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  [No.620] 家紋の質問 (綾戸さんから)
     投稿者:福管理人   投稿日:2009/09/06(Sun) 19:24:41

福管理人の代理投稿
家紋掲示板に投稿

綾戸まささんより

初めまして。
突然ですが質問があります。
親戚からの頼みで、京都の平岡八幡宮にある「花の天井絵」を描いた綾戸鐘次郎藤原之信という江戸時代末期の画工と私の母方の「綾戸(あやど)」家の関係について調べています。
この画工は調べようにも、情報が少なすぎていまいち素性が掴めません。
そこで、母方の綾戸家の家紋からアプローチしようと思いました。
しかし、私は家紋については全くのド素人で右も左も分かりません。
「綾戸家」について、支障がない程度に情報を書きますので、家紋や元々はどこから派生した可能性があるのかなどを教えて下さい。また、家紋から色々調べる時の方法などもご指導頂けたら幸いです。

・綾戸家の家紋:「丸に(横)木瓜」

・滋賀県にあります

・その集落はもとは落ち武者がつくったそうです(事実かどうかは不明)



よろしくお願いします。この他に情報があれば、随時書いていきます。


  [No.621] Re:家紋の質問 (綾戸さんから)
     投稿者:福管理人   投稿日:2009/09/07(Mon) 07:23:48


母方の実家の綾戸さん

今日は。 始めまして。
貴方の姓が判りませんので、とりあえず綾戸さんとしてお呼びします。
青木サイトによく御越し頂きました。これからもよろしくお願いします。

さて、お尋ねは綾戸さんのルーツですが、残念ながら全く判りません。

余りにも情報が少ないのでなんとも致し方有りません。
そこで家紋の判断ことですが、この家紋は限られた氏が使用した家紋です。
元は中国の官服の袖文様として用いられたもので、一説にはボケ木瓜、胡瓜と云われていますが正しくは官服文様です。
日本では最初に使ったのは車紋としての象徴紋で、徳大寺氏です。これが後に、多くの豪族や旗本など160氏以上が使用しました。

この内、横木瓜紋を使用した氏を観ると、越前から岐阜一帯域縦に分布します。
その中でも、この横木瓜紋の代表的な氏は田中氏、大原氏です。
この多くは、織田信長の家紋の織田木瓜や朝倉氏の朝倉木瓜や日下部氏(草壁)紋と言われるように元は越前、信濃、美濃に住んだ平家一門の支流末裔です。

これと綾戸氏とはどの様に繋がるかは判りません。
参考として、綾の姓を使う氏としては元は「綾部氏」が多いとされています。
つまり、大化期に中国後漢が滅び、初代光武帝より末帝21代献帝の子供阿智使王とその孫の阿多倍王が中国17県民を引き連れて200万人が日本に上陸して帰化しました。
この時、技能集団の綾織をする技能集団がありました。この集団を当時「綾部」と呼びました。
「・・部」はその技能の後ろに「部」付けて呼ぶ技能集団の呼称でした。海の幸を採る「海部」、服を作る機械を作る「服部」等この集団の首魁が阿多倍王でした。
日本書紀にも出て来る人物で日本の66国の関西以西32国を支配する勢力を持っていました。
この首魁阿多倍王の孫末裔「平国香」より5代目が「平清盛」です。
その帰化技能集団の多くは当時未開の美濃信濃域に配置されました。
ですから、この域に平家の支流末裔が多いのです。
恐らく、後に綾部氏から綾戸氏と変わっていったとも考えられます。
そこで、綾戸さんの家紋は丸付き紋ですので、更に、これ等の支流のさらに支流と言う事に成ります。
比較的新しい氏と観られます。

日下部氏がこの木瓜紋を使っているところを見ると、「草壁」から日下部氏に変化したものと考えると、滋賀地方も入る事と推測できますが正確には判りません。

兎も角も、家紋に入る前には綾戸氏のご本家のご先祖の菩提寺を探されて、その寺にある「過去帳」を見せて貰う事から始めるのが一番はっきりとすると思います。家紋はこの前提に立っていますので。
一番古い人を見つけ、その人の生きた時代状況を特定して、そこから地域を推理特定して行けばこの家紋にたどり着く事が可能に成ります。そこで、人時場所の特定からの「歴史的な史実」から割り出せば出て来ると考えます。
江戸末期であれば資料も残っていますのでたどり着く可能性があります。

「歴史的史実」の知識はなかなか個人的には把握するには困難です。専門的に長い研究からの知識での判断が必要です。
家紋だけでは無理でその元と成る歴史な史実が必要です。その前の綾戸さんのルーツを見つける事ですね。
その時には、「歴史的史実」で青木氏サイトもご協力できると考えます。


  [No.639] Re:家紋の質問
     投稿者:まさ   投稿日:2009/10/18(Sun) 20:03:15

丁寧なご回答していただき、ありがとうございます。
すぐに、お礼申し上げなければならないところを、大変遅くなってしまって本当に申し訳ありません。
早速、菩提寺の過去帳を見に行ってこようと思います。

>技能集団の綾織をする技能集団がありました。
 やはり「綾」は、綾織りとの関係が深いのですね。実は、ふと思い出したのですが、今は綾戸家の近くの会館で、祀られている「綾の神」という自然石があるのですが、私の母が子供の頃は、家のすぐ前あたりに祀られていたらしいのですが、「綾」の神を祀っている「戸」(家)で「綾戸」という事はあり得るのでしょうか?また、周辺地域に「天女の羽衣」伝説が残っていて、そのような地域には「綾」という名字が多いという事を知りました。

 綾戸鐘次郎藤原之信についてですが、実際に平岡八幡宮の花の天井を見に行きました。
神社の人に、綾戸鐘次郎藤原之信について聞いてみたのですが、「ここの絵を書いたという事しか分からない。」という事で、謎に包まれている人物でした。

どうか、これからも、アドバイスをよろしくお願いします。


  [No.641] Re:家紋の質問
     投稿者:福管理人   投稿日:2009/10/23(Fri) 08:01:49



綾戸さん 今日は。 お読みいただきありがとう御座います。

よく色々と歴史の事にご興味をお持ちと推察します。
同じ歴史ファンとして親近感が湧きます。
これからも青木サイトにお出でください。お待ちしています。

「綾部」は大変古い技能集団で大化期前後に帰化してきた帰化人ですが、後漢の人は日本人の15%がこの子孫と成ります。(青木サイトにもこのことは「日本民族の構成と経緯」レポートで詳細にしています)日本の骨格を作り上げた日本人です。恐らくはその末裔と観られますが、その日本人の氏姓はある一定のパターンで姓が出来ています。

「綾の神」は技能集団の「綾部」の綾氏で「部」はその組織を表現する意味ですからお家の前に「綾の神」を祭祀されていた事は綾氏一族一門の氏神で守護神ですね。
「部」の人たちが古いご先祖を祀られていた事を意味します。
そして、それを祀る役目を綾氏の誰かが担当していたのです。
青木氏も同じで青木神社の守護神が各地にありまして、その宮司や守人は一族の者が行っていました。
神社の宮司で青木氏が多いのはこの当時の歴史的習慣でした。

綾氏は大変大きい氏ですが、当然に氏神を持っていました。
当然に、社人や宮司も居て、何時しかその社人や宮司を「綾人」(あやと)或いは「綾戸」と呼んだとされます。他の氏でも特に「部」の着く氏の氏神は「人」、或いは「戸」又は「家」を付けて氏名としています。
分類すると役目による使い分けをしていたのです。(神に捧げるお神酒を造る「杜人」も「社人」の中の役目の一種です)
「人」は主に宮司、「戸」は社人(杜人)、「家」は氏総代と成っている様です。
綾氏の綾とする一文字の氏は多くはこれ等後漢の渡来人で、そのそのものの「綾部氏」もありますが、これ等の役目柄を後ろに付けての氏名が多いのです。
室町期ごろから出てきます。
お家は、氏名のつけるタイプから「戸」は社の人、つまり社を護る一族であったことを物語ります。
お家は元々綾氏族と云う氏を持ちますので、その元々氏名を持つタイプのその綾の判別をする目的から後ろにつけるタイプです。
氏名は前につけるタイプと後ろの付けるタイプがあり、役目柄を示すタイプです。地名もあります。
綾部の綾氏等はその役目柄を3つに分けていたようです。

例えば、藤原氏はこの前につけるタイプで地名と役目でつけています。
斎藤氏は斎蔵と言う朝廷で最も高い祭祀を司る最高幹部職ですがその斎蔵の藤原氏と成ります。
伊藤氏は伊勢の藤原氏と成ります。
この様に大きい氏はその前後に特長をつけることで判別していたのです。

ご推察の通り、綾部の綾氏一門の綾戸氏で宮司に近い仕事の神職を司っていたことを意味する氏名です。
お家の前に、綾神社の社があったことはこの何よりの証拠です。
多分、近くに、綾人さん、綾家さん、綾部さんも昔は居た筈です。

「・・部」に付いてたくさんの部の種類がありますがサイトにレポートしていますのでお読みください。これらの多くは氏神を持ち、その役目柄を後ろに付けた氏名があります。

これ等のことはの由来は後世に伝えて伝統を護って行きたいですね

画家の綾戸さんに着いては残念ながら良く判りません。
過去帳を調べられる時に、アドバスとして、その人の戒名で、ご先祖の仕事内容が判る要に成っていますので、よく記録しておく事をお勧めします。
3つの内容を読み込むように成っています。
サイトにレポートしています。

では、これからも何かご質問ありましたら便りください。