現象」や「デンドライト現象」や「静電気現象」や「外部ノイズ現象」は逆に起こりやい易い事に成る。)
上記した数々の「リチウムイオン電池の弱点」から観ても、「海外便」は、長く一定の状態で保っている事から考えると、下記に論じるが、”好ましいフライトパターン”と云える。(静電気等は別)

(だから「環境条件下テスト」で幾つかの「フライトパターン」に対して、現実に何処が現実的なポイントと成るかのデータの把握が必要であるのだ。)

何故ならば、そもそも全ての鉱物の「寿命サイクル」は上記した様に、「微分係数の比例直線」で寿命には至らないのだ。
「緩い積分係数を持つ放物線」のSパターの「下降曲線」で寿命に至るのだ。
これは上記した様に、「細胞や結晶を有する物質の自然の法則」である。この「リチウムイオン電池」も例外ではない。
寿命末端までの少し手前(85%ポイント)からはこの「下降曲線」を示すからである。
この「下降曲線」の開始点(変曲点)からは、上記の”「末期現象」(急進性破壊)のポイント”でもあるので、この時には、既に、「回路要求量」>「リチウムイオンの発電供給量」の現象が次第に起こっている筈である。直線では無く放物線である為に、「回路要求量」に見合うだけの「発電量」は低下していてバランスは取れていない筈なのであり、当然に、「電位制御 1%仕様」も到底無理な状況に成っている。
そうすると、何が起こるかである。上記した様に、つまり、「下降曲線の領域」からは「発熱・過熱現象」が起こり始めて居て、「劣化の蓄積と蓄熱」が続き、何時しか「発火・破壊の現象」が「寿命点」に入る前に突然に襲う事に成る。
この「下降線の始点」(末期現象ポイント)即ち、「急進性破壊のポイント領域」から末端までは、当然に「1%仕様」は保たれていない事に成る。
「1%仕様」が保たれなければ「発熱・過熱現象」へと陥ることに成る。

 ・「破壊プロセス式」
「充電 発電 蓄電」≠「1%仕様」→「回路要求量>供給量」→「発熱・過熱」→「発火・破壊」
以上のプロセスは進む事に成る。

つまり危険な事は、整備関係者がこの「比例直線の考え方」で、”「寿命点」まで「3つの機能」が正常な状態で働いている”と思い込んでいると大変な事に成る。
この「5つの寿命ポイント」のどれを「交換期」と定めているかによって、「上記のプロセス」の発生はより危険度を増す事に成る。
(「4つの装置」が「個別発注」である事でもあり、況して、初めての事であるのでこの寿命についての「専門的な知識」は「米国787企業」にはないと考えられる。)

続けて発生している「十数件の事故」の内容を考察すると、この”「思いがけない弱点の現象」にも襲われた”と考えられなくも無い。
”未だ、寿命範囲だ”としていたが、”実態は300サイクルを切っていた”事による事故も含んでいる様子である。

上記の事も含めて、どの様に検証しても、これ等の予想出来る「環境条条件下テスト」をチャンバーの中で再現して「データ把握と対策」が必要である。
故に、日本ではこの「環境条件下テスト」を行うのである。それはあくまでも単体は兎も角も ”ユニットによるテストの必要性”を主張している。
参考に、日本では、スポーツ界でも、「環境条件とスポーツ」の研究の為に、この「チャンバー」が使われている状況でもある。

・「環境条件下テストの概容」
そこで、では、”どの様なテストをするか”ではある。一応概容を述べる。
これを解決する為に、その「4つの装置」とそれに使われている「電気回路」の「プリント基板」「ソフト基盤」を「特殊な装置(チャンバー)」にそっくり入れて、”起こり得る地球上のあらゆる環境条件”に対して、先ずは、”設計上で設定した仕様”に、”どのような事が起るか” を先ずテストする。
予想もしない様なかなりの問題が「質と量の点」で起こる。
特に「航空機」となると、その「環境条件の変化する範囲」が特に広く、それも考えられない普通ではない「速さ」で「急激」な変化を起す。
その「変異量」をここでは、「155M/S」程度と定める。
先ず、この事は事前に設計予測する事は不可能であるので、このテストの基準で再現してデータを取得する事に成る。そして、対策を講ずる事に成る。
そのテストの大まかな内容を次ぎに述べる。
これは先ず、”夫々の基盤単体に、どのような事が起こるか”で行う。
そして、次ぎに、この「環境条件」(下記例)に対して、夫々の環境のある一定の「過酷条件」(上記 地球上で起こっている条件の10%加算値 :プレッシャーテスト)を加えて行う。
これに対しても耐えられるか単体で行いながら悪い所を直して行く。

 ・環境条件類
(「温度」と「湿度」と「気圧」と「風」と「静電気」と「速さ」と「振動」と「磁場」と「空気清浄度」)等
 ・電気条件類
(電圧電流、電源ノイズ、外部ノイズ)等
 ・部品条件類
(部品の特性)等 「リチウムイオン電池」に弱点を持つ

上記の様な「数種の環境条件の組み合わせ」の「マトリクスチャート」を作成する事で行う。
中には、特別にその使用目的に依っては、「化学性等」を加味する事もある。
この場合は、「温度と湿度」がベースに成る。
何故ならば、後の項目類はこの2つ(温度と湿度)をベースに大きく左右され、顕著に表れる事が物理的に判断できるし、その知識は判っている。
「航空機」の場合は、「環境変化の速さ」も然る殊ながら、この「試験項目類の条件」がすべて大きく影響する事が考えられる。(実は筆者には経験がある 上記)
次ぎに、この通常の「環境条件下」と「過酷条件下」で「磁場・磁界」に影響する「静電気」等の自然現象を再現してそれに対してど様な事が起るか調べる。
何れのプロセスも回路修正をし仕直しながら一つづつ前に進める。
(設計段階での正しさを確認しての後の事であるので ”直す” と云う作業は容易ではない。)

そもそも「電気回路」と云うものは、回路の「相互間のバランス」を取って出来ていて、それを「正回路」としてまず設定する。
従って、この”正回路を変える”と云う事は、「准回路」に”対策の為に換える”と云う事に成るので、全体の回路にも大きな影響を及ぼす。(回路設計者が立ち会う)
当然、次ぎの「准回路」に換えなければ「環境条件」に耐えられないのであるから、「バランス」は崩れるので、1つ上の次元の「バランス」に持ち上げなくては成らなく成る事を意味する。
当然に、この「バランス」はそれだけで「微妙なバランス」で成立つ事になる。
この「磁場・磁界」と「静電気」や「サージ」等で起す問題は、「高温の過酷条件」と「低温の過酷条件」とに依って「問題の特性」が異なるので厄介である。
「高温」と「低温」はものに与える違いは、一般には”「温度」が違うだけ”と思われがちであるが、ところが、「高温」の、「低温」の”ある「温度域」”(特定温度域)があって、そこの域を超えると、物に与える違いは異なるのだ。
”別の現象が現れる”と云っても過言ではない。特に、鉱物ではこの現象が現れやすい。
(上記した様に、繊細で敏感な「結晶や細胞」を有するものは、”ある温度域 (特定温度域)”を境に変質する特質を持っている。)
従って、「高温」で直しても「低温」で上手く行くとは限らない。この逆も起る。
この途方もない「繰り返し」と「組み合わせ」で「回路修正」を行う事に成る。
当然に、「対策部品」は増え「コスト」は上がる。(設計者は最も嫌がる)

ところが、ここにもう一つ”厄介な環境変化”がある。
それは、”ある条件からある条件に環境が急激に変化を起こす事”である。
それには、次ぎの2つの変化がある。
(1) 「普通の環境変化」
(2) 「苛酷な環境変化」
以上の「2つの急激に起る変化」とがある。

地上では、シベリヤ等の極寒の地や砂漠地は、この様な環境を気候学的に持っている。
ところが何処でもこの変化を常に起こすものがある。
自動車や大型の製品には、「寒冷地仕様」と云うものがあって寒冷に関する特別な設計をする。
これを設計するには「環境条件下テスト」を実行して、”起こり得る欠陥”を把握して対策を講ずる。
例えば、自動車ではブレーキに致命的な欠陥を及ぼすので特別に対策を講じて作られる。
ポンプにしても、油にしても、部品と部品の勘合にしても、エンジンにしても、全て異なってくるのだ。
勿論、「高温地仕様」も同然である。(筆者はこの2つの職域に関わった経験を持つ)

それは、”地上と上空を行き交う「航空機」”は、「2つの仕様」に関わるがどちらかと云うと、経験談からすると「寒冷地仕様」の方に傾くだろう。
これは、どのテストよりも「最大の難関」であり、一度はテストをするが多くはギブアップする事が多い。
確かに、この”「急激な変化」”は使用環境の中では間違い無く発生する。

(世界中の環境条件の過酷性を選択して再現テストする。 この問題は製品輸送中にも起こるし、稼動中にも起こる極めて厄介な現象である。設計者は殆ど考慮に入れていない。テスト後の結果に求める。)

「結露現象」や「製品の機械的な歪み」や「亀裂」や「予想も付かない温度落差の品質変化」や「応力歪み現象」等の「厄介な現象」が起こる。
そもそも、鉱物が、”その速さに対応する性質”を持ちえていない事に因る。
然し、その現象を起こす地域は限られているので、「確率の低さ」を観て、普通の地上で使う器機は、直すか直さないかの判断をする。
然し、「航空機」は別である。どんな地域でもどんな環境条件下でも飛び交う。
況して、この環境から地上に降りて来る現象である。温度、湿度、気圧、速度は急激変化するし、これはその余りの「速度の差」で、”相乗効果を起す難解な現象”でもある。
この速さで「気圧」が変化すれば、「温度、湿度」も連動して変化するし、これに「速度の変化」が加わるのでよりこの現象は大きく成る。「航空機の変化」は、自然の「環境条件が持つ順応する変化」を遥かに超えている。
中でも、特に「電気部品」は、上記する鉱物であるから、「温度の変化」を中心にして「特性レベル」が変化する。
当然に、”設計でバランスを採っていた”のに、この「特性」が崩れれば回路は設計通りに動かなく成る。
ある程度の「特性の変化」は考慮して、”変化の一定の範囲”で動作させられる様に、「可変抵抗や可変コンデンサ等」で範囲を設定して対応する。然し、自動ではない。
これは「直流回路の宿命」で、特に「デジタル」では、この「設定」が、特に「急激環境変化」には対応出来ない事が多いのである。
何せ、「温度、湿度、気圧、速度」の連動作用が働けば、この組み合わせでも気の遠く成る組み合わせの条件(マトリックスチャート)が生まれる。
到底、設計段階では想定して対応出来ない。普通はこのテストに頼る事に成る。
これはあくまでも「ソフト基盤」「プリント基板」の回路間の問題である。
「ハード回路」は、概ね予測できるし部品の耐圧で逃げられる。

”普通では有り得ない環境”の「急激に変化すると云う要素」はかなり難解で、それを再現出来る高度な「専用チャンバー」を使う。
経験上、この「急激な変化」に依って起る変化は、先ず解決は、最大限の「部品対応策」で処理するが、「機械的な対策」を混じえなくては困難である。
そして、その「急激な変化」が回路に及ぼす影響を調べる。
問題が起これば、直ぐに回路変更して、変更した事に対して、”別の問題が出ないか”を確認する。
然し、この過程で直す事で逆に問題を大きくしてしまう危険を持っている。
「確認−対策−修正」のこの繰り返しで少しづつ前に進める。膨大な日数を要する。
これ等のテストには色々なセンサーの付いた計測器機をセットして変化を調べる。

(「計測器機」に「正回路」を先ず記憶させて、実際テストで動作した回路との間の違いを調べる「チェッカー器機」がある。これで ”何処にどの様な違う現象が起ったのか”を確認する機器である。
この繰り返しのテストを行う。)

それを先ずは、一つのユニットの単体で行う。
これをクリヤーした段階で、今度はシステムのユニットで同じ事を行う。ユニットが終われば製品で行う。製品は大きい場合は、「必要な部位」を再現して行う事が多い。
(チャンバーには大型−小型の種々がある)
「航空機」は必然的に必要な部位だけを取り込んで行う事に成る。
実機は100%危険であるのでこの「環境条件下テスト」の段階では行わない。

この「4つの装置」が、この段階がメーカーが別に成っている事からも出来ないでいると考えられる。
”どこのメーカーがどのように責任を採るか”、”何処のメーカーが主因であるのか”を決めつける事は出来ない事が起る。そもそも、この様なテストを行えて対策を講じる事が出来る技術者が各メーカーには居ない筈で、その技術者は2種の専門域の技術者が必要である。
先ず、物理系技術者で電気回路に精通している者、電気技術者で物理に精通している技術者
この2種の技術者の共同の作業と成る。
この電気技術者にはそのプリント基板を設計した本人が行わなければ先ず無理である。
そうでなければ逆に変な対策をすると問題を大きくして仕舞い迷宮入りする.
何故ならば、回路には色々な仔細な設計図に書きこんでいない”思惑”と云うものが組み込まれているからであり、テストに依ってこの様な「思惑部分」が事更に左右する事が多いからである。
そもそも、この様なチャンバーを持っているメーカーは少ないし、この領域は日本の独断場であり、殆どは日本に集中している。技量や専門知識の取得レベルなどメーカー別に異なっていれば話し合いは尽かない。
依って、この「チャンバー」がないと環境の違う国にも販売できると云う事は不可能である。
故に、「日本の器機」は優れているのである。当然に、海外にはこの様なテストを行える専門の技術者は少ないのである。応用物理学はノーベル賞の取得でも判るように「日本の独断場」である。
先ず、上記した様に、”技術・品質に関する概念”の「根本的な違い」もあり、「共同テスト」は現実には無理である。
上記で論じた様な、専門的で広範囲な物理知識を駆使して、その現象が起こらないか等に注意を払いながら行う。
多分、この物理知識とそれらから得られた「経験識・経験値・経験理論」から「テストの要約」も行いながら進める。
マトリックスチャートを全て行うには限界もあり、「経験識・経験値・経験理論」が大きく工程に左右する。

この様な、「テスト要約や工程」の問題も解決して行くには日本企業が請け負う必要が当初から存在していた筈で、自動車のハイブリッドやEV車でも既にん代に成っていて経験している事でもあり、国連の輸送基準でも「振動熱」による勧告もされている事でもあり、この事を配慮すれば充分に考えられた筈である。

>・787の事故の検証
ここで、然し、この起った複数トラブルに対する共通項がある。

2011/11のデモフライトから納入まで6ケ月〜10ケ月と観て、計算すると次ぎの様に成る。
成田−ボストン間の周航(4/22)から事故までの間は片道で「1サイクルの充電」と成る。
そうすると、ロング期間のフライトと成り、事故まで、「充電」(「満充電」は弱点)サイクルは次ぎのように成る。
(6.0〜8.0ケ月)×30日=180〜240サイクル 
これに納入・試験飛行・整備・訓練等の準備期間を2月を考慮しても、
(8.0〜10.0ケ月)×30日=240〜300サイクル

宮崎−東京間の周航は2往復で「1サイクルの充電」と成る。
宮崎−東京間の周航(9/21)から事故までは、
(2.5〜3.5ケ月)×30日=75〜105サイクル
これに納入・試験飛行・整備・訓練等の準備期間を6月を考慮しても、
(8.5〜9.5ケ月)×30日=250〜285サイクル

この数値から考えると、明らかに、 「最小300サイクル−最大500サイクル」以下で、
この差の30%比を考慮しても   「最小210サイクル−最大350サイクル」以下で、
上記のABCの3つの状況を考慮しも「最小160サイクル−最大300サイクル」の中にある。

「ボストンルート」と「宮崎ルート」とには「フライト条件」には、次ぎの要素が異なる。
上記で論じた様に、「テイクオフとランディング」に因る「フライト条件の変化」とその「回数」と、それに伴う「環境条件の変化」とその「回数」が異なるから、それに因る「充電サイクル」や「寿命の低下」は異なる。
従って、「宮崎ルーツ」はこの「変化の回数」が高い事から「ボストンルート」よりは影響を受ける事に成る。
「ボストンルーツ」は、デモフライトから周航まで約6月、納入から準備期間を取れる日数は2月程度しかなかった計算に成る。
「宮崎ルーツ」は、デモフライトから周航まで約10月、納入から準備期間を取れる日数は6月程度しかなかった計算に成る。
どの様に、情報を検索しても配慮に入れても、サイクルを押し上げる等の情報は見つからない。
従って、マイナス要因の方が多い為に、どう見積もっても下記の中に来る。

上記の「ABCの5状況」の ”「最小160サイクル−最大300サイクル」” の中にある。

「最小140サイクル」から観ると、事故直前には、既に、寿命の領域に既に入っていて、上記した「弱点の病原」は進行していた事が云える。上記の「末期現象期の入り口」に入っていた事が云える。
上記の論じた「危険」が現実に起こっていた事を物語る証拠でもある。
但し、これだけでは納得し難いところがあって、「事故内容」を専門的に推理しても、上記した次ぎの「2つの弱点」が少なくとも起こっていた事が判る。

(1)「低温−低湿条件下」の「特定条件」での「静電気の問題」
(2)「リチウムイオン電池」の「弱点の問題」

>・「常温劣化」
さて、「リチウムイオン電池」の「内側の弱点」に付いて、未だ ”気になる弱点”がある。
それは、上記に再三述べた様に、「アルカリ金属の宿命」とも云える特質である ”敏感で不安定な金属である” と云う事から起こる ”「常温劣化」”の特質である。

どうしても、”この「地球上」であらゆる「内外の環境」に対して、「絶対的な安定」を保って置かなければ成らない”と云う事で、保たれていれば、この宿命は「利点」に向くし、保たれなければ「欠点」に向かうのである。
世の常として、”人はこの「利点」を生かし、この「欠点」を補う”とする。故に、人類はこれを克服し「文明」と云うものを造り出し、「科学の近代化」をここに生み出した。

当然に、この「利点」には上記の様に、「リスク」を伴う。この「利点」が大きければ大きいほどに「リスク」もまた大きい。この「リスク」を克服してこそ「文明」は前に進む。
「利点」>「リスク」=「文明」の関係にある。
少なくとも、日本は大化期からこの関係式に積極的に挑戦して来た。”「日本の概念」”と云うものを作り出して来た。
その「リード役」を「氏の責務と宿命」として、我々「青木一族」は「物造り」の「氏上さま、御師さま」と呼ばれて来た。「皇祖神−子神−祖先神−神明社」の「豊受大神」を祭祀し守護神として来た。
その立場から、「787リチウムイオン電池の本論」は、時代の「利点」>「リスク」=「文明」の関係式論の「重要な端緒」と成っていると認識している。
故に、この「787のリスクの克服」に「平成の青木氏の一人」として、貢献したいと考えてここにクドクドと論じている。
この「リスク」の一つとして成っている「欠点」(弱点)を「安定化」と云う手段で克服しようとしている。
然し、如何せんその「完全な安全」は未だ確保されていない。
上記で論じた様に、「内外の数々の弱点」を持っていて、これに対策を採ってきたが、残されているのは、「環境条件の温度」に対する「安定」が不充分であって、その為に、「不安定」から来る「常温劣化」の弱点は解決されていない。
つまり、この「常温劣化の現象」は、「内側からの弱点」として浮き上がって来ている事に成る。
まさに「人間」で云えば「細胞の老化」であって、「鉱物」で云えば「結晶の老化・劣化」なのである。
上記した様に、この「劣化・老化の弱点」は、この世の「結晶と細胞」に因って構成されている物質に課せられた「宿命」であって、”「ES細胞」や「IPS細胞」の挑戦” と同じであって、まさに”技術のIPS細胞”とも云えるものと考えられる。

この「常温劣化」は、即ち、「常温老化」なのであって、「アルカリ金属の寿命」を縮める「最大の要因」であり、「最大の弱点」でもある。この「787問題」にも、日本が率先して「IPSの幹細胞」成るものを見つけ出す事が必要なのである。
今、その研究が「幹細胞」に当たる「リチウム酸化塩」と云うところで研究されているが、この「リチウム酸化塩」が「内外の環境条件」に絶え得るものを見けられれば解決するが、その前に、この「内外の環境条件」を何とかしなくては成らないのである。
「リチウム本体の研究」と共に、その「本体を取り巻く環境条件」に対しての「緩和策」が見つからないかもしれないが、研究する必要があるのだ。
(”原因不明”では「将来のシステム」として放置できる話ではない。)
それが「環境条件下テスト」であり、このテストに因って、この「緩和策」が講じられるのである。
上記した様に、あらゆる「弱点欠陥類」は、この「温度」に直接間接に関わらず起因しているのだ。
「常温劣化・老化」の通り、”「常温安定」” で無くては「老化」が起こり「寿命」は縮まるのだ。
然し、この「世の中の環境条件」には、”「常温安定」は有り得ない”のだ。むしろ、”適度に変化する事”に因って「自然環境の理」は保たれているのだ。
むしろ、生態学的に、”「結晶や細胞」に因って構成されている「生物、鉱物」に関わらず、「常温安定」はあってはならない環境条件”でもある。
では、季節変化するのではなく、常時、大きな落差を以って変化する航空機に使用する「リチウム」としてはどうするかである。「結晶の劣化・老化」をどの様にするか、「結晶の幹細胞」を見つけるか、「緩和策」を見つけるかに依るかである。
「結晶の幹細胞」(プラトン)に成り得るものが見つかってはいるが、未だ「IPS実用化」までには至っていない。然し、「緩和策」は今でも可能である。
この「緩和策」は、何も「リチウムの問題」だけではなく、本論の「4つの装置」の「3つの機能」を維持している上記した「主要4つのパーツ」にも云える事である。例外なく「強弱、安定性」は別としても、この「常温劣化・老化の弱点」が存在しているのである。
「4つのパーツ」では、「強弱性と安定性」は問題ないが、「使用頻度」と「環境条件」では「劣化・老化」が起こり、凡そ、15年かせいぜい20年で使用に耐えられなくなって「バーニング」を起こすのである。
主に繰り返して使用される事に因り「応力」が溜まって起こる「応力破壊」が主因である。

殊ほど左様に、「リチウム」は「強弱性と安定性」が悪く、尚且つ、その特性上、「常温劣化」は ”比べ物に成らない程に激しい”と云うことの特性を持っているのだ。
故に、上記で論じた「寿命」が、「航空機」で考察すれば、「常温劣化」に襲われれば、「最悪140サイクル−最高300サイクル」として1年弱と観ると、1/20程度と成ってしまう事に成る。

上記で論じた様に、総じて「内外の弱点要因」の「緩和策」を講ずれば、あらゆる「弱点欠陥類」は、この「温度」に直接間接に関わらず起因しているのだ。
「常温劣化・老化」の通り「常温安定」で無くては「老化」が起こり「寿命」は縮まるのだ。
然し、何度も云うが、この「世の中の環境条件」には、”「常温安定」は有り得ない”のだ。
むしろ、生態学的に、”「結晶や細胞」に因って構成されている「生物、鉱物」に関わらず、あってはならない環境条件”でもある限り、つまり、「常温安定」は「進化」を齎さないのだ。

兎も角も、「標準状態」にして置く事が最善策ではあるが、地上の自動車とは「環境条件の特性」が逆の方向にある「航空機」では、上記した様に無理である。(航空機の環境:155S/Mの数字がそれを物語る)
その為にも、それに“近い状態を作り出す事”に成るが、その策は「環境条件下テスト」以外には無い。
それには“「4つの装置のユニット」による総合テスト“をこのノウハウのある日本側が請け負うこと以外には無い事を意味する。(「ノウハウ」とそれを支える「固有の概念」が真実を引き出す。)

(日本の品質に対する飽くなき概念がこれを解決する。人類の進化の「IPS細胞」はそれを証明している。世界の「技術の進化」を成す「リチウムイオン電池」として放置してはならない関所である)

上記した数々の「内外の弱点」と共に、この「弱点」と少し異なる「寿命性」とも云える、この他の鉱物とは比べ物に成らない「常温劣化・老化」の “速さと敏感さと安定さの克服“ に ”技術の道”を切り開くべきである。
上記に紹介したある「航空機上の製品開発」の筆者の経験から観ても、“やってやれない範囲の事ではない”と考えられる。
筆者は別に今でも日本が誇る高速列車の「ブレーキの開発」{投稿 :中国の新幹線脱線事故(潜在的欠陥) }にも携わった事もある事から “日本の技術と日本人の概念” から不可能ではないと考えられている。
その為にも、「物造りの御師の氏の青木氏」として少しでも役に立つ事を願って、ここに「787問題」に付いて敢えて論じた。

787周航の経緯
2011年
11月1日  デモフライト  

2012年
4月22日  成田−ボストン間就航
9月21日  宮崎−東京間 記念飛行
10月28日 宮崎−東京 定期便周航

2013年
1月08日  日航機 米・ボストンのローガン国際空港で、駐機中の日航機の機体内部から出火
  09日  日航機 同空港で、地上走行中の日航機の主翼から燃料漏れ
  09日  全日空機 羽田発山口宇部行きの全日空機でブレーキに不具合
  11日  全日空機 羽田発松山行きの全日空機で操縦席窓にひびが入るトラブル
  11日  全日空機 宮崎空港で離陸前点検中の全日空機の左エンジンからオイル漏れ
  13日  日航機 成田空港で、米国ボストンの空港で燃料漏れを起こした機体が、整備作業中に燃料漏れ
  16日 全日空機 山口宇部発羽田行きの全日空機で飛行中、操縦室内で異臭がしたため高松空港に緊急着陸。乗客129人と乗員8人が脱出用シューターで避難、乗客5人が軽傷

再開後
5月30日 テストフライトのドアに機密さに欠陥 異音
6月01日 全日空 機体に異常音発生
  02日 バッテリー内外に気圧さ発生
  03日 バッテリー点検ミス発生
6月08日 デジタル機器 異臭発生
6月22日 故障不明 遅れ 原因不明